最近は日本企業でも「CxO」という役職をニュース等で見聞きすることが増えました。
CxOとは、「Chief x Officer」の略称で、Chief=組織の責任者、Officer=執行役を意味しています。xはそれぞれが担当する業務を表しており、「x」に入るアルファベットによって内容が異なります。
CFO以外に、代表的な4つの「CxO」を紹介します。
- CEO(Chief Executive Officer)=最高経営責任者
- COO(Chief Operating Officer)=最高執行責任者
- CTO(Chief Technical Officer)=最高技術責任者
- CIO(Chief Information Officer)=最高情報責任者
- CMO(Chief Marketing Officer)=最高マーケティング責任者
最近は企業独自の「x」の肩書きを作る企業も増えていますが、まずは代表的な4つのポジションを覚えておくようにしてください。
2-1. CEO
CEOはChief Executive Officerの略で、日本語では「最高経営責任者」と呼ばれています。
CEOは会社の経営における全責任を負う立場にあり、経営や事業運営における最終の意思決定をおこなうポジションです。
日本のCEOはいわゆる社長や代表取締役を指すことが多く、会社の顔としての役割が求められます。社内の最終決定者としての判断力と責任が求められ、社外では会社の代表としての立ち振る舞いが注目される、社内で一番責任の重いポストです。
CEOとCFOの関わりイメージ
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CFOは、CEOが掲げるビジョンを具体的な財務計画に落とし込み、資金を集め、財務面から事業リスクについてしっかりと指摘していく役割があります。
財務面をCFOがしっかりと管理することで、CEOは事業を作るという本来の業務に集中できるようになります。このような理由から、CEOとCFOはよく「経営者コンビ」と称されます。
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2-2. COO
COOはChief Operating Officerの略で、日本語では「最高執行責任者」と呼ばれています。
COOは事業運営における業務執行を統括する役員であるため、最高経営責任者であるCEOのナンバー2としての役割を担っていきます。COOには、CEOが会長であれば社長、CEOが社長であれば副社長やそのほかの部長クラスなどが就任するケースが一般的です。
このCEOとCOOの頭脳プレイと実行プレイが会社の運営に大きく影響を及ぼすため、この2ポストは会社のカラーを左右するといわれています。
COOとCFOの関わりイメージ
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CFOはCOOから指示をされた事業の執行計画をもとに、資金調達を行ったり各部門の財務計画への介入を行ったりします。
アメリカでは、意思決定のスピード感を持たせるために、「Cクラス型経営体制」と呼ばれるCEO、COO、CFOからなる3名の経営体制が採用されることも多いです。
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2-3. CTO
CTOはChief Technology Officerの略で、日本語では「最高技術責任者」と呼ばれています。
国内では主に技術や開発を統括する役職にあたり、技術的な方向性、研究開発を監督するポジションです。ITエンジニアリングや特定分野への専門性が認められ、抜擢されることが多い役員です。
昨今はどのような業界であっても、ITやデジタル戦略が経営上の重要案件になる潮流があります。そのため、CTOはレベルの高い技術力が必要とされながらも、経営者視点も求められることになります。
CTOとCFOの関わりイメージ
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CFOとCTOは直接的に業務で関わることは、それほどありません。
しかしIT投資は高額であることが多く、昨今は企業の将来的な成長に大きく影響を与える投資案件となります。CFOはCTOの描くIT投資戦略を資金面でアドバイス、あるいは指摘する関与が求められます。
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2-4. CIO
CIOはChief Information Officerの略で、日本語では「最高情報責任者」と呼ばれています。
組織における情報の管理者として、情報の蓄積や体系化、保存、処理、分析計画の立案、そして管理を行います。情報こそがグローバル経済における通貨となりつつある今、情報を理解し管理するという独自の能力をもつ CIO の役割はより戦略的なものへと変わってきました。
情報を管理するために必要となるスキルもまた変化しています。
CIO に求められる役割は、単に IT を「管理」することから、組織が競争上の優位性を活かせるようにサポートすることへと変わってきたのです。今日の経済環境では、これからの CIO が企業の戦略的成長計画を推進し、市場機会を広げていくためには、情熱やリーダーシップに加え、技術的な裏付けのあるビジネス知識を重視することが求められています。
CIOとCFOの関わりイメージ
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CFOとCIOは直接的に業務で関わることは、それほどありません。
CTOと同じく、情報を統括するためのITやシステムへの投資は高額であることが多く、昨今は企業の将来的な成長に大きく影響を与える投資案件となります。CFOはCIOの描く戦略を資金面でアドバイス、あるいは指摘する関与が求められます。
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CIOについてさらに詳しく知りたい場合はこちらをご覧ください。『これからの最高情報責任者 (CIO)』
2-5. CMO
CMOはChief Marketing Officerの略で、日本語では「マーケティング最高責任者」や「最高顧客市場分析調査責任者」と呼ばれています。
主にマーケティングの現場を取りまとめ、今後のマーケティング戦略を立案することで経営に関与する役員です。インターネットの普及や企業ブランディングの重要性の観点から、企業経営とマーケティングを連携させるミッションを持ちます。
日本ではあまり聞きなれないかもしれませんが、 アメリカのフォーチュン500社のうち、62%がCMOを導入しており、日本でもグローバル企業や外資系企業などから徐々に普及してきています。
参考:日本企業のCMOの存在と競争力【早稲田大学】
CMOとCFOの関わりイメージ
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CFOとCMOは直接的に業務で関わることは、それほどありません。
ただしブランディングが重要になる企業や、EC経由の売上げ比率が高い企業の場合は、CFOがマーケティング予算の妥当性などを管理することが必要とされます。
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- 〜その他のCxO〜
その他にも、一般的にいわゆるCxOと言われる役員があります。ここでは名前のみ紹介させていただきます。
- CHRO(最高人事責任者)
- CDO(最高デジタル責任者)、(最高データ責任者)
CFOは企業全体の「財務」を担うため、その他役員が「投資」や「資金」に関する課題を抱えた際に関わりが生まれます。企業によって役員の呼称、各役員の有無に違いはありますが、CFO自体の役割は変わりなく、企業全体への影響力を期待されます。
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3. CFOの重要な役割3つ