グローバル調査: 他業界より進んでいながら遅れている面もあるプロフェッショナル サービス企業の組織のアジリティ
プロフェッショナル サービス企業はデジタル化への取り組みにおいて大きく前進しましたが、いまだに多くの課題を抱えています。Workday の最新のエグゼクティブ調査で、この業界が進むべき目標についての鍵となる知見が明らかになります。
プロフェッショナル サービス企業はデジタル化への取り組みにおいて大きく前進しましたが、いまだに多くの課題を抱えています。Workday の最新のエグゼクティブ調査で、この業界が進むべき目標についての鍵となる知見が明らかになります。
この業界特有の知見は、Workday が実施した最新のグローバル調査「組織のアジリティ: デジタル アクセラレーションのロードマップ」によるものです。この知見は、Workday 独自の「組織のアジリティ」事例に拡大されアップデートされていますが、この調査が実施された 2020 年 8 月の時点では、ほとんどの企業で通常どおりビジネスが行われていなかったことは明らかです。けれども Workday は、世界的なパンデミックがビジネスに及ぼす影響に対して、世界中の企業がどのように対処しているのかを検証しました。
プロフェッショナル サービス組織は、重要なアジリティ指標では他の主要業界をはるかに上回るにもかかわらず、デジタル トランスフォーメーションに関しては、いまだに多くの課題を抱えています。これは、他の多くのことと同じようにデジタル トランスフォーメーションがパンデミックにより加速されたことが原因です。何年もかかるような変革プロジェクトでは、もはや遅すぎるのです。絶えず変化するペースと常に拡大するニーズに対応するために、プロフェッショナル サービス組織はデジタル化への取り組みを加速させる必要があります。
Workday は、プロフェッショナル サービス企業が、順応性、スキル、エンパワーメント、および評価に関するアジリティの指標で、他の主要業界をはるかに上回っていることに気づきました。けれどもプロフェッショナル サービス部門は、アジリティの鍵を握るデジタル トランスフォーメーションの目標とテクノロジーが合致せず、他の部門よりも遅れています。
Workday は、経営幹部クラスのエグゼクティブとその直属の部下など 1,024 人からの意見を書面で収集し、15 人のシニア ビジネス エグゼクティブ、経営幹部クラスのリーダー、および変革のエキスパートにインタビューを実施しました。調査には 14 の国と 12 の業界からの参加がありました。参加者を業界別に分けると、金融サービスが 18%、プロフェッショナル サービスが 15%、IT 業界が 10%、小売業界が 9% でした。この調査では、組織のアジリティの 5 つの主な特長という切り口で分析を行いました。
応答性。継続的なプランニングと変革の推進に巧みに組織が対応できることです。
適応性。新しい要件に適応するために組織が既存のリソースを使用できるような流動的な組織構造とプロセス促進のアジリティがあることです。
スキル。アジャイルなリーダーは、ワークフォースの大多数に対してスキルアップを計画し、社員の労働意欲を高めるための具体的な取り組みと優秀な人財の獲得を計画しています。
エンパワーメント。適切なタイミングで関連するデータにアクセスできるようになると、社員はより適切な意思決定を行えます。
評価。デジタル分野でのイニシアチブを効率的に管理するために、組織には継続的なパフォーマンス評価を行うためのツールとプロセスが必要です。
以下の 4 つは、業界や地域を超えた Workday の調査結果で一貫している事実です。
デジタル収益が優位を占め、さらに加速。3 年後には収益の 75% 以上がデジタル ソースによるものになると予測しているかどうか企業に尋ねたところ、36% の企業が「はい」と回答しました。昨年の時点では、3 年後に収益の 75% 以上がデジタル ソースによるものになると予測していた企業は 12% のみでした。
スマート テクノロジーがデジタル分野での成長を推進。人工知能 (AI)、機械学習 (ML)、あるいはロボティックス プロセス オートメーション (RPA) を導入している組織は、ほとんど、あるいはまったく導入が進んでいない組織と比べて、高いデジタル収益を報告する確率が 2 倍以上となっています。
ツールを変えることは、考え方や習慣を変えるよりも容易。自社のテクノロジーがデジタル トランスフォーメーションの目標に適合していると回答している組織が半数以上 (56%) に上る一方、自社の文化について同じように適合していると回答している組織はわずか 16% です。組織がテクノロジーの投資利益率 (ROI) 目標を実現するためには、新しいテクノロジーを導入し、ワークフローを効率化して日常業務における社員を支援することが重要です。
