製品とテクノロジーのイノベーションを促進する企業文化の創造

既成の枠にとらわれない思考と創造性を育み、人々の働き方を変える製品とテクノロジーを生み出す原動力となっている Workday の企業文化について、製品開発部門のエグゼクティブ バイス プレジデントである Pete Schlampp と、テクノロジー部門のエグゼクティブ バイス プレジデントである Sayan Chakraborty が詳しく語ります。

Workday では、イノベーションはただの流行語ではなくコア バリューです。先ごろ、Fast Company の「Best Workplaces for Innovators」が発表され、Workday は再びこのリストに掲載される名誉にあずかりました。このリストには、あらゆるレベルでイノベーションの促進に深くコミットしていることが認められた企業や組織が名を連ねています。

既成の枠にとらわれない思考と創造性を育み、人々の働き方を変える製品とテクノロジーを生み出す原動力となっている Workday の企業文化について、製品開発部門のエグゼクティブ バイス プレジデントである Pete Schlampp と、テクノロジー部門のエグゼクティブ バイス プレジデントである Sayan Chakraborty に直接話を聞きました。

イノベーションは Workday にとってのコア バリューですが、それについての見解を聞かせてください。

Schlampp: おっしゃるとおり、イノベーションは当初から Workday の企業文化の重要な部分でした。当社は大企業向けに人財管理クラウド アプリケーションを提供した最初の企業であり、以来この分野の先駆者であると自認してきました。

Workday におけるイノベーションとは、社員とお客様との真のパートナーシップであると考えています。それは今まで以上に繰り返しとコラボレーションが求められるプロセスです。お客様と率直に話し合う貴重な機会を設け、変化のスピードが速いこの世界でお客様が何を求めているか、またイノベーションを継続することでそれをどのようにサポートできるかについて話し合います。

つまり、Workday との長期にわたる関係を築いていただくために、絶え間ないイノベーションを続けてお客様のニーズに応え、お客様が直面している課題を解決すること、Workday エクスペリエンスをあらゆる場面でよりパーソナルで有意義なものにすること、そして究極的にはお客様に満足していただける製品をお届けすることに注力しています。

Chakraborty: Pete の見解に付け加えると、私たちが常に最重要視しているのは、お客様がビジネスを効果的に遂行できることです。昨今の状況では特にこれは重要なことです。Workday はクラウドでの利用を前提に設計されています。このため、お客様も私たちも周囲の状況の変化に機敏に反応して絶えずイノベーションを行うことができます。

イノベーションについては、性能や機能や機械学習 (ML) といった訴求力のある華やかなものにばかりに目が向きがちですが、私たちは見えない部分にも同様に気を配っています。たとえば、お客様のニーズを予測的に監視し、適切なリソースを自動的にスケールアップしてニーズのボリュームやタイプに対応しています。これは世界最大級の企業の変わり続けるニーズに対応するために欠かせません。こうしたお客様は特に、Workday のサービスをどのように使用するのか予測が難しいためです。この種のイノベーションを「隠れたイノベーション」と呼んでおり、Workday のサービスのレジリエンスや拡張性、可用性へとつながるイノベーションと言えます。

「Workday におけるイノベーションとは、社員とお客様との真のパートナーシップであると考えています」

Pete Schlampp 製品開発部門、エグゼクティブ バイス プレジデント Workday

イノベーションの推進には、社員にこれまでとは違った新しい考え方を奨励する企業文化の醸成という側面もあります。製品開発やテクノロジーの部門でどのようにイノベーションが起こっているのかいくつか例をあげてもらえるでしょうか?また、そういったことは現在のリモートワークの環境でどう変化しましたか? 

Chakraborty: テクノロジー部門では、創造的に問題を解決し、多様な観点を取り込めるような職場環境づくりに力を入れています。これには、世界中のさまざまなオフィスで働く社員がアイデアを出し合ったり、コラボレーションを行ったりする協働イベント (従来は対面、現在はオンライン)、創造的な問題解決を促進するイノベーション ウィーク、新しいテクノロジーやアプローチを試すためのハッカソンなどがあります。 

イノベーションを促す別の方法としてはパブリック クラウドの活用もあります。主要なクラウド企業が提供しているテクノロジーやソリューションのいくつかが Workday の製品やサービスにシームレスに取り込まれており、拡張性、コスト、自動化の面でお客様にとってのメリットとなっています。

