CFO 必見、2025 年のファイナンシャル プランニング トレンド
2025 年も数か月が過ぎた現在、最高財務責任者 (CFO) が重視すべきトレンドはどのようなものでしょうか?このブログでは、財務チームのスキルアップやクラウドベース ソリューションの重要性と、財務統合を促進する AI の主要機能についてご紹介します。
2025 年も数か月が過ぎた現在、最高財務責任者 (CFO) が重視すべきトレンドはどのようなものでしょうか?このブログでは、財務チームのスキルアップやクラウドベース ソリューションの重要性と、財務統合を促進する AI の主要機能についてご紹介します。
財務の世界では 2024 年に大きな変化がいくつも起こりましたが、中でもとりわけ顕著な例はファイナンシャル プランニング & アナリシス (FP&A) の役割でした。AI やビッグ データの普及により、FP&A の役割は従来の計算処理から戦略の担い手へと移行しています。先を見据えた CFO は、ビジネスのあらゆる場面に FP&A メンバーを関与させることで、チームのスキルを迅速に高め、新たなツールを導入し、競争上の優位性を維持・向上しています。
ファイナンシャル プランニング業界にとっては喜ばしいことかもしれません。このようなトレンドの多くはまだ始まったばかりです。財務のモダナイゼーションを推進していてもいなくても、2025 年は組織にとって、FP&A の価値や影響力を高めることができる絶好の機会となります。
この点を踏まえ、当社は CFO や財務プロフェッショナルにとって最も重要となる来年の FP&A トレンド、克服すべき課題、チームを成功に導くために必要となるツールについて調査しました。
今回の要点
AI は FP&A 変革の起爆剤: AI の導入で FP&A は、事後処理の役回りから、より積極的な戦略の担い手へと転身できます。
スキルアップは不可欠: CFO が AI や高度な予測分析を効果的に活用するためには、社員のスキルアップを第一に考え、強力に推進する必要があります。
データの質が成功を左右する: AI ドリブンなインサイトを取得し、十分な情報に基づいて意思決定を行うためには、正確でクリーンなデータ、アクセスしやすい状態に整えられたデータが必要になります。
鍵となるのは他部門との連携: 組織規模で価値を推進するためには、組織内で広く支持を得て、FP&A をエンタープライズ プランニングに統合することが極めて重要になります。
クラウドベースのツールで未来を導く: FP&A を確実に最新化するためには、クラウド プラットフォームを導入してデータの複雑さに対応し、他部門との連携を図り、プランニングを継続的に実施する必要があります。
人工知能と機械学習がデジタル時代を牽引する革新的テクノロジーであることは間違いありません。これは FP&A 業界においても同様です。CFO の大多数は、財務チームの効率性やビジネス インテリジェンスを高めるためには、AI が極めて重要になると考えています。Workday の AI IQ に関する調査によると、財務リーダーと他部門のビジネスリーダーの 99% は、AI の導入がビジネス価値の創出につながると考えています。
同時に 4 分の 3 の回答者は、組織が AI を最大限に活用するスキルを確保していないと回答しており、この課題を克服することが成長機会につながると考えています。これは来年に向けて AI の重要性が高まることを意味します。
このような傾向は、財務チームや財務サービスのオペレーションを根本的に変える可能性があります。データの集計、シナリオのモデリング、異常検知など、これまで数日かかっていたタスクが数秒で処理されるようになると、FP&A チームの役割はデータの生成から、戦略的パートナーとして他チームをサポートすることに移行します。
この新たなレベルのコラボレーションは、主に 2 つのイニシアチブによって促進されます。1 つは財務チーム全体を対象とした大規模なスキルアップです。AI ツールを導入しても、活用できなければ、その真価は発揮されません。つまり CFO は、日常業務で AI を効果的に使用するために必要となる AI スキルセットを社員が習得できるようにする必要があります。
もう 1 つは財務に関するインサイトの民主化です。生成 AI によって組織全体が財務インサイトを利用できるようにします。たとえば自然言語処理 (NLP)を活用することで、社員はデータ システムへの問い合わせを会話形式で行うことができます。技術的専門知識が不要なため、より多くの人財が部門横断的に財務戦略の構築に参加できるようになります。
