財務計画のプロセスを自動化すべきタイミングとは

財務計画の反復的な業務を自動化することで、エラーを減らし、サイクル タイムを短縮し、財務計画と分析 (FP&A) の生産性を高められます。

毎月のように同じデータを何度も移動したり複製したりしているのであれば、財務計画と分析 (FP&A) のプロセスを自動化する時期にさしかかっています。それはなぜでしょうか。CFO マガジンの記事によると、財務や会計のチームでシステムの自動化を図れば、時間のかかる繰り返しタスクを「まとめて自動実行」して、仕事の時間やキャパシティを確保することができます。 

では、どこから手をつければよいでしょうか。一般的には、定型かつ繰り返し行われる計画業務を自動化します。同じような財務報告を定期的に作成しているのであれば、自動化で時間を最大限に節約できます。

Workday の財務チームは、こうした自動化システムを数多く活用しています。例えば、請求書や収集したデータを財務部門向けに Workday Adaptive Planning にロードするプロセスを完全に自動化しています。

自動化 (オートメーション) とはつまり、いったん設定して実行してしまえば、それ以降は誰もその作業について気にする必要がなくなるということです。

これは自動化で得られる数々のメリットの一つにすぎません。ここでは、自動化に関するヒントをいくつかご紹介します。継続的なプランニングを軌道に乗せることで、雑務に埋もれることなく、戦略的なインサイトが生み出せるようになります。

ヒント 1: 実践を重ねて完成させる

自動化できるタスクを探せば探すほど、何を自動化し、何を手作業で処理すべきかがよく分かるようになります。例えば、請求や回収の処理で、保存してある検索条件のインポートを完全に自動化しようとする場合、同じモデルを使用して、エンタープライズ リソース プランニング (ERP) システムの別のデータセットに導入することができます。

ヒント 2: 賛同を得る

自動化によるメリットの一つは、時間が空くだけでなく、チームの関係者も同じ恩恵が得られるということです。例えば、レポートへのアクセスがこれまでよりも簡単になります。自動化された処理に携わる全員が恩恵を受けるので、チーム全体の効率化と戦略向上につながります。さらに、自動化を作成した人物が退職しても、自動化そのものが損なわれることはなく、複製も難しくありません。 

ヒント 3: メリットを共有する

自動化の大きなポイントは、いったん設定して実行してしまえば、誰も気にかけなくてよいという点です。したがって、自動化する価値があるかどうかは、システム全体で恩恵を享受できるかどうかによります。自動で実行される機能にはチームの全員がアクセスできるようにすべきであり、予期できない事態が発生しないようにする必要があります。外出している場合や手が離せない場合でも、自動化されたプログラムが稼動し続けると同時に、プログラムを必要とするすべての人が簡単にアクセスできる必要があります。

ヒント 4: すべてを自動化しない

特に最初にありがちですが、すべてを自動化するのは避けてください。業務の効率、正確さ、理解度の向上につながるレポートやデータ分析はどれか、あるいはすべてのレポートやデータ分析について把握してください。その後、合意を得たうえで、財務チームの他のメンバーと連携して、自動化の意義があるものを戦略的に特定します。

ヒント 5: 人間の介入を継続する

自動化は驚くほど効果があります。ただし、財務の中心を担うのは、クリティカル シンキングと専門知識を活かして組織に価値を与える人間であるべきです。人的要素を排除しないことが重要です。担当する業務を集約して高速化を図ることも可能でしょう。ただし、その背後には人間が判断を下す箇所を取り入れるべきです。

業務のペースが速くなるにつれて、自動化に対する戦略的なアプローチを把握でき、メンバーもチームも競争上の優位性が得られます。競合他社は間違いなく自動化を取り入れます。もし貴社が自動化を導入しなければ、他社が優位に立つ状況になるということを覚えておいてください。

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