CFO と CIO: デジタル時代に求められる 2 人の協働関係の強化

成功事例の多くで CFO と CIO のチームワークが大きな役割を果たしていますが、2 人の連携のあり方にはまだ改善の余地があります。Deloitte 社のパートナーである Matt Schwenderman 氏による、CFO と CIO のパートナーシップ強化についての有益なアドバイスをご紹介します。

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(ゲスト ブロガーの Matt Schwenderman 氏は Workday サービス パートナーである Deloitte Consulting LLP 社のプリンシパルであり、Workday パフォーマンス管理テクノロジーに関する実務を主導しています)

テクノロジーが既存のビジネス モデルを変化させ、新たなモデルを実現させていく中、CFO と CIO の共生関係はますます強化されています。

IT 投資は、成長を加速させデータ ドリブンのビジネス パフォーマンスに関する知見を生み出すために必要ですが、CFO は、この重要な IT 投資を統括する役割を CIO に依存しています。同様に、CIO はビジネス戦略、サイバーセキュリティ、イノベーションについて定期的に CFO と連携を取っています。Deloitte 社の『2015 Global CIO Survey』によると、約 22% の CIO が直接 CFO にレポートするようレポートラインを定めることで、この 2 つの役割の連携強化を目指しています。

テクノロジーの費用は多額の支出となることもありますが、適切な領域に投資されている場合は、収益化の促進要因と考えることもできます。Deloitte 社が先日実施した『CFO Signals』調査では、CFO は 2016 年の最優先事項として、IT を管理するための戦略と、データやインサイトを充実させるための戦略の強化を挙げていました。

成功事例の多くで CFO と CIO のチームワークが大きな役割を果たしていますが、2 人の連携のあり方にはまだ改善の余地があります。最近の『CFO Insights』の記事によると、Deloitte 社の Web キャストで行われた非公式のアンケートで、自社の CIO と CFO がそれぞれの役割を相互に理解し、強力な関係を築くことができていると回答した人は全体の 3 分の 1 に届きませんでした。

CFO の助けがあれば、CIO は特定の重要なビジネスプロセスに対する IT の影響を明確に説明できるようになります。

IT 投資と戦略的な成長プランを整合させることは重要であり、CFO と CIO は以下のステップを実行することで、コラボレーションを成功に導く基盤を確立できます。

同僚のことを知る

お互いが協力して、相手の「ビジネス パーソナリティ」やコミュニケーション パターン、優先事項、役割、目標を理解するよう取り組んでください。これは、コラボレーションを促進する上で非常に有益です。相手の見解や重視する事項をしっかりと理解できれば、共同で注力分野への取り組みを進めることも、自身の優先事項とは異なる分野への理解を深めることも容易になります。

価値の創出に注力する

CIO の中には、特定のビジネスニーズに適合し真の価値を促進できるテクノロジーよりも「目新しい」テクノロジーを好むために、高い評価を得られない人がいます。一方で、テクノロジー システムに対して「壊れていないものを変える必要はない」という考えを持つ CFO も存在します。すべての IT 投資の価値を引き出すには、株主の価値の推進要因、すなわち収益の拡大、営業利益、資産運用の効率化、業績に対する市場の期待といった要素のバランスが取れた投資戦略を CFO と CIO が共同で策定することを検討すべきです。このようにして将来の IT 投資に対する組織的な見解を持つことは、CFO と CIO がテクノロジーを精査するプロセスを効率化し、将来の投資の強みと弱みを明らかにするのに役立ちます。

CIO は、テクノロジーによってデータの精度や一貫性がどれほど改善されるかを CFO が理解する手助けができます。

同様に、CFO は特定の重要なビジネスプロセスに対する IT の影響を CIO が明確に説明できるように手助けすることができます。たとえば販売プロセスについての議論では、IT に投資することで高品質な販売データをタイムリーに利用できるようになり、より的確な意思決定を推進できると訴えかけることができます。あるいは、コンプライアンス プロセスなどのさまざまな場面で CIO が専門知識を提供することで、データの精度や一貫性がテクノロジーによっていかに改善されるかを CFO が理解できるようになります。

共通言語を見つける

最後に、両者のパートナーシップは、すべての関係者が共通のプロセスや指針に従う場合に、非常にうまく機能する可能性があります。このようなアプローチの 1 つとして、特定の投資方針を IT ポートフォリオの管理に応用することが挙げられます。CFO と CIO がそれぞれの専門知識を活かすことのできる、次のような機会について検討してみましょう。

  • ポートフォリオ管理: CIO は、テクノロジー ポートフォリオの管理にあたって、ベンチャー キャピタルの人間が投資ポートフォリオを管理する場合と同じように考えることができます。すなわち、価値、リスク、報酬の観点で個々のパフォーマンスと総合的なパフォーマンスを継続的に評価するのです。CFO の助けを借りて、CIO は IT 投資が必ずしも計画通りに成果が出ないという点を考慮に入れたリスク評価基準を確立できます。
  • 資産評価: CFO は CIO と連携し、さまざまなテクノロジー投資を比較し、パフォーマンス結果を追跡する手法を開発することができます。
  • ベンチャー事業への資金提供: CFO は財務分野における専門知識を活用し、ステージゲート法を用いた投資や強力なガバナンス モデルといったベンチャー事業への資金提供方針を戦略的なテクノロジーの意思決定に適用することで、管理や成果を改善できます。
  • 市場分析: CFO と CIO はそれぞれのタレントを活用し、市場分析の精度を高めることができます。たとえば、CIO が「市場のディスラプター (破壊者)」となるテクノロジーを明らかにする一方、CFO はこうしたツールへの投資によるビジネスへの影響や見込まれる成果を具体的に示す手助けができます。

CFO と CIO がこのようなさまざまな手順を実行して協働関係を強化していくプロセスにおいて、いくつかの困難に遭遇するかもしれません。たとえば、双方ともこのような共同作業が最終的にどのような結果をもたらすか、またそれが価値を創出しうるかを明確に把握していない可能性があります。あるいは、CFO と CIO がポジティブな将来のビジョンを共同で策定したものの、それを実現するための戦略、運用、およびテクノロジーのガバナンスを作り出すのに苦労する場合もあります。

このような状況は十分に起こり得ます。こうした困難が生じたときに、CFO と CIO はそれぞれの従来の持ち場へと後戻りすべきではありません。それは重大な結果につながりかねません。技術革新は常にビジネスの基盤を変化させ続け、これまで想像できなかった機会を生み出します。強固な共生関係にある CFO と CIO が今目の前にあるチャンスを活かすことで、未来を形作ることができるようになるのです。

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