確かに多くの社員がリモートで働くようになりましたが、イノベーションを促進するためのオンライン プログラムを提供する妨げにはなっておらず、ハッカソンや知識共有のためのセッションを続けることで社員がコラボレーションを通してお互いからヒントを得る機会を設けています。 

同時に、つながりを保つための創造的な方法を発見し、リモート環境で楽しみを見出すことも重要です。こういったことが、結局はより良いサービスをお客様に提供することにつながると信じています。たとえば、社員たちはこれまでリモート タレント ショー、Zoom の背景コンテスト、オンライン料理教室などに参加しています。  

Schlampp: 開発者、プロダクト マネージャ、デザイナー、品質保証チーム、テクニカル ライターなどすべての職種を巻き込んでイノベーティブな発想やコラボレーションを奨励する環境を育むことにも力を入れています。これによって、それぞれが立場に関係なく、クリエイティブなアイデアを出し合い、新しい製品を作っていく機会を持つことができます。 

パンデミック前は、こういったプログラムとしては、チーム間の知識共有のためのセッション、自分たちの製品に特化したハッカソン、「シャーク タンク」イベントといったものがあり、参加者はそこで難しい現実的な問題を解決するアイデアの紹介をしていました。また、組織内の多くの場所でギグ ワークも奨励しています。ギグ ワークの狙いは、社員がさまざまな領域で短期のプロジェクトに従事できるようにすることです。プロジェクトベースのこのアプローチによって、素早く行動し順応していくことが可能になり、社員は新しいスキルを身に着けることができます。そしてゆくゆくは製品のイノベーションを促す創造性を刺激することにつながります。 

COVID-19 (新型コロナウイルス感染症) の拡大を受けて最重要視したのは社員のケアでした。社員の多くが新しい現実とリモートで働くという複雑な事態に対処していたので、「支えられている」という感覚を社員たちが持てることが重要だと考えました。そうすれば余裕が生まれ、それはお客様へのサービスに向けられることになります。 

さらに、アジャイルな製品開発環境の推進に常に力を入れてきたため、リモートワークへの移行を進めるにあたっては、すでに良い習慣ができていて、移行も比較的楽に行えました。以来、仮想ホワイトボードやコラボレーション可能なクラウドベースのデザイン ツールを活用した学習など、チームを支援するいくつもの新しい方法を見出しています。そのため、チームは生産的でイノベーティブな意識を保ち続けることができ、まったく新しい仕事環境になっても、幸いなことに製品プランは順調に進んでいます。 

「提供しているアプリケーションやサービスの基盤部分に機械学習を積極的に取り入れ、エンド ユーザーに価値を提供しています」

Sayan Chakraborty テクノロジー部門、エグゼクティブ バイス プレジデント Workday

こういったイノベーションはお客様にとってはどのような意味を持ちますか?

Schlampp: 大局的には、お客様にできる限り優れたエクスペリエンスを提供するということに尽きます。これは、Dave Duffield と Aneel Bhusri が 15 年以上前に Workday を起業したときに端を発しているものです。彼らの考えていたことは、人財を中心に据えてエンタープライズ ソフトウェアを革新するということでした。それ以降、テクノロジーは明らかに進化していて、ユーザーもまた同様です。したがって、目下の最大の関心はユーザーと Workday とのインタラクションの仕方を改善する方法を探ることです。  

私は、お客様がこの困難な時期を乗り切るために、チームが新しいイノベーションを実現できていることにも大変満足しています。例をあげると、お客様とお話をしてニーズを注意深く聞き取ったことで、COVID-19 やダイバーシティに関してお客様が抱えるワークフォースの問題を解決するために、Workday 人財アナリティクスに必要な機能があることがわかりました。分析チームは継続的デリバリーの手法を活用しているため、その製品のリリースを早めることができ、当初予定していたよりも早い時期にこうした重要な機能をお客様に届けることができました。 

