歴史ある企業は、デジタル ディスラプションに伴う課題に対処する中、社外のエコシステム (パートナー、小規模なスタートアップ企業、大規模なテクノロジー プロバイダなど) とのコラボレーションが必要であることに気付きつつあります。ただし、進化が必要なのは社外とのコラボレーションだけではありません。社内の経営幹部のコラボレーションも変革する必要があります。
企業がデジタル経済の需要に後れを取らないようにするためには、資本、テクノロジー、人財など、主要な資産全体にわたってコラボレーションを強化する必要があります。人々が情報やデータにすぐにアクセス可能で、職務の人工知能への移行/置き換えが進む環境においては、従来の運営方法はもはや通用しません。
企業が運営方法を変革するには、財務リーダーが、核となる CFO、CIO、CHRO のコラボレーションを強化する必要があります。なぜでしょうか。端的に言うと、財務部門とこれらの 2 つの部門が緊密なコレボレーションを行うことで、大きなメリットが生まれるからです。
当社の『Finance Redefined: Workday Global Finance Leader Survey (財務の再定義: 世界の財務リーダーを対象とした Workday の調査)』は、670 人を超える世界中の CFO および財務リーダーの見解を評価し、財務部門がコレボレーションを通じてテクノロジーや人財の課題への取り組みに価値を追加できる範囲を特定しています。
当社の調査では、財務部門と IT 部門のリーダーのコラボレーションにおいては以下のことが可能になり、デジタル化を進める企業にとって大きなメリットとなることが明らかになっています。
- 企業のビジネス モデルに対する新しいテクノロジーの効果など、将来的なビジネス シナリオについて信頼性の高い予測分析を行う。
- クラウド、ロボティックス プロセス オートメーションなど、オペレーショナル エクセレンスを推進するテクノロジーを含め、データに基づいてビジネス ケースを作成し、企業のデジタル投資およびその評価と優先順位付けを行う。
財務部門がコラボレーションを通じて企業の人財に関する課題への取り組みに価値を追加できる 3 つの主要な分野は次のとおりです。
- 生産性への影響の評価から、事務的プロセスの排除による効率性のモデリングに至るまで、社員の自己解決能力を強化する。
- 人財と財源を迅速に割り当てることにより、市場の需要にすばやく応える (テクノロジーによって変化する消費者の行動やニーズに応えるなど)。
人々はコラボレーションのメリットを理解できるかもしれませんが、実行するとなると話は別です。当社の調査によると、強力なコラボレーション文化がもたらすメリットが報告されているにもかかわらず、CHRO とシームレスな関係を築いていると答えた財務リーダーはわずか 31%、CIO との関係について同様に答えた財務リーダーは 27% でした。3 部門すべての効果的なコラボレーションとなると、割合はさらに低くなります。CIO および CHRO の両者とシームレスな関係を築いていると答えた CFO はわずか 6% でした。
問題の一因としては、従来の部門は目標範囲が狭く、社員がサイロ化された環境で働いており、部門間に障壁が生まれて、互換性のない文化が育成されたため、理解とコミュニケーションが妨げられた点が挙げられます。組織のサイロ化を解消するには、財務リーダーが IT 部門と人事部門間の協力を阻む主要な障壁を特定する必要があります。