プロフェッショナル サービス業界にとって変化が好機である理由

プロフェッショナル サービス業界は新規クライアント収益の激減への対応に迫られています。Mark David がプロフェッショナル サービス企業向けに、利益と生産性の向上に役立つ 3 つの領域について解説します。

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SPI Research 社の『2016 Professional Services Maturity Benchmark』調査によると、プロフェッショナル サービス企業は今、利益と生産性の向上に対する大きなプレッシャーに直面しており、新規クライアント収益は過去 9 年で最低の水準であることがわかりました。

以前は状況が異なりました。業界が好調だった 90 年代は、スキルや資質が不十分でプロジェクトの適任者とはいえない人材が当たり前のように大型のサービス案件に投入されていました。企業のリーダーが重視していたのは売上増加 (収益、請求単価の適用、稼働率) であり、人財や採算性にはあまり目が向けられていませんでした。

この状況を変えたのが、2000 年問題の終焉や 2008 年の金融危機といった出来事です。あらゆる業界の企業がサービス契約を縮小し、プロフェッショナル サービス企業が提供する価値を見直すようになりました。

さらに最近では、不確実な経済状況やデジタル ディスラプション、競争の激化といった要因によりプロフェッショナル サービス業界は再構築を迫られており、以下のような新たな課題と期待が生まれています。

  • クライアントはプロフェッショナル サービス企業に、自社のビジネスニーズやイニシアチブに合致するスキルと能力を備えたコンサルタントの提供を求めています。
  • クライアントは価格設定や請求により高い柔軟性を求めています (定額のエンゲージメントなど)。
  • プロフェッショナル サービス企業のプロジェクト マネージャは、収益や稼働率の目標に照らしたプロジェクト管理のみならず、具体的な利潤目標の達成を求められるようになりました。
  • 競争力を高めるためプロフェッショナル サービス企業は、今まで以上に採算性や社員の労働意欲、顧客満足度、収益実現といった指標を注視するようになりました。
  • プロフェッショナル サービス企業は CRM やプロフェッショナル サービス オートメーションなどのソリューションに投資して問題の解決を図ってきましたが、それらは他のシステムと切り離された不完全なソリューションで使い捨てになっている傾向があります。
リソースの稼働を把握して、現在および将来の顧客の要求を満たすために必要な従業員のスキルや能力を見極めることができるかどうかが成功を左右します。

増大するクライアントの要求に応えながら、市場競争力を高めるため、多くのプロフェッショナル サービス企業が「クライアントが変化していく中、どんな風に自分たちが変われば双方が成功できるのだろうか」と自問自答を続けています。その結果、現在の業務の進め方を改善するため、内部の業務プロセスと外部のテクノロジー環境に目が向けられるようになりました。

組織を改革し進化させる方法を模索しているプロフェッショナル サービス企業にとって重要なのは以下のような事項です。

データと分析の高速化と高度化。リソースの稼働を把握して、現在および将来の顧客の要求を満たすために必要な従業員のスキルや能力を見極めることができるかどうかがプロフェッショナル サービスの成功を左右します。この情報にすばやくアクセスして意思決定に活用できれば、財務パフォーマンスに直接的な影響を及ぼすことができます。

これは容易なことではありません。多くのプロフェッショナル サービス企業ではデータが複数のシステムに分散していることから、リソースのキャパシティを把握することが難しく、業務上および財務上の意思決定をリアルタイムで下すことが困難になっています。プロジェクト、人財、財務データを 1 つのシステムに集約した唯一の正しい情報源があれば、意思決定を簡素化し、改善することができます。従業員の稼働、プロジェクト データと請求、コストについて正確かつ包括的に把握できるようになり、正確なリソース割り当てとプロジェクト予算の管理を通してより利益率の高いパフォーマンスを実現できるようになります。

ビジネスをリアルタイムで可視化できれば、状況が変化しても柔軟に対応し、軌道修正することができます。収益以外の指標に対する洞察力も高まり、ビジネス全体 (ヘッドカウント プランニング、利益分析、社員の労働意欲など) を把握できるようになることで、長期的な成功に向けたプランを作成できます。

人財の選考状況管理、リソース管理、ビジネス プランニングといった作業に手動のプロセスやスプレッドシートが使われており、あまりに多くの時間が費やされています。

社員エンゲージメントの確立。プロフェッショナル サービス企業にとって、人財は最も重要な資産です。重要な人財の流出は即、収益と顧客満足度に影響します。継続性のある正式なエンゲージメント プロセスを構築し、特に顧客プロジェクトの実施中や終了後に社員とフィードバックを交換できるような体制を整えておく必要があります。社員が携わるクライアント プロジェクトは年間で 6 ~ 10 件に上ります。年に 1 回や半年に 1 回といったレビュー プロセスで社員と向き合うのでは遅すぎます。

IT 環境の簡素化と主要プロセスの自動化。複数の分散したシステムや業務プロセスのギャップなど、現在のプロフェッショナル サービス企業の環境は複雑で、拡張は簡単なことではありません。人財の選考状況管理、リソース管理、ビジネス プランニングといった作業に手動のプロセスやスプレッドシートが使われており、あまりに多くの時間が費やされています。重要な業務プロセスを自動化し、顧客プロジェクトのライフサイクルのあらゆる局面 (最初のスコーピングからリソースの割当、プロジェクト財務の管理まで) を 1 つのシステム上でつなぐことを検討してください。そうすることで、スピード、インサイト、効率性が向上し、成長と拡張に対応することができます。

現在のビジネス環境の複雑性と変化のスピードを切り抜けていくことはどんな企業にとっても簡単なことではありません。しかもプロフェッショナル サービス企業の場合は、自社だけでなくクライアントへの対応も含まれているからです。テクノロジーを賢く選んで導入すれば、そのテクノロジーはプロフェッショナル サービス企業の意思決定や将来を見据えたプランニング、最重要事項への注力を助ける基盤となります。

プロフェッショナル サービス業界のトレンドに興味のある方は、最近の Web セミナー「How Leading PSOs Harness Talent and Grow Margins (成功している PSO の人財活用と利益の拡大)」をご覧ください。SPI Research 社の創業者兼代表取締役である Dave Hofferberth 氏と私が、プロフェッショナル サービス企業向けに定着率、クライアントへのサービス提供、生産性、利益を改善する方法についてお話します。

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