Mastercard 社: AI を活用したワークフォースでビロンギングの企業文化を構築
Mastercard 社の Amanda Gervay 氏が、規律、コミュニティ、インクルージョンに基づく企業文化を通じて、AI を活用したワークフォースにおいて高いパフォーマンスを発揮するための基盤を構築する方法をご紹介します。
Mastercard 社の Amanda Gervay 氏が、規律、コミュニティ、インクルージョンに基づく企業文化を通じて、AI を活用したワークフォースにおいて高いパフォーマンスを発揮するための基盤を構築する方法をご紹介します。
このブログでは以下についてご紹介します。
過去 5 年間で、職場環境におけるテクノロジーの導入が大きく進みました。AI によって各種のプラットフォームとプロセスが再定義され、在宅勤務とオフィス勤務の組み合わせによって勤務場所や仕事のやり方が大きく変わり、勘や経験則ではなくデータが意思決定の原動力になっています。
こうしたテクノロジーの急速な普及において、コミュニティ、ビロンギング、つながりという要素に対する人間のニーズが、かつてないほど重要になっています。
Mastercard 社のアジア太平洋地域の人財・能力開発責任者を務める Amanda Gervay 氏から話を聞いたのですが、その内容は一貫してこのテーマに沿って展開されました。
Mastercard 社は、「規律指数」という独自の基準に基づいて、Amanda 氏のようなインクルーシブなリーダーを積極的に採用しています。
Amanda 氏の話を聞いて、生産性、プラットフォーム、パフォーマンス指標が重視されるビジネス環境において、現在のビジネスの原動力はテクノロジーとデータなのかもしれないが、企業にとっての最終的な推進力は企業文化と帰属意識 (ビロンギング) であるということに気付かされました。
Mastercard 社の哲学は、「規律の文化」という形で定義されています。
これは、共感、倫理的な判断、人間中心のリーダーシップを重視した実践的な運用モデルです。このモデルを通じて社員一人ひとりが「自分は会社から評価され、支援を受けている」と感じることにより、すべての社員が誠実に行動するようになり、それがより大きな公益につながっていきます。
Mastercard 社は、「規律指数」という独自の基準に基づいて、Amanda 氏のようなインクルーシブなリーダーを積極的に採用しています。
ビロンギングを非常に重視する Amanda 氏のリーダーシップ哲学は、実体験に基づいています。
「私の両親はオーストラリアへの移民で、70 年代に白人ではない第一世代のオーストラリア人として生まれた私にとって、帰属意識は常に重要なものでした」と Amanda 氏は言います。
彼女は今でも、「外見は違っていても、心の中ではオーストラリア人だと考えていた」という、成長期における二重のアイデンティティに葛藤を感じていたことを覚えています。
Amanda 氏は周囲に溶け込むために、多くの移民やその子供たちが共感を覚えるような行動を選択しました。「家では中国語を話していましたが、外では意図的に英語だけを話すようにしました。実のところ、中国語は話せないと言っていました。周囲に溶け込むには、それが好都合だったからです」
現在では、こうした行動は、周囲に溶け込むために自分の重要な部分を隠そうとする「本能的な行動」として表現されるかもしれません。現在の社会環境は変化したにもかかわらず、こうした行動はなくなっていません。
ここで重要なのは、「人は、何も隠す必要がないときに最高のパフォーマンスを発揮する」ということです。
現在の職場環境においても依然として、訛りが目立たないように話したり、介護が必要な肉親の存在を隠したり、ADHD や学習障害などの発達特性を軽視したり、十分な「愛社精神」が感じられない側面を隠そうとしたりすることがあります。
Amanda 氏は、共感力がソフト スキルから戦略的な能力へと移行するのはこの段階だと考えています。
「共感力を高めるには、この視点を職場環境に持ち込むことが絶対に必要です。民族や年齢といった明らかな多様性だけでなく、異なるコミュニケーション スタイルや考え方という多様性もあります」(Amanda 氏)
ここで重要なのは、「人は、何も隠す必要がないときに最高のパフォーマンスを発揮する」ということです。
「社員がありのままの自分で安心して仕事ができる環境を作ることにより、信頼関係が強化されるだけでなく、各社員の多様な考え方や高い貢献を引き出すことになり、それが高いパフォーマンスの原動力になります」(Amanda 氏)
社員の善意に任せるだけでは、ビロンギングを大規模に推進することはできません。意図的にインフラを構築する必要があります。Mastercard 社では、そのための取り組みを「目に見える階層構造と目に見えない階層構造を意図的に排除する」という方針に従って行っています。
「当社では、性別に関係なく育児支援制度を利用できます。これは、アジア太平洋地域では非常に先進的な制度です。母親と父親の両方が同じ期間の育児休暇を取得できるのです」(Amanda 氏)
Amanda 氏は、「依然として、アジア太平洋地域の多くの企業で、年齢、在職期間、役職などによって福利厚生が異なっている」と言います。
Amanda 氏はシニア リーダーに対して、「単に社員リソース グループを支援するだけでなく、積極的に社員リソース グループに参加すること」という実践的なアドバイスをしています。
「私たちは、すべての社員に対して公平なプログラムを提供しています。これにより、ひとつのチームとしての会社への帰属意識を高めることができます。勤続年数の長さや性別の違いなどを理由にして不公平なプログラムを社員に提供することはありません」(Amanda 氏)
透明性も重要な要素です。
「私たちは、透明性に対して非常にオープンです。信頼関係の構築に役立つと考えているからです」と Amanda 氏は言います。Mastercard 社は、意思決定の方法や福利厚生の適用方法について透明性を確保することにより、公平性を重視する企業文化を強化しています。これが、「すべての社員を同じコミュニティの一員として評価し、公平に扱っている」という明確なメッセージになっています。