AI の導入で FP&A オペレーションの変革が加速しているため、データ活用力のニーズは高まる一方です。AI の力を引き出すためには、適切に構造化された信頼性の高いクリーンなデータが必要になります。CFO はリーダーとしてデータ管理施策を推進し、AI が生成するインサイトの正確性と信頼性を確保する必要があります。この目標を達成するためには、経営幹部、特に CFO と最高情報責任者 (CIO) のコラボレーションが極めて重要になります。
Workday の調査によると、CFO と CIO の連携が強力な組織は、そうでない組織と比べて財務変革の取り組みが進んでいます。同調査では、Workday の CFO を務める Barbara Larson が、CIO との連携が未来の CFO にとって極めて重要になる理由を以下のように述べています。
「今日の CFO は、財務に関するインサイト以上のものを提供することが求められています。業務の変革を推進し、ビジネス戦略を指導し、最終的にはステークホルダーに長期的な価値を提供することが求められます」
CFO と CIO の連携が強力な組織は、そうでない組織と比べて財務変革の取り組みが進んでいます。
FP&A の役割が従来の事後対応的なものから事前対応的な戦略的イネーブラーへと移行するにつれ、部門横断的なコラボレーションの重要性が高まっています。AI ツールを活用すると、FP&A チームは財務に関するインサイトをビジネス戦略に幅広く効果的に取り込み、パートナーシップを組織規模で促進し、より多くの価値を生み出せるようになります。さらに組織内の他部門の意思決定についても、以下のような効果が期待されます。
マーケティング: 顧客獲得コストやチャネル パフォーマンスに関するインサイトを提供し、高い ROI を生み出すキャンペーンにマーケティング予算を割り当てられるようにします
営業: 収益予測の微調整やパイプライン パフォーマンスの分析に対応し、インセンティブ構造を最適化して採算性を高めます
製品開発: 新製品や新機能の財務的実現可能性を明らかにし、開発の取り組みと採算性目標が合致するようにします
サプライチェーンおよびオペレーション: 調達管理、在庫管理、物流のシナリオをモデリングしてコストを最適化し、業務の効率化を促進します
人事: 採用、定着率、報酬管理戦略の財務的影響を明らかにし、予算上の優先事項とのバランスを確保します
IT およびテクノロジー: テクノロジー投資のコストと ROI を明らかにし、財務の持続可能性や、戦略との統一性を維持します
経営幹部: シナリオベースの予測や戦略的インサイトを提供し、各チームの意思決定と企業の目標が合致するようにします
FP&A チームは各チームの意思決定や取り組みをサポートし、財務チームと他チームの橋渡し役を務め、財務データをアクショナブル インサイトに変換する必要があります。そのためには技術的スキル (AI を活用するスキルなど) を高めるだけでなく、コミュニケーション スキルやステークホルダーと連携するスキルを強化し、ファイナンシャル プランニングと組織の目標を合致させる必要があります。
組織内で戦略的な協力関係を確立すると、多くの場合ファイナンシャル プランニングの包括性を高める道筋を整えることができます。つまり財務予算編成、収益予測、モデリングをすべて一括した、総合的なプランを立案し、運営することができます。これにより、CFO の役割が (数字を操ることにかけては高度なスキルを持つ専門家から) 真の戦略的リーダーに移行するだけでなく、FP&A チームの役割もレベルアップします。
各チーム リーダーが財務関連の情報をより多く入手できるようになることでメリットを得られることは明らかですが、財務チームにもメリットはあります。Workday の CFO 指標調査レポートによると、CFO の半数以上は財務以外のデータに基づいて重要な意思決定を行うようになっています。
クラウドベース ファイナンシャル マネジメント ソリューションを導入していない場合、上記のいずれのトレンドも実現することが困難になります。CFO は、クラウド テクノロジーとその主要機能 (システムの自動化、決算処理の効率化、継続的なプランニングの実現など) を、財務のデジタル変革によって得られる最大のメリットの 1 つと見なしています。
クラウドベース ツールは、大量のデータ処理や統合された FP&A ワークフローの構築をサポートするほか、コラボレーションや財務データの民主化を推進し、企業がデータドリブンな意思決定をすばやく正確に行えるようにします。これらのツールには、企業全体のデータを理解して活用するために欠かせない重要な機能が含まれています。これには以下が含まれます。
クラウド システムは 2025 年のすべての主要トレンドを実現することができる最高の切り札です。AI/高度なアナリティクスの導入や効果的なコラボレーションを実現するほか、財務データを資産に変換し、組織があらゆる場面で戦略的に活用できるようにします。
