CFO を待つ未来: 第 2 部
ブログ シリーズ『CFO を待つ未来』の第 2 部では、ビジネス上の重要な優先事項に役立てるため、最高財務責任者 (CFO) たちの間でクラウドベースの財務システムへの関心が高まっている理由について検証していきます。
ブログ シリーズ『CFO を待つ未来』の第 2 部では、ビジネス上の重要な優先事項に役立てるため、最高財務責任者 (CFO) たちの間でクラウドベースの財務システムへの関心が高まっている理由について検証していきます。
本シリーズの第 1 部では、CFO の役割を新たにする 4 つのビジネス上の優先事項、すなわち成長、規制環境、ビジネス インサイト、継続的なイノベーションについて見てきました。第 2 部では、こうした優先事項の実現をサポートするため、CFO たちの間でクラウドベースの財務システムへの関心が高まっている理由について検証していきます。
Gartner 社によると、2018 年までに、新しいコア財務アプリケーションのデプロイメントのうち少なくとも 25% はパブリック クラウドの SaaS により提供されると見られています (出典: Gartner 社『Predicts 2016: Financial Management Applications』、John E. Van Decker、Nigel Rayner、Christopher Iervolino による共著、2015 年 11 月 23 日)。こうした動きは、多くの場合、トップ企業から起こるでしょう。KPMG 社の『The View from the Top』レポートで調査対象となった CEO は、クラウドベースの ERP システムなどのテクノロジーの活用は、今後 CFO にとって重要な領域となると回答しています。
財務部門は、変化にいち早く適応し、新たな戦略をサポートできるようになる必要があります。
ビジネスリーダーはなぜクラウドベースのシステムを選択するのでしょうか。それは、従来の財務システムは基本的な会計および報告の要件のために設計されており、企業が将来を予測したり、現代の絶えざる変化に対応したりするうえでは役に立たないからです。
以下では、クラウドベースの財務システムの導入が増加傾向にある理由について、詳しく見ていきます。
企業の成長目標を支えるため、財務部門は分析とプランニングに注力し、「What-If」の問いに答えられるようにする必要があります。それには、ビジネスの現状についての正確なリアルタイムのデータやインサイトを迅速に提供する財務システムが必要です。社内の合意形成のために、財務のプロフェッショナルがさまざまなシステムのさまざまな数値を手作業で照合するというのは時間の無駄です。
クラウドベースの財務システムなら、アジャイルで拡張性のあるテクノロジー基盤が提供されるので、成長や変化を加速させることができます。
4 か国で事業を展開するオーストラリアのマーケティングおよび通信企業 Salmat 社は、クラウドベースの財務システムに移行しました。その結果、CFO の Rebecca Lowde 氏は会社全体の財務データについて重要なインサイトが得られるようになりました。クラウドへの移行以前、Lowde 氏の部門では「地理的に離れた複数の拠点で手作業による照合作業に、毎月何千人日も費やしていたが、どのシステムからも限られたビジネス インサイトしか得られない」という状況でした。
財務部門は、他のビジネスリーダーにもリアルタイムの財務データやインサイトを活用してもらうことで、ビジネスのスピードに乗り遅れることなく行動を起こしてもらえるようにしたいと考えています。こうした情報を財務部門以外とも共有することで、全社的なコラボレーションを改善することもできます。現状のパフォーマンスに対する豊富なインサイトがあれば、リーダーたちは常に戦略を立て、必要に応じて適切な進路をとることができるのです。
変化の速度は増す一方であり、企業は自身を取り巻く状況に対応しなければなりません。時代遅れのビジネスプロセスやシステムは、その大きな妨げとなる可能性があります。CEO は新規市場への参入や買収など、さまざまな方向性から成長を目指すため、財務部門は変化にいち早く適応し、新しい戦略をサポートできるようになる必要があります。
クラウドベースの財務システムなら、アジャイルで拡張性のあるテクノロジー基盤が提供されるので、成長や変化を加速させることができます。これにより、レガシー システムにはつきものだったオフラインのプロセス、ダウンタイム、手作業による照合、システム変更に関するプロセス管理の大きな諸問題のほとんどは解消されます。たとえば、クラウドベースのシステムで新しいエンティティを設定する作業は、数分とはいかずとも、数時間で完了できます。レガシー システムであれば、この作業にはソフトウェアのカスタマイズやオフラインでの複数システムの照合が必要となり、何か月もの作業になる可能性があります。
King Digital Entertainment 社の財務担当バイス プレジデントである Nick Pointon 氏は「急速な成長に対応し、ビジネスを前進させてくれるテクノロジー基盤を作る」ために、財務部門をクラウドベースの財務システムに移行したと説明しています。
CFO と財務部門は、クラウドベースの財務システムは効率性に優れ、事務処理にかかる時間を削減でき、付加価値の高い活動に時間を充てられるようになることに気付きつつあります。クラウド システムはビジネスプロセスの効率化やリアルタイムの報告に役立ちます。これにより、財務報告を完了するまでにかかる時間が 20% 削減された例もあります。
ワークフローや統制機能が組み込まれたクラウドベースの財務システムは、社内監査を効率的かつ効果的に実施するうえでも有用です。社内監査の際、レガシー システム外の情報収集やプロセスの確認に多くの時間を費やしがちですが、クラウド システムを導入すれば、プロセスの情報にわずか数秒でアクセスできるようになります。レガシー システムだとこれに何週間もかかります。その結果、将来に向けた取り組みのための全社的なコラボレーションに多くの時間を充てることができるようになります。
CFO の役割は、ダイナミックに変化を続けるビジネス環境の中で進化しており、CFO にとって今は非常に興味深くやりがいのある時期と言えるでしょう。企業が変化に対応し、成長を加速できるよう、CFO は社内の財務システムを絶えず注視し、現在や未来のビジネスの要求に応えることができているか評価していくことになります。
クラウドベースの財務システムが、変化する CFO の役割やビジネスの要求への対応をどのようにサポートできるか、詳細は特集記事『Driving the Strategic Agenda: The CFO’s Road Ahead (戦略的アジェンダの推進: CFO を待つ未来)』をご覧ください。
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