スマート データ戦略を推進するための 4 つの主なヒント
最高情報責任者 (CIO) には、顧客と企業が最良の意思決定を下すためのデータ戦略の策定を主導するという素晴らしい機会が与えられています。そこで、Workday の CIO を務める Diana McKenzie が、データ戦略を成功へと導いていく過程で学んだことをご紹介します。
最高情報責任者 (CIO) には、顧客と企業が最良の意思決定を下すためのデータ戦略の策定を主導するという素晴らしい機会が与えられています。そこで、Workday の CIO を務める Diana McKenzie が、データ戦略を成功へと導いていく過程で学んだことをご紹介します。
私は、CIO の役割がどのように変化してきたのか、また、あらゆる種類の情報をより簡単に利用できるようにすることを通じて、デジタル トランスフォーメーションがどのようにこの数々の変化を促してきたかについてずっと考えてきました。厄介な問題に対する答えを得るために、完了までに 1 年以上もかかるような大規模な分析プロジェクトを必要としたような時代がありました。しかし今では、同じ問題について数時間あるいは数分で答えが得られる場合もあります。
CIO には、顧客と企業が最良の意思決定を下すためのデータ戦略の策定を主導するという素晴らしい機会が与えられています。これは実に刺激的な仕事です。なぜなら、企業がいかにデータを適切に活用して問題を解決し、新たなビジネス チャンスを見つけられるかによって、最も成功する企業とそうでない企業が大きく分かれるからです。
本稿では、データ戦略を成功に導いていく過程で私が学んだことをご紹介します。
他のリーダーと良好な関係を築き、社内のビジネス パートナーに対してコミットメントを果たして確実に実績を積むことが極めて重要です。大きな信頼を得ていなければ、CIO とそのチームがデータや分析の大規模なプロジェクトを開始する際、それを成功させるために必要な協力を得ることが難しくなるでしょう。協力者を得ることができれば、プロジェクトは軌道に乗って、組織内の他のビジネス パートナーとの連携がさらに容易になり、データを最大限に活用できるようになります。
組織内の複数の部門にまたがるデータを集約および分析することによって、データの真の力を引き出すことができます。
リーダーシップ チームがミーティングを開くと、常に繰り返し議題に挙がる戦略上の問題というものがあります。CIO はビジネス パートナーと協力しながら、取りかかりとしてそういった問題の中から 1 つか 2 つを選び出し、その問題に答えるためにデータをどのように利用すべきかを考える必要があるでしょう。
しかし、どのような問題から着手すべきでしょうか。まず、複数のビジネス ユニットに影響を及ぼす問題に焦点を当て、複数のデータ セットを含めるようにします。たとえば、「製品別、地域別、顧客別の収益性を把握する必要がある」といった問題があるとします。この場合、組織内の複数の部門にまたがるデータを集約および分析し、データの真の力を引き出すことで、適切に意思決定を行えるようになります。そして、今日のテクノロジーの力を利用すれば、組織はこれまで以上にデータを適切に活用できる態勢が整うのです。
近頃では、PaaS (Platform-as-a-Service) や IaaS (Infrastructure-as-a-Service) モデルを利用することで、ビジネス チームが独自のデータ分析を行える環境を比較的容易に構築できます。IT 部門の関与もほとんど必要としません。しかしそうすることで、貴重なデータをサイロ化させてしまうことになりかねません。そうなると、他のデータ ソースと接続できなくなり、ビジネスにとってより示唆に富んだ有意義なインサイトを獲得できなくなる恐れがあります。IT 部門や他のビジネス チームが関与しないままにこのような状況が続くと、結果的にデータが分散してしまいます。そうなってしまっては、最も重要な問題に答えを出すために、社内でデータソースを集約する適切な方法を見極めることが非常に困難になります。
問題の本質を理解して初めて、最適なテクノロジー アプローチを決定することができるのです。
近年、ニッチな分析ツールが市場に登場しており、IT リーダーやビジネスリーダーの関心を集めています。「これは画期的なテクノロジーだ。これを利用してどんな問題が解決できるか確かめる必要がある」という反応にもなるかと思います。しかし、求められているビジネスの成果についてよく考えずにこのようなアプローチをとると、時間とコストの無駄に終わりかねません。
そうではなく、ビジネス パートナーと協力しながら、重要なビジネス上の課題やビジネス チャンスに関連する主な問題をまず理解したうえで、それに答えを出すために必要なものを決定する作業に取りかかります。たとえば、まず仮説を立て、次にどのようなデータ セットが必要かを判断します。次に、データを収集して分析するために別のツールが必要か、それともデータはすでに手元にあって利用可能なのかを見極めます。利用可能なのであれば、あとは品質と信頼性を向上させるためにビジネスプロセスを改善するだけです。通常は何度も繰り返すことになる、このようなプロセスのさまざまなポイントで、各種ツールを活用する機会があります。それは、データの相関関係を明らかにして仮説の精度を高めるようなものから、ダッシュボードやレポート機能を使ってデータの可視化や詳細なドリルダウンと探索の機能を向上させるものまでさまざまです。このように問題の本質を理解し、その答えがビジネスにどのような影響を与えるかを正確に理解して初めて、最適なテクノロジー アプローチを決定することができるのです。
このすべてを IT 部門が行うことはできませんし、するべきでもありません。データ戦略を成功させるには、組織全体の積極的な参加が必要です。もちろん、IT 部門の専門知識、リーダーシップ、コラボレーションがビジネスリーダーにとって大いに役立つことは間違いありません。部門を超えて取り組むことによって、すべての人がはるかに大きな成果を手にすることができるのです。
Workday の SVP である Dan Beck と CIO である Diana McKenzie が対談している模様をぜひご覧ください。
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