Amanda 氏にとって、リーダーの行動は、会社の正式な方針と同じくらいに重要なものです。
「トップが方針を決めることが極めて重要です。各社員の取り組みに任せていては、会社としてのインクルージョンは実現しません。ビジネスに適した方法でインクルージョンに取り組む必要があります」(Amanda 氏)
Amanda 氏はシニア リーダーに対して、「単に社員リソース グループを支援するだけでなく、積極的に社員リソース グループに参加すること」という実践的なアドバイスをしています。それは、もう一度「新入社員」として組織を体験するということです。これにより、組織内でインクルージョンを実際に体験して理解することができます。
「アジア太平洋地域の 15,000 人の社員のうち、80% 以上がミレニアル世代以下の年齢層です。世代交代により、リーダーたちは、権力を行使する方法と信頼関係を構築する方法の見直しを迫られています」(Amanda 氏)
決済業界は驚異的なスピードで進化しているため、Mastercard 社は従来のキャリア モデルを再検討する必要に迫られています。
「テクノロジーによって情報の流動性が大幅に高まり、階層構造がフラットなものになりました。「当社も、それに合わせて変わる必要があります」(Amanda 氏)
こうした状況に対処するため、Mastercard 社はリバース メンタリングを重視するようになりました。
「当社では、経験豊富なリーダーたちに対して、若い社員が何を期待しているのかを知るようにアドバイスしています。会社に 30 年間在籍しているからといって、すべてを以前と同じ方法で処理することはできません」(Amanda 氏)
Mastercard 社の AI へのアプローチにも、同じ考え方が反映されています。
「私たちは、さまざまなツールやテクノロジーを活用していますが、こうした技術が人間の代替になることは決してないと考えています」(Amanda 氏)
Mastercard 社は、AI を人間に代わる脅威としてではなく、人間の能力を強化する存在として考えています。
「社員に対して、AI への準備状況について調査したところ、安心感の点でベンチマークを上回っていました。これは、会社主催のトレーニングを通じて、AI に関する知識と意識の向上に多くの時間をかけたことが理由だと考えています」(Amanda 氏)
ここで重要なのは、Mastercard 社が AI を「人間の能力を創造する存在」として考えていることです。
「AI と人間による相乗効果です。AI を活用すれば作業時間が短縮されるため、電話対応、チーム メンバーとのやり取り、お客様のサポートなど、人とのつながりに多くの時間を割くことができるようになります」(Amanda 氏)
この考え方は素晴らしいと思います。テクノロジーは共感の余地を生み出すものであり、共感に取って代わるものではありません。
決済業界は驚異的なスピードで進化しているため、Mastercard 社は従来のキャリア モデルを再検討する必要に迫られています。ロール ベースの直線的なキャリアパスでは、この業界の現状に対応できなくなっています。
「迅速に行動するには、能力とスキルの柔軟性を高める必要があります。それが、Mastercard がスキルベース企業への移行に取り組んでいる理由です」(Amanda 氏)
Amanda 氏は、現在のプラットフォームをアップグレードするための鍵は「社員と会社を結び付けるための接着剤」ではないと考えています。鍵になるのは「企業文化」だと確信しています。企業文化は、つながりとビロンギングを重視するリーダーによって構築されます。
「今後は、現在では知られていないスキルを開発していくことになるでしょう。10 年前には、現在のような役割が存在するとは想像できなかったのと同じことです」(Amanda 氏)
Mastercard 社は、流動的な能力の開発に取り組んでいます。
「現在は、『この業務では X、Y、Z というスキルが必要だ』という固定的な方法は必要ありません。適切なツールキットを使用すれば、必要なスキルがない社員でもその業務を担当できます」(Amanda 氏)
人事部門のリーダーにとって、これはスキル戦略とビロンギングが交差する領域です。
学歴や職歴だけでなく潜在能力も考慮して人財を採用し、実現可能なキャリアパスを社員に提示すれば、能力の流動性が向上するだけでなく、社員の信頼感が高まり、緊密なコミュニティが形成されます。
私たちの未来はさらに自動化されていくことが予想されますが、Amanda 氏は非常に古いものが再び評価されつつあると考えています。
「これからは、人間的なつながりがさらに重要になると思います」と Amanda 氏は言います。新型コロナウイルス以降、人間的なつながりを求める気持ちはむしろ強くなっています。
「私たちは、基本的に社会的な存在であるため、集団で生活するようにできています。もし私たちが狩猟採集の時代に生まれていたら、生き残ることはできないでしょう」(Amanda 氏)
Amanda 氏は、ギグ ワーク、ハイブリッド ワーク、分散型チームなど、仕事の形態は細分化されるかもしれないが、ビロンギングの必要性が変わることはないと考えています。
「社員と会社を結びつけるものは何でしょうか。社員と会社を結び付けるには、これまでとは異なる方法で取り組む必要があります」(Amanda 氏)
Amanda 氏は、現在のプラットフォームをアップグレードするための鍵は「社員と会社を結び付けるための接着剤」ではないと考えています。鍵になるのは「企業文化」だと確信しています。企業文化は、つながりとビロンギングを重視するリーダーによって構築されます。
現在は、テクノロジーによって職場環境が大きく変化していますが、各社員が「会社から評価され、大きな目標に向かって安心して仕事ができる」と感じるようにすることが、人事部門のリーダーにとってこれまで以上に重要になっています。
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