さらに、Workday ヘルプと Workday ジャーニーという、Workday ピープル エクスペリエンスを拡張する 2 つのソリューションの提供時期を前倒しして、高度にパーソナライズされたエクスペリエンスを社員に提供する能力も向上させました。たとえば、Workday ジャーニーが本稼働になった後、お客様の多くが、コロナ禍でリモートワークをする社員の支援と仕事への復帰を中心とした「COVID-19 ジャーニー」を作成しました。ある事例では、このジャーニーにアクセスしたユーザーの 95% が緊急時の連絡先情報の更新を行いました。このことで、危機の際に人々を支援するという観点から、緊急時の連絡先情報が極めて重要であるということが明らかになりました。

それだけではありません。この数か月の間に、お客様は Workday を利用して決算業務の 100% をリモートで実行し、100 万人以上の従業員の給与計算を行い、通常の週の 30 倍にもなるフォーキャストとシナリオが実施されました。また、テクノロジー チームやカスタマー エクスペリエンス チームと緊密に連携することで、100 を超えるカスタム ソリューションを迅速に開発することもできました。つまり、このようなときにこそ Workday が力を発揮するのです。 

Chakraborty: 機械学習には大いに注目しています。ハイプ カーブを経て、今は提供しているアプリケーションやサービスの基盤部分に機械学習を積極的に取り入れ、エンド ユーザーに価値を提供しています。機械学習を活用した製品や機能では、テクノロジーと人間による監督を組み合わせることで、ソフトウェアが提案する判断を補強および誘導します。 

機械学習の利点は計り知れず、またユーザーにとって非常にわかりやすいものですが、この他にも最適なカスタマー エクスペリエンスを提供するためのイノベーション領域があります。あまり目立ちませんが非常に重要なものです。それは先ほども説明した「隠れたイノベーション」であり、レジリエンス、拡張性、可用性、セキュリティといったものを実現します。たとえば、お客様の Workday テナントでの異常なアクティビティをインテリジェントに検知するように設計された機械学習ベースのアカウント保護テクノロジーなどがそれに当たります。お客様がシームレスにビジネスを遂行できるように、新しくより良い方法を探っていくことはこれまでも常に最重要事項でしたが、今日の世界で起こっていることを考えると、かつてないほどその重要性が増しています。

そのために、たとえば、私が「パーソナライズ アット スケール (大規模なパーソナライズ)」と呼んでいる取り組みに精力を傾けています。パーソナライズはユーザー エクスペリエンスの観点から語られることが多いですが、私たちはこのコンセプトをサービスの提供に対しても適用しています。Workday のお客様の状況はそれぞれ異なるので、各お客様のビジネスの現状と、それが時間の経過に従いどのように変化していくのかを理解するように努めています。お客様のビジネスに適したタイミングで通知を受け、各お客様のワークロードとその運用方法に基づいてリソースを調整しながら提供することができます。既存のプロセスの自動化を行い、これに人間による監督を組み合わせてハードウェアのキャパシティを監視および調整しています。その結果、お客様のニーズに迅速に応えることができます。お客様自身が気付くよりも前に応えることを目指しており、実際多くのケースでそれが実現しています。 

お客様にとって Workday は常に利用可能で信頼できるものである必要があり、テクノロジーの面でそれを可能にするプラットフォームを提供することに注力しています。 

お二人は将来にも目を向けていることと思いますが、常に変化するこの環境において、これからお二人のチームで注目する主なイノベーション領域を教えてください。

Chakraborty: テクノロジーの面では、ここまでお話してきた領域の多くで、さらなる高みを目指すことになります。今後も、隠れたイノベーションへの重点的な取り組みを続け、サービスの提供をより予測可能にして変動の激しいお客様のワークロードをサポートし、当社のすべての製品に機械学習機能を組み込んで行く予定です。 

また、Workday ExtendWorkday インテグレーション クラウドといった製品を通じて、お客様が Workday の機能を活用して Workday の外部でも機能強化を図ることができるようにします。さらにアーキテクチャ レベルでのイノベーションも継続し、大規模で盤石なセキュリティをシームレスにサポートし、お客様がシステムの運用ではなく、ビジネスのイノベーションに集中できるようにします。 

Schlampp: あと 1 つ付け加えたい大切なことがあります。コロナ禍においてお客様をサポートすることに加え、より多様性の高いワークフォースを構築することは、どのお客様にとっても当然ながら最優先事項であるということも私たちは認識しています。したがって、Workday を活用したお客様のビロンギングとダイバーシティへの取り組みを支援することも重要な領域になります。この領域については、今後数週間でさらに多くの情報を共有できるはずです。 

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