アジャイルな予算編成で柔軟性を向上させる
アジャイルな予算編成を実践すると、企業は変化に応じて適切な選択を確実に行い、変化にすばやく対応できるようになるので効果的です。
アジャイルな予算編成を実践すると、企業は変化に応じて適切な選択を確実に行い、変化にすばやく対応できるようになるので効果的です。
予測、運用、管理は、従来の予算編成の基本原則です。しかし絶えず変化する世界においては、こうした基本を維持することが負債に変わる可能性があります。ディスラプションが続く中、財務部門には管理性より柔軟性、予測性より適応性が必要になります。
組織は競合他社に勝利するというプレッシャーも感じています。しかしスピードと戦略は連動させる必要があります。アジャイルなアプローチとは、企業が変化に応じて適切な選択を確実に行い、変化にすばやく対応できるようにするものです。
アジャイルな組織は、大きな課題を具体的な問題に分割し、潜在的なソリューションをすばやくテストすることでイノベーションを達成します。より硬直的なトップダウンのアプローチと異なり、成否をすばやく特定できるため、チームは何が有効かに基づいて優先順位を設定できます。アジャイルな組織はまた、よりすばやく結果が出る少数のイニシアチブを重視します。複数のプロジェクトを同時に実行するのではなく、特定の戦略的目標に的を絞って継続的に取り組むのが原則です。
組織がこのような移行を実現するには、財務部門の予算編成に対するアプローチも調整する必要があります。
アジャイルな予算編成を成功させる鍵となるのは、何が有効で何がそうでないかを示す正確な最新情報です。新たな情報により、計画したイニシアチブの方向転換や完全な中止の必要性が明らかになる場合があります。いずれの場合も、イニシアチブを漫然と続行するのに比べて、より望ましい結果を得られます。価値が期待を下回ることを関係者が承知していてもイニシアチブが続行されることが、組織では珍しくないからです。
アジャイルな予算編成における 3 つの主要な原則を理解・導入すると、財務部門や組織全体の適応性や即応性の向上につながります。
財務部門が将来を予測することはできません。予測しようとすると多くのリスクが生じます。1 年以上に及ぶ予算を編成すると、組織は時代遅れの戦略に身動きが取れなくなる可能性があります。変化の激しいビジネス環境下でそのような状態に陥ることは危険です。対象期間を短くして頻繁にプランニングを行うことで、組織は市場の変化に柔軟に対応できるだけでなく、戦略が時代遅れになることもありません。
複数のプロジェクトごとにチームの作業時間を分割することは効率的 (かつ必要) なやり方と言えます。一方、複数のプロジェクトを同時に実行する必要がある場合、人財の生産性は大幅に低下することがあります。これは組織にも当てはまります。すべてを一度にやろうとするのではなく、いくつかの短期的な戦略的イニシアチブに投資することで、企業はより多くのことを達成できます。戦略的プロジェクトに優先順位を付けて順に実行することで、チームは目標をすばやく達成し、組織への価値提供を加速できます。
財務部門が有効なイニシアチブを正確に評価するためには、常に情報を把握する必要があります。個々のイニシアチブが何を提供することを目的としているのか、成果はどのように評価すればよいのかを知る必要があります。各プロジェクトのリーダーは、これらの指標を最初に定義しておく必要があります。一方、財務部門は予想外の深刻な問題が発生するのを防ぐため、進捗状況を月に 1 回以上は確認する必要があります。
アジャイルな予算編成を成功させる鍵となるのは、何が有効で何がそうでないかを示す正確な最新情報です。
アジャイルな予算編成への移行は大きな変化を伴うことが少なくありません。企業がすべての変化を一度に吸収することは難しい場合があります。取締役会を含め、多くのリーダーはプランニング、予算編成、資金調達の各プロセスに関与します。このようなエグゼクティブは、今まで問題なく機能していたプロセスを変更することに躊躇するかもしれません。
財務部門は、反復的なアプローチを採用してアジャイルな予算編成戦略を導入することで、このような大規模な移行に伴う痛みや不安を軽減できます。1 つのビジネス ユニットまたは資金調達領域を対象とした小規模なロールアウトで価値を実証することで、全社規模のより広範なロールアウトに対する支持を得やすくなります。
さらにこのプロセスは、財務部門がより強力な戦略的パートナーとしての役割を担い、将来に向けた意思決定をより的確に行うために必要な情報やアドバイスをビジネスリーダーに提供できるようにします。
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