AI と ML によって仕事の未来はどう変わるのか

Workday では、プラットフォームの中核に人工知能(AI)と機械学習(ML)を組み込んで、他に類を見ないビジネス適応力と競争力をお客様に提供しています。その詳細について解説します。

Workday は長きにわたり、人工知能 (AI) と機械学習 (ML) が仕事の未来を切り拓くという確信を抱き続けてきました。主に生成 AI、特に OpenAI と ChatGPT によってもたらされた AI と ML の昨今の進歩を受けて、誰もが AI と ML の波に乗ろうとしている一方、Workday は、10 年近く前から AI と ML の機能を構築して当社のお客様に提供しています。

AI と ML に対する Workday 独自のアプローチ 

AI と ML に対する Workday の考え方と実装方法は、世界中のどのエンタープライズ ソフトウェア企業と比べても一線を画しています。機能の観点では、Workday は AI と ML をテクノロジー プラットフォームの中核に組み込むプラットフォームファーストのアプローチをとっています。なぜこれを重要視しているかというと、ML を活用した新機能をアプリケーションに迅速に提供して維持できるからです。ML は、使用を重ねるほどに改善されます。数百万人ものユーザーが数十のアプリケーションを同じプラットフォーム上で常に使用することで、より速く改善していきます。

このほかにも、Workday が所有するデータと、そのデータに対する特別な処理が、当社の差別化要因になっています。量だけを見ても、当社がアクセスできる顧客データは膨大です。6,000 万人超のユーザーが年間約 4,420 億のトランザクションを行っています。しかし、質を伴わなければ、どんなに量が多くても意味がありません。当社では、包括的な単一のデータ モデルによって品質を確保しています。このデータ モデルにより、さまざまなデータ リポジトリの複数のインテグレーションに依存している競合他社では成し得ない方法で、一貫性のあるクリーンなデータを維持することが可能になります。当社ではまた、データの構造化にテナント型モデルを使用しています。その独自のメリットとして、連合学習を通じて特定の地域または業界のお客様向けのカスタム モデルを構築できます。これはすべて、必要なプライバシーと統制規則を維持したうえで実現されます。そして、Workday Prism Analytics でサードパーティのデータを取り込み、他の追随を許さない Workday のデータ セットと統合し、Workday のみが実現できる独自のモデルを作成できます。 

ML の成果を促進するには、データに「3 つの V」、すなわち十分な volume (量)、velocity (速さ)、variety (多様性) が必要と言われています。Workday はその 3 つすべてを備えているのです。Workday 独自のデータとテクノロジーを組み合わせることで、パフォーマンスとカスタマイズ性に優れたユース ケースを備えた AI および ML ソリューションをデプロイし、迅速かつ差別化された成果をお客様に迅速に提供することができます。

AI と ML に対する Workday の考え方と実装方法は、世界中のどのエンタープライズ ソフトウェア企業と比べても一線を画しています。

AI と ML で未来の仕事の可能性を切り拓く

Workday 独自のアプローチの好例の 1 つが、未来の仕事の実現を可能にする ML 機能である Workday Skills Cloud です。従来のキャリアパス、資格情報、学位、型通りの履歴書は限界に近づいています。未来の経済は、今よりはるかに動的かつ柔軟で、従来とは異なるバックグラウンドを持つ人々を効果的に関与させることができるものになるはずです。Skills Cloud では、AI と ML を活用して人間の言語におけるスキルの使用方法を分析し、スキル同士の関係を理解し、それをスキル中心のワークフォースに大規模にマッピングします。 

Workday Skills Cloud と、その原動力となる ML エンジンは、この新しい世界において企業が生き延びていくために不可欠です。当社のコアとなる Workday ヒューマン キャピタル マネジメント (HCM) のお客様の半数超がこれを利用していることからも、その価値をお分かりいただけると思います。Workday Skills Cloud は、5 年前のリリース以来、50 億回を超えるスキル使用を処理してきました。ML がなければ、どの企業にとってもスキルの大規模な導入はまず不可能です。 

同様に、未来の財務にとっても AI と ML を応用することは重要です。AI と ML を利用すれば、かつて数週間から数か月かかっていたことが、わずか数時間あるいは数分でできるようになるため、財務チームはリスクを管理しながら非効率な作業を排除できます。  

たとえば月末と四半期末に、財務チームは情報収集と取引の照合に膨大な時間を費やします。Workday の AI と ML を導入すれば、財務のパターン、傾向、異常を迅速に特定し、決算処理プロセスを効率よく短時間で完了できるようになります。  

仕事の未来に対する AI と ML の影響には無限の可能性があります。生成 AI が誕生した今なら、なおさらです。

Workday のプラットフォームに AI と ML をネイティブに組み込むことで、Workday ファイナンシャル マネジメント (財務管理)では大量の取引を高速に処理できるインテリジェント オートメーションが実現し、ビジネスに対して目に見える効果が現れるとともに、正確性がいっそう高まります。 

生成 AI の無限の可能性

仕事の未来に対する AI と ML の影響には無限の可能性があります。生成 AI が誕生した今なら、なおさらです。Workday は、生成 AI が組み込まれたテクノロジーである大規模言語モデル (LLM) を早期に導入しており、現在は、それを実稼動環境で運用しています。Workday が生成 AI の導入を始めたのは、日々生じる数多くのお客様の課題に対処するためでした。LLM の一般的な使用例はコンテンツ作成です。このアプローチによってパフォーマンス レビューや職務内容など多くの書類の作成に変革が起きることが予想されます。Workday では引き続き、生成 AI によってお客様にさらなる価値をもたらすとともに、Workday のデータ セットと外部データ セットの双方を活用する独自モデルを開発できる重要なユース ケースを特定していきます。 

信頼性の高い AI で、迷いのない意思決定を実現

AI と ML がその可能性を十分に発揮するために必要な条件として Workday が考えているのは、信頼できるものであること、そして、人間を排除するのではなく増補するものであることです。AI と ML に信頼性を持たせるには、その根幹に信頼性を組み込む設計が必要です。世界で最も倫理的な企業の 1 社として、Workday は、責任ある AI に力を注いでいます。ML 製品の使用に伴うあらゆるリスクの軽減をサポートできるよう、当社では ML 製品の開発と評価の方法に関して明確な情報をお客様に提供しています。Workday の倫理的 AI および ML の基本方針は、この分野における当社業務の基盤として機能するとともに、社会にとってプラスの成果をもたらし、お客様とその社員の成長機会を拡大する AI および ML テクノロジーを開発するための指針となっています。

常に人を中心に据えるという基本方針のもと、Workday の AI および ML テクノロジーによって意思決定が完全に自動化されることはありません。当社の慣行では、人が最終意思決定者であることが徹底されています。当社は、人間中心のアプローチを維持することを約束し、人間の生産性と知識の向上のために AI と ML を使用して、かつては解決不能と思われていた問題を人間が解決できるようにします。これが AI と ML の誓約です。これによって未来の働き方がどう形作られるのか、私たちはまだその想像の端緒を開いたばかりです。

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