世界の財務リーダーを対象とした調査: CFO はどのように分析指向の文化を創出すべきか
高度な分析のメリットを理解することと、それを活用することには違いがあります。当社の『財務の再定義: 世界の財務リーダーを対象とした Workday の調査』により、高度な分析をうまく活用するには、直感ではなくデータに基づく意思決定を重視した組織文化が重要であることが明らかになりました。
高度な分析のメリットを理解することと、それを活用することには違いがあります。当社の『財務の再定義: 世界の財務リーダーを対象とした Workday の調査』により、高度な分析をうまく活用するには、直感ではなくデータに基づく意思決定を重視した組織文化が重要であることが明らかになりました。
最高財務責任者 (CFO) は、データ分析が重要な機能であり、財務部門がより正確に予測し、より効果的にリスクを管理し、さらには、より的確な意思決定を可能にするものであることを強く意識しています。Workday の CFO である Robynne Sisco は次のように述べています。「データ分析は、組織がビジネスを運営する上で非常に重要な役割を果たし続けるでしょう。より多くのデータを所有し、インサイトを得るために必要なツールと組み合わせることで、ビジネスに関する意思決定をより多くの情報に基づいて行えるようになります」
EY/Forbes Insights の調査「How analytics can help transform CFOs from accountants to strategists」によれば、CFO の 57% が、ビジネス インテリジェンスと経営情報のためのデータと高度な分析を提供することが、今後の財務部門の重要な役割になると考えています。
しかし、高度な分析のメリットを理解することと、それを活用することには違いがあります。当社の関連ブログ「財務データと非財務データを組み合わせて高度な分析を最大限に活用」では、データとシステムの課題が、組織が望む進歩をどのように妨げているかについて検証しました。しかし、670 人を超える世界中の CFO と財務部門のシニア リーダーの見解を評価した当社の『財務の再定義: 世界の財務リーダーを対象とした Workday の調査』では、もう 1 つの大きな障害が見つかりました。その障害とは、「データに基づく意思決定ではなく直感を重視した組織文化」です。
意思決定における直感と分析の重要性に関する議論は、何年も前から行われています。2014 年、米国初の最高技術責任者 (CTO) である Aneesh Chopra 氏は次のように述べています。「大きな意思決定に関して言えば、人々は 2 つのグループに分かれます。一方は直感が分析に勝ると考えている人々で、彼らは自身の直感に従います。もう一方は、直感を受け入れず、慎重なデータ分析を好む人々です。彼らは十分なデータがあれば直感は必要ないと考えます」。Chopra 氏は、これら 2 つのアプローチの融合が理想であると主張しています。
こうした初期の議論以来、分析ツールはより高度になり、分析指向の文化を構築することの重要性はますます明確になっています。
また、直感には、意思決定者が十分に意識していない思い込みが反映されるのではないかという疑問もあります。高度な分析がビジネスの主流になるずっと前に、Boston Consulting Group 社の創設者である Bruce Henderson 氏は、「その生涯の文化的および感情的な思い込みを含む、生涯のすべての経験、条件付け、および知識を無意識に統合したもの」と直感を定義付けしています。
直感と事実に関するこうした初期の議論以来、分析ツールはより高度になり、分析指向の文化を構築することの重要性はますます明確になっています。EY 社の Point of View の『Driving change to an analytics-driven culture』で、同社は次のように主張しています。「分析は意思決定の基礎であるべきです。分析によってもたらされるインサイトを理解し、評価し、活用することにより、確証バイアス、ギャンブラーの誤謬、可能性の無視といった、個人の意思決定に関する思い込みを軽減あるいは排除できます」
データ インサイトが高く評価される文化を創出するプロセスを開始するには、財務リーダーがまず、分析指向の文化の重要性に関する認識をチーム内で一致させる必要があります。当社の調査によれば、「データに基づく意思決定ではなく直感を重視した組織文化」の重要性については、以下のようにグループによって見解がまったく異なっています。
この問題について認識が一致したら、CFO はデータがもたらす情報で戦略的意思決定を強化する文化への移行を計画する必要があります。これは、単に適切なデータやツールを用意することや、適切な人々が関連するインサイトを利用できるようにすることだけではありません。
これらの要因は高度な分析をうまく活用する上で中心的な役割を果たしますが、個々のユーザーが利用できるデータやインサイトの使い方を知っておくことも重要です。これには、財務の役割のバランスを変え、より多くの時間をビジネス パートナーシップに費やすことも含まれるかもしれません。また、個人の行動に目を向け、人々が意思決定を行う際に分析を利用できるようにしたり、それを推奨したりすることでもあります。前述した EY 社の Point of View では、「分析に基づくインサイトが示唆したアクション」を基準として、インセンティブや報酬を提供することの重要性が指摘されています。
この記事で指摘されているように、強力なリーダーシップも重要です。上級幹部は、影響力のあるエグゼクティブに企業全体の分析プログラムを委ねたり、分析を利用してリーダーシップ チーム内に存在しているメンタル モデルを見直したりするなど、さまざまな手段を講じることができます。このように、データ分析の人的側面が重視されていることを考えると、適切な人財を配置することがパズルの重要なピースとなります。これは、財務リーダーが革新的かつ積極的に取り組んでいく必要がある困難な領域です。当社の調査では、CFO の 71% が、データ分析やデジタル分野の優秀な人財の確保において厳しい競争に直面していると回答しています。
データ分析の活用を検討している多くの組織は、能力の構築と適切なツールへの投資に注力しています。これは重要ですが、財務リーダーが文化的側面や人的側面を無視すれば、投資から期待するリターンを得られないということにもなりかねません。
グローバルに行われた『財務の再定義: 世界の財務リーダーを対象とした Workday の調査』の全容については、こちらのレポートをご覧ください。
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