継続的なプランニングに切り替えるには
今後の状況を予測し、そうした状況に備えることにより、組織はアジリティを高め、先を見越した対応を行い、成功を収めることができます。
今後の状況を予測し、そうした状況に備えることにより、組織はアジリティを高め、先を見越した対応を行い、成功を収めることができます。
ビジネスの成功を測る一般的な尺度は成長です。成長していなければ、成功しているとは言えません。激動の時代にあっても、企業は障害を乗り越え、成長し成功することが期待されます。
しかし、財務部門が規模や拡張に焦点を当てて成長をとらえると、企業をどのように進化させるかといった他の側面を見逃してしまいがちです。ただ大きくなるだけでなく、より良くなることが重要なのです。
多くの企業にとって大きな改善の余地がある分野として、プランニングがあります。そして、多くの企業にとって、次の時代に備えてプロセスを変革する絶好の機会が到来しています。
従来の年次プランニング プロセスを続けることはできますが、それは通常、スプレッドシートをベースとし、手作業で計画、予算、および予測を作成する方法です。しかし、これらの情報は完成した瞬間から古くなっていきます。計画の策定には数週間から数か月もかかる上に、動的な変化に対応できず、結果として、貴重な時間と労力をビジネスの前進や迅速な軌道修正に投入できなくなる恐れがあります。現状にしがみつくことは、実際の支出という点では費用対効果が高いように見えるかもしれませんが、時間、労力、ミス、機会損失などのコストを考慮すると、固定的な計画を採用する余裕は企業にはないはずです。最近では特にそういった傾向が強くなっています。
より賢明な選択肢は、継続的なプランニングを行うことです。継続的なプランニングは、今日の企業運営を踏まえて設計されており、財務や業務データを唯一の正しい情報源として活用できるため、最新の実績に基づいて計画、予算、予測を作成できます。
継続的なプランニングを採用することで、企業は予算と予測を常に調整し、最新情報に基づいてリアルタイムに適応し対応できるようになります。企業にとって、評価、再予測、全体計画の調整を行う期間を短縮する必要性はこれまで以上に高まっています。プランニングをよりリアルタイムに行うほど、より戦略的な意思決定と競争力のあるアクションが可能になります。
多くの企業は、継続的なプランニングやビジネス アジリティの向上への取り組みを阻むありがちな (フラストレーションの溜まる) 障壁に直面しています。度々引用されている、世界のビジネスリーダーを対象とした調査では、高業績企業と後れを取っている企業との違いが明らかになっています。調査結果によると、戦略と実行へのアプローチによって、アジャイルかつ迅速に市場の変化に対応できると答えたエグゼクティブは 5 人に 1 人未満でした。
そうでない企業にとって、継続的なプランニングとアジャイルな運用を妨げているものは何でしょうか?主要な障害は 3 つあります。
時代遅れのテクノロジーやインフラ: レガシー テクノロジーは部門や事業部門ごとにデータをサイロ化する可能性があります。そのため、ビジネス ユーザーが会社の健全性を監視し、十分な情報に基づいた意思決定を迅速に行うために必要なデータを利用できなくすることがあります。
スキル セットの不足: プランニングが全社的に行われるようになると、組織は、これらのツールを使いこなし、最大限に活用するための追加のトレーニングや専門知識の必要性を認識するようになります。財務のみに特化したプランニング環境では、これを実現することは困難です。
継続的なプランニングを採用することで、企業は予算と予測を常に調整し、最新情報に基づいてリアルタイムに適応し対応できるようになります。
このような障害に対処し、固定的な年次プランニングから継続的なプランニング プロセスへの転換を図るには、テクノロジー、人財、プロセスの 3 つの分野の少なくとも 1 つを変える必要があります。(ほとんどの場合、3 つすべてを少しずつ変える必要があります)。
テクノロジー: 固定的なプランニング環境しか提供できない時代遅れのレガシー テクノロジーでは、継続的なプランニング プロセスを実施することは不可能です。最新のクラウドベースのプランニング ソリューションは、サイロ間のデータ収集を自動化し、そのデータを企業全体で可視化することができます。これにより、すべての部門が唯一の正しい情報源とインサイトを共有し、プランニングや意思決定に活用できます。
プランニング テクノロジーを評価する際には、企業の成長に伴うユーザー数の増加やインサイトの使用頻度の増加に適応できる、拡張可能な弾力性を持ったソリューションをご検討ください。さらに、プラットフォームにとらわれないソリューションを選び、分断された個別システムの使用によって共有やコラボレーションが妨げられることがないようにしましょう。先進的なソリューションは、必要な回数だけあらゆる What-If シナリオをモデル化する柔軟性を提供します。実質的にディメンションに制限はありません。また、機械学習などのインテリジェントな自動化を統合することで、より迅速に正確な予測を生成し、早期に潜在的な問題を検出できるようになります
人財: 適切なスキルを持った人財が適切なタイミングでそれを活用できなければ、世の中のどんなテクノロジーも意味を成しません。xP&A (拡張計画・分析) または全社的プランニングは、FP&A のベストプラクティスを企業全体に取り入れることで、誰もが継続的なプランニング プロセスに参加することができます。継続的なプランニングの文化を確立することで、財務チームへのプレッシャーが軽減されるだけでなく、他の部門や事業部門が予算、予測、計画を最大限に活用できるようになります。
プロセス: テクノロジーはデータ入力や連結などの手作業を自動化し、全社的なスキル構築は継続的なプランニングの能力を最大化するのに役立ちます。継続的なプランニングを標準的なワークフローの一部に組み込むことで、全社規模で同じベストプラクティスを使用することができ、全員が一丸となって取り組むことができます。財務部門のリーダーは、反復可能なプランニング、予算編成、予測のプロセスを確立し、連携させる必要があります。これにより、企業全体が市場の変化にすばやく対応できるようになります。
それでは、テクノロジー、人財、プロセスのどこから手をつけるべきでしょうか?答えは企業によって異なります。最も緊急なニーズや、最も後れを取っている領域に焦点を当てる企業もあれば、すばやく簡単にメリットを生み出せる領域から取り組みを開始する企業もあるでしょう。
データの重要性を考えると、まずテクノロジーに焦点を当てるのは理にかなっているかもしれません。テクノロジーに注力すれば、唯一の正しい情報源を構築してインテリジェントなデータ基盤を提供し、人財のエンゲージメントを高め、継続的なプランニング プロセスを構築できます。財務チームだけでなく、営業、オペレーション、人事などのチームも、正しいデータを利用することが可能になります。
最初から大規模に展開する必要はありません。テストのユース ケースや参加者を対象に小さな規模から始めることで、無理のないペースでフレームワークを構築できます。継続的なプランニングを全社規模で推進する人財を育成し、適切なタイミングで取り組みを拡大します。最も重要なこととはなんでしょうか?それは、今すぐ始めることです。
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