ハーバード調査: 財務がデータと分析を成熟させるまでの長い道のり

この記事では、162 人の財務マネージャとシニア エグゼクティブを対象に行ったグローバル調査についてご紹介します。財務リーダーの理想と日常業務の現状との間に大きな隔たりがあることが明らかになっています。

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ビジネス データの飛躍的な増加と、新たな分析機能の出現により、財務部門はデータドリブンな企業を実現するための推進力となる大きなチャンスを迎えています。一方、Workday が主催したハーバード ビジネス レビュー アナリティクス サービスによる最近の調査によると、世界規模のパンデミックを背景に、財務リーダーの将来のビジョンと財務部門の現状との間に大きな隔たりがあることがわかりました。 

多くの財務エグゼクティブがデータドリブンな意思決定を促進することが財務部門の将来のパフォーマンスにとって重要であると考えている一方、そのような文化を実現することがシニア リーダーの最優先事項であると答えた回答者はわずかでした。 

162 人の財務マネージャとシニア エグゼクティブを対象としたグローバル調査では、財務エグゼクティブの理想と日常業務の現状との間に大きな隔たりがあることが明らかになっています。ほとんどの回答者が柔軟なデータ ハブの構築は将来のパフォーマンスにとって重要であると答えている一方、その多くが現在も手作業でデータを収集、活用していると答えています。このレポートでは、ほとんどの財務部門では、データと分析を成熟させるまでに長い道のりがあることが強調されました。

情報爆発がもたらす分析まひ

業務における財務関連データと財務以外のデータが増加する中、データおよびデータ関連のプロセスをより効果的に管理することが求められています。回答者の 90% は、財務部門が収集し使用したデータ量が、過去 2 年間である程度または大幅に増加したと答えています。

一方、多くの財務リーダーはこのような大量のデータを処理することに苦慮しています。調査によると、財務部門におけるデータ処理関連の課題トップ 3 は、大量な情報を正確に準備、照合、アクセスすること (68%)、最新またはリアルタイムのデータを分析に統合させること (55%)、データを分析し、提案を作成し、その提案を共有すること (52%) となっています。

162 人の財務マネージャとシニア エグゼクティブを対象としたグローバル調査では、財務エグゼクティブの理想と日常業務の現状との間に大きな隔たりがあることが明らかになっています。

データ ダイバーシティに必要な新しいツールとテクノロジー

最高財務責任者 (CFO) の役割が拡大し、よりリアルタイムな情報がビジネスに求められる中、財務部門はより多くの分析を行い、ビジネスのパフォーマンスに対する理解を深める必要があります。財務部門には、財務以外のデータを他の部門から収集して活用し、企業全体が戦略的な意思決定を行えるようにすることも求められています。実際、調査回答者のおよそ 3 分の 2 は、財務以外の部門のデータを頻繁に使用してインサイトを生成していると答えています。また、回答者の 64% は、財務部門以外のデータを使用してインサイトを生成していると答えています。

ただし、多様な種類のデータを効率的に分析するためにツールやテクノロジーを導入するには準備が必要であることが、調査で明らかになっています。レポートによると、別の部門のデータを含め、多様な種類のデータに対応可能な柔軟性の高いデータ ハブを活用することを優先事項または最優先事項に挙げた回答者は、わずか 37% でした (そのうち最優先事項と回答したのは 16%)。同様に、テクノロジーとツールに投資して分析とデータ管理を支援することを優先事項または最優先事項に挙げた回答者は、49% でした (そのうち最優先事項と回答したのは 20%)。 

成長を阻む従来のテクノロジーと手動プロセス

今日のテクノロジーの能力を鑑みると、データ分析ツールを使って意思決定に役立てるよりも、手作業でデータを分析する財務部門の方が多いというのは考えられないことです。しかし、データを収集し使用するために労力のかかる手作業を適宜または常時行っていると答えた回答者は 4 分の 3 以上 (77%) を占め、財務に関して情報に基づいた意思決定が行えるようにデータ分析ツールやプラットフォームを適宜または常時使用していると答えた回答者 (62%) を上回りました。