アジリティがレジリエンスを育む。とりわけ危機に直面した場合にはデジタル分野での成長が組織のレジリエンスを高めることを、リーダーの 3 分の 1 が認めています。たとえば、パンデミックにいち早く対応した組織は、データへのアクセス性の確保や部門の壁を取り払ったコラボレーションなど、アジャイルな能力を組織に組み込む傾向が強くなっています。
それでは、プロフェッショナル サービスに携わる回答者からの調査結果はその他の業界の結果と一致しているでしょうか。3 年間のデジタル分野の収益予測に関しては、プロフェッショナル サービスは、デジタル分野が好調なすべての業界の中では平均的です。プロフェッショナル サービスは、Workday が詳しく掘り下げて調査した小売業および金融サービス業と比べると遅れています。
プロフェッショナル サービスの組織は、適応性、スキル、エンパワーメント、評価の観点ではリードしています。なぜならば、プロフェッショナル サービス業は、チーム構造や社員のスキル、部門を超えたコラボレーションを通じて、デジタル トランスフォーメーションとアジリティに、より集中して取り組んでいるからです。たとえば、詳細に調査した他の業界と比べて、プロフェッショナル サービス企業は次の点において優れた実績が報告されています。
企業の目標、プランニングおよびオペレーション分析に使用するモデル、組織構造、チーム構造といった要素間の連携。
ワークフォース トランスフォーメーションと企業文化の変化についてのディスカッションに対する社員の貢献意欲。
ワークフォースおよびプロセスに対する継続的な改善。
社員が部門の壁を越えたチームで業務に取り組み、迅速かつ大胆にプロジェクトを遂行し、重要な能力をチーム内に確実に組み込む。
予算と既存のリソースを使用して、既存の社員の再教育とスキルの向上を実現する。
順応性、スキル、エンパワーメント、評価に関する能力は、結果を数値化するためにアジャイルな取り組みを行っている注目業界の中でプロフェッショナル サービス企業が 1 位となった理由でもあります。
これらの知見をさらに一歩進めてみると、継続的なプランニングを実現するという点に関して言えば、他の業界ではデータ アクセスの増加とスマート テクノロジーの導入により応答性を高めている一方、プロフェッショナル サービス企業が重要な役割を果たすものとして特定しているのは、スキルアップ、スキル再習得、リクルーティングです。
競争力を得るためには、プロフェッショナル サービス組織は AI、ML、RPA などのスマート テクノロジーの導入を増やす必要があり、さらに IT システム全体で戦略的な見通しを立て、目標達成を容易にする方法をとる必要があります。アジャイルのエキスパートでビジネス コーチングや執筆活動も行う Fin Goulding 氏は、次のように述べて、AI などのテクノロジー オプションを試すためにクラウドベースの as-a-service モデルを検討することを提案しています。「企業がまだ気づいていないかもしれない主な領域の 1 つに、サービスとしての AI (AI-as-a-service) があります。企業がテクノロジーの実装までに難渋する作業の 1 つが、複雑な作業をこなすためのスキルを持った人員を見つけることです。現在は、ビジネスの課題を解決するために自社のプラットフォームを使用したり、業務を代行する小規模企業を雇ったりして、スタートアップ企業が行っていることを活用できるようになりました」
調査結果の詳細、プロフェッショナル サービス業界と他の業界との比較、ならびに経営幹部クラスのエグゼクティブからの重要なインサイトについては、『組織のアジリティ: デジタル アクセラレーションのロードマップ』をお読みください。
さらに読む
人々が一同に会する Workday Rising 2024 にご参加ください。貴重なコネクションを構築し、AI イノベーションを確認し、ビジネスを長期にわたって前進させる最先端の戦略について意見を交換できます。Workday の最高マーケティング責任者を務める Emma Chalwin が詳細を説明します。
アジリティを確保し、デジタル イニシアチブをすばやく拡大できるようになるには労力が必要です。IDC 社のレポートによると、企業がデジタルファーストの体制を実現するには、適応性と拡張性に優れ、かつオープンでインテリジェントなコア (中核となる) アーキテクチャが必要になります。
米国と欧州連合 (EU) 間のシームレスなデータ移転は、デジタル経済を推進し、多国籍企業がグローバル ワークフォースを効果的に管理する上で重要な役割を果たしています。Workday の最高プライバシー責任者である Barbara Cosgrove より、新しい EU-米国データ プライバシー フレームワークが Workday のお客様に与える影響、そして今後の展望について最新情報をお伝えします。 |