CFO を待つ未来: 第 1 部
最高財務責任者 (CFO) およびそのビジネス推進戦略に大きな影響を及ぼす 4 つのビジネス上の優先事項について検証します。
最高財務責任者 (CFO) およびそのビジネス推進戦略に大きな影響を及ぼす 4 つのビジネス上の優先事項について検証します。
CFO の役割は今、大きく変化しつつあります。最高経営責任者 (CEO) は CFO がビジネス パートナーとの全社的なコラボレーション強化など、戦略や成長、オペレーショナル エクセレンスの推進においてより大きな役割を果たすことを期待しています。
このように役割が拡大している背景には、ビジネス環境の競争激化や絶えざる変化があります。2 部構成でお届けするこのブログでは、まず CFO の重要領域とそのビジネス推進戦略に大きな影響を及ぼす 4 つのビジネス上の優先事項について検証します。そして第 2 部では、こうしたビジネス上の要求に対応するうえでテクノロジーが果たす役割について探っていきます。
CEO は、全社的な成長戦略の推進に CFO が貢献してくれることを期待しています。
『KPMG グローバル CEO 調査』によると、CEO の多くは、今後 3 年での最優先事項は「成長」だと考えており、これに注力することは CFO にも大きな影響を及ぼします。CEO は、全社的な成長戦略の推進に CFO が貢献してくれることを期待しています。CFO だけが持ちえる視野があることを考えれば、こうした期待も当然と言えるでしょう。通常、ビジネスの全容を把握し、財務情報とビジネスの背景情報の両面に対する理解をもたらすことができるのは、CEO を除けば CFO だけなのです。
KPMG 社によれば、CFO は複数の成長戦略を推進していくことになります。というのも、CEO は地理的拡大や自社の堅実な成長を最重要領域とする一方で、半数近くは買収による成長も計画しているからです。しかし、消費者の行動が常にサプライチェーンに影響を及ぼし、新たなビジネス モデルが市場を変革し、人財獲得競争が激化するなど、現代の動的なビジネス環境において、こうした CFO の使命は決して易しいものではありません。
規制環境は現代の組織にとって最重要の問題です。CEO は CFO が新たな規制への適合をサポートするだけではなく、ビジネスに対するさらなる価値創出にも貢献してほしいと考えています。規制は特定の国や地域にのみ関わる可能性が高いとは言え、規制の変更に伴い、プロセスの合理化やビジネスの新たなインサイト獲得など、コンプライアンスの枠を超えた改善を推進するうえで、CFO はより広い視野で考えることができます。
たとえば、KPMG 社の『The View from the Top』レポートによると、報告要件の変化は金融サービス業界が変化するきっかけになりました。このレポートでは「多くの金融機関が、さらなる標準化や、報告要件の新たな規制に適合するデータウェアハウス環境、すなわちビジネスの理解を深め成長を促すためにも必要となるデータ環境の構築を一層重視するようになった」と指摘しています。
CFO が意思決定のための情報を入手したり、ビジネス プランニングをサポートしたりするために参照するのは、履歴データだけではなくなりつつあります。
企業は、スピーディかつ大規模な事業運営というプレッシャーにさらされており、全社的な意思決定を推進するために、リアルタイムの財務分析をさらに求めるようになっています。CEO は、CFO や財務部門が適切なデータやインサイト、戦略へのアドバイスを提供して経営幹部をサポートしてくれることを期待しています。
財務部門は事務処理にかける時間を削減し、より多くの時間を分析や助言に充てるなど、これまでとは異なる働き方をする必要があるでしょう。CFO と財務部門にとっても、意思決定のための情報を入手したり、ビジネス プランニングをサポートしたりするために参照するのは、履歴データだけではなくなりつつあります。変化に適応するために、財務部門もビジネスの最新の全体像を把握することが必要になります。これにより財務データとその他のデータ(人財獲得データや人事データなど)の相関関係を理解できるようになります。
CEO は適切な製品とサービスを提供し続けることへのプレッシャーを感じており、CFO にビジネスのイノベーションと変革をサポートしてほしいと考えています。KPMG 社の『The View from the Top』レポートによると、CEO の 3 人に 1 人が、変革を経験していることが CFO にとって最も重要な要素の 1 つだと回答しています。
現代のビジネスは、さまざまな側面で変化の影響を受けています。破壊的テクノロジー、規制の変更、消費者ニーズの変化、予期せぬ競合の登場などにより、企業はビジネス モデルや経営モデルを評価し、それを進化させて、競争力を維持する必要に迫られています。こうした変化の多くは、自動車産業の変革を起こしたコネクティビティやデジタル化、小売業に影響を及ぼしたオムニチャネルのように、業界固有のニーズにより発生しています。
多くの企業は、変化とは継続的にビジネス モデルを進化させ、適切な事業運営と成長を実現する機会であると考えています。CFO と財務部門は、成長の機会を特定し、情報に基づく意思決定を実現するデータやインサイトを提供することで、こうした変化をサポートできます。また、新規市場への参入や買収を行う場合なども、財務部門には変化に迅速に対応し、新しい戦略をサポートして、事業の成功に貢献することが求められます。
このようなビジネス上の優先事項や CFO への影響について、詳細は『Driving the Strategic Agenda: The CFO’s Road Ahead (戦略的アジェンダの推進: CFO を待つ未来)』をご覧ください。
さらに読む
Workday はビジョンの完全性と遂行能力が評価され、ファイナンシャル プランニング ソフトウェア製品に関する Gartner® 社のマジック クアドラントにおいて、再びリーダーに認定されました。
Workday はマジック クアドラント レポートにおいてリーダーに再び認定されました。Workday Illuminate には、Workday プラットフォーム全体に AI を導入することを目指す当社の揺るぎないコミットメントが反映されています。このツールを使用すると、お客様は優れた効率性や高度なインサイトを活用し、新たな成長機会を獲得できます。
グローバル競争が激化し、経営環境の不確実性が高まるなか、従来の手法では、経営判断に必要な情報を適時に提供することが難しくなっています。そこで、注目されているのがFP&Aの存在です。この記事では、FP&Aの定義や役割から導入の進め方まで、体系的に解説します。ご一読いただくと、FP&Aについて理解し、自社への導入を具体的にイメージできるようになるでしょう。FP&Aを通じて、財務部門が経営の意思決定により深く関与し、企業価値向上に貢献する道筋が見えてくるはずです。