ほとんどの財務部門は、データに基づくインサイトをシニア エグゼクティブや財務以外のチームおよびエグゼクティブと共有し、そのデータを時代遅れのテクノロジーを使用して配信しています。大部分の回答者 (84%) は、財務部門が情報やインサイトをスプレッドシートやスライドによって別のチームと共有していると答えています。次に多い配信方法は定例会議 (65%) です。ダッシュボードによるデータ共有は 51%、ダッシュボード以外のコラボレーション ソフトウェアやプラットフォームの使用はおよそ 4 分の 1 (28%) となっています。

財務リーダー: 低いデータの信頼性

過去の記事で、データの信頼性を確保する能力を含め、意思決定がいつでもできる組織の要素についてご紹介しました。ほとんどの回答者は、意思決定を支援するために財務部門が現在使用しているデータの適時性と精度を信頼していると答えていますが、非常に信頼していると答えた回答者はわずかでした。データに対する信頼度を 5 ポイント評価で 4 または 5 と評価した回答者は 51%、そのうち 5 と評価した回答者は 14%、4 と評価した回答者は 45% でした。41% は 3 以下と評価し、信頼していないと答えています。  

このような課題は、ほとんどの財務組織が人工知能 (AI) や機械学習/予測分析の導入について計画中の段階にあるため、想定内です。日常業務における AI、機械学習、予測分析の使用を 5 ポイント (5 が最高) で評価した場合、3、4、5 と評価した回答者はわずか 3 分の 1 以下 (29%) でした。33% は財務部門がこれらのテクノロジーを現在まったく使用していないと回答しています。 

回答者の 88% は財務部門でデータドリブンな文化を育むことが財務部門の将来のパフォーマンスにとって重要または非常に重要であると答えています。

今後の道のり: データを最重視 

データドリブンな企業を実現するための道のりは長いですが、財務部門でデータドリブンな文化を発展させることがシニア エグゼクティブの最優先事項であることは明らかです。回答者の 10 人中 9 人 (88%) が、財務部門でデータドリブンな文化を育むことが財務部門の将来のパフォーマンスにとって重要または非常に重要であると答えています。ほとんど同数 (89%) の回答者が、分析の利用やデータドリブンな意思決定が将来のパフォーマンスにとって重要または非常に重要であると答えています。

これを効果的に実現するには、戦略的な投資を優先させる必要があることを財務リーダーは認識しており、大多数が分析機能への多額の投資を計画しています。半数以上 (58%) の財務部門は、分析機能を強化するために、統合されたプランニング システム、分析システム、収益予測システムの導入や使用の拡大を計画しています。53% は、財務データと業務データを統合するデータ分析ハブの導入や使用の拡大を計画しています。10 の財務部門のうち 4 部門は、各種ツール間でデータを交換し、より緊密なデータ統合を可能にするために、自動化されたデータ収集システムおよびクレンジング アプリケーション プログラミング インターフェイスの導入や使用の拡大を計画しています。36% が、一元化された会計エンジンの導入や使用の拡大を予定しています。今後 2 年間にいかなるデジタル ツールの導入や使用の拡大を予定していないと答えた回答者は、わずか 5% でした。

イノベーションは財務部門に新しいチャンスをもたらし続ける中で、幹部が財務部門の AI や機械学習/予測分析機能の迅速な展開の必要性を予測しているのは当然のことかもしれません。回答者の 72% は、今後 3 年以内に AI、機械学習、予測分析を、日常業務である程度または広範囲に使用するようになる (5 ポイント評価で 3、4、5) と答えています。導入時にどれだけの準備が必要になるかを考慮しても、現在の数値 (%) から 43 ポイント上昇するという結果になりました。

財務リーダーは、データドリブンな文化を適切に育んで真の効果を発揮するには、優先事項を変更して新しいテクノロジーを取り入れなければならないと認識しています。データはフローし続け、経営幹部は、多様性が高まるデータ セットを分析して効果的に統合することを、財務部門に期待することになるでしょう。行動能力を得ることで理想が実現するかどうかはまだわかりません。しかし、CFO とシニア リーダーにとっては、企業全体に対し財務の戦略的効果を高めるチャンスです。

シニア財務リーダーのデータドリブンな企業に向けた取り組みについての詳細は、レポート全文をお読みください。

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