FP&A の変革を推進するためには、克服すべき課題がいくつかあります。CFO の成功は、スキルギャップの解消、データ ガバナンスの改善、組織全体の連携強化を実現できるかどうかで決まります。2025 年以降に CFO が留意すべき 3 つの課題を以下にご紹介します。
FP&A チームのスキルアップの必要性を理解することは最初の一歩に過ぎません。CFO が社員のスキルアップを効果的に実現するためには、適切なアプローチを採用する必要があります。ここで重要な役割を果たすのがチェンジ マネジメントです。
Workday の調査によると、AI と AI を使用する人財との間には現在、重大な信頼性ギャップが存在します。組織が倫理的かつ透明性を確保した形で AI を導入すると考えている社員は 52% にとどまっています。
CFO が留意すべきポイント: 新しい AI ツールの導入を社員に強制するのではなく、サポートやトレーニングを提供し、社員が AI ツールを習得できる環境を整えましょう。FP&A に新たなアプローチを導入する理由を社員によく理解してもらう必要があります。真の付加価値を明らかにし、AI は財務チームの既存の業務を人間の代わりに引き受けるのではなく、財務チームを強化するために導入するのだという点を強調するのがポイントです。
現在、組織が倫理的かつ透明性を確保した形で AI を導入すると考えている社員は 52% にとどまっています。
FP&A が AI を活用するためには、正確で構造化されており、しかもアクセスしやすいデータが必要になります。一方現実としては、断片化されたシステムや不整合を多数含むデータが業務の障壁となることが依然として少なくありません。CFO は強力なデータ ガバナンス フレームワークの確立に努め、データの整理、クリーニング、調整を行う必要があります。
データの信頼性を維持するためには、CFO と CIO の連携が欠かせません。データ管理や FP&A プロセスの大規模な自動化に対応する堅牢なソフトウェア ツールも必要になります。企業がこれらの取り組みを行わない場合、質の低いデータによって誤った結果が導出され、さらなる質の低下を招くという悪循環に陥る恐れがあります。
FP&A を統合するには、部門横断的なコラボレーションが必要になります。しかしすべてのリーダーが認識しているように、支持は一夜にして得られるものではありません。スキルアップを成功させるためには、チェンジ マネジメントが必要になります。同様に、CFO がファイナンシャル プランニングにおいて積極的かつ重要な役割を果たすためには、他の経営幹部メンバーやそのチームに付加価値を実証する準備をしておく必要があります。
この点においてもソフトウェア ツールは役立ちます。データへのアクセスや他部門との協業が容易になり、その結果、価値創造までの時間が短縮されるからです。必要なビジネス データの入手が容易になることを実証できれば、各チーム リーダーの支持を得るまでの時間を短縮できます。
FP&A チームのメンバーを組織内のさまざまなプロジェクト チームに配置することも効果的です。財務以外のイニシアチブに FP&A の視点を取り入れることで、組織内のステークホルダーはその価値をじかに確認できるようになります。
財務リーダーにとって 2025 年は、FP&A が企業戦略の中心的役割を担うことを見据え、FP&A の変革を推進すべき年となります。財務目標の達成に向けた CFO の取り組みは続きますが、今後 FP&A はインテグレーション、部門横断的な説明責任、戦略的成果に関与することが多くなります。
このような未来に対応するには、いくつかの重要なステップを実行する必要があります。
これらの戦略を念頭に置くことで、CFO はチームの持続的な価値提供を実現し、新たに出現する FP&A トレンドに合わせて進化し、組織の戦略的方向性を策定できます。
Workday の FP&A ツールを使用すると、CFO は今日の課題に対応し、将来的な機会を明らかにできます。財務チームの変革を Workday が推進する方法をご確認ください。
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AI はすでに財務の予測分析を大きく変えていますが、真の力を発揮するのはまだこれからです。自動化や高度なデータ分析により、財務チームは戦略的リーダーへと変わりつつあります。詳細をご確認ください。
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Workday はマジック クアドラント レポートにおいてリーダーに再び認定されました。Workday Illuminate には、Workday プラットフォーム全体に AI を導入することを目指す当社の揺るぎないコミットメントが反映されています。このツールを使用すると、お客様は優れた効率性や高度なインサイトを活用し、新たな成長機会を獲得できます。