企業の生成 AI 革命をリードする Workday の取り組みとは
Workday の最高技術責任者 (CTO) である Jim Stratton が、生成 AI をめぐる最近の話題、Workday での活用方法、それが仕事の未来にとって何を意味するのかについて、自身の見解を語ります。
Workday の最高技術責任者 (CTO) である Jim Stratton が、生成 AI をめぐる最近の話題、Workday での活用方法、それが仕事の未来にとって何を意味するのかについて、自身の見解を語ります。
昨今の生成 AI ブームは、あらゆる規模の企業がその変革能力、あるいは少なくともそのマーケティング能力を活用しようと対応を急いでいることを物語っています。ブームは多くの場合一過性ですが、Workdayでは、生成 AI の原動力である大規模言語モデル (LLM) を何年も前から使用してきました。当社は以前より、こうしたテクノロジーの活用によりお客様に具体的な利益を提供できていました。また、一時のブームに留まらずさらなる投資を続け、有意義なビジネスの価値と働き方を再定義するツールを提供していきます。
私たちは現在、自然言語生成、文書理解、コンテンツ検索、要約、拡張など、さまざまな言語や画像関連のタスクに生成 AI を活用する機能を構築中です。これらの新機能により、お客様は、タスクとプロセスの合理化、効率性の向上、意思決定の改善を通じて、生産性の向上を実現することができます。これは遠い未来の話ではありません。実際に当社のお客様は、今後 6~12 か月以内にこれらの最先端機能を利用できるようになるでしょう。
それでは、Workday が企業の生成 AI 革命をどのようにリードしているか、詳しく見ていきましょう。
Workday の生成 AI へのアプローチは、いくつかの点で異彩を放っています。その理由として最も顕著なのが、自社が持つ唯一無二のデータセットです。生成 AI の有効性は、基礎となるデータの量と質にかかっていると、私たちは確信しています。生成 AI チャットボットが偏った、あるいは誤った回答を提供した多くの例からも明らかなように、LLM は供給されるデータの質に左右されます。
最近話題になっている基盤モデルは、可能な限り幅広いデータセットを使用して、幅広い問題を解くように意図的にトレーニングされています。その膨大なデータは、すべてが均質なわけではなく、出所が不確かなものもあります。その結果、不規則、不正確、安全でない動作、知的財産の侵害がよく起こることがわかっています。また、トレーニングデータの不備に対処するため導入された保護対策も、時間の経過とともにその威力が保てないことがわかっています。重要なユース ケースに対応するため、当社ではターゲットとなるドメイン固有のモデルと高品質のデータを何よりも重視し、お客様にとって信頼できるアウトプットを提供します。
当社の主な差別化要因の一つは、すべてのお客様が同じデータ モデルを含む同じバージョンの Workday を使用していることです。Workday では、6,000 万人以上のユーザーが毎年システムで約 4,500 億件のトランザクションを処理しており、その数は増え続けています。当社では、お客様の許可を得て、そのデータを生成 AI 機能のトレーニングに活用しています。質の高い膨大なデータセットにより、正確かつ有効で信頼性の高い結果を一貫して生成するモデルを構築することができます。
Workday の生成 AI へのアプローチは、いくつかの点で異彩を放っています。その理由として最も顕著なのが、自社が持つ唯一無二のデータセットです。
また、生成 AI の開発・展開についても、他の AI および ML テクノロジーと同様のプラットフォーム戦略に従っています。これにより、Workday 環境全体で一貫したエクスペリエンスを維持しながら、基盤モデルのような新しいテクノロジーを迅速かつ簡単に活用して新機能を構築することができます。また、新しいモデルを迅速に取り入れることで、急速に進化する AI 環境の最前線に立ち続けることができます。
当社の生成 AI へのアプローチのもう一つの特徴としては、ベンダーにとらわれないハイブリッド モデルを採用している点が挙げられます。当社は、独自のドメイン別 LLM を開発するだけでなく、主要なサードパーティ プロバイダ複数社との協力で、ブレンド モデルやアンサンブル モデルを開発しています。この方法により、最適なテクノロジーを活用しながら、パフォーマンスとコスト効率が高く、信頼性の高いソリューションをお客様に提供することができます。
また、プロンプト エンジニアリングと検索拡張世代 (RAG) を通じて、当社の高品質な構造化データを使用したサードパーティ モデルの改良もできます。私たちの目標は、Workday のコンテキストと事実情報を統合することで、真実に基づいたサードパーティ LLM を確立することです。これらのモデルを Workday データで拡張することで、主要な LLM の強みと検証済みデータの精度を兼ね備えた応答ができることを目指しています。これにより、お客様にとってより堅牢で信頼性の高いソリューションが実現します。
当社の生成 AI へのアプローチのもう一つの特徴としては、ベンダーにとらわれないハイブリッド モデルを採用している点が挙げられます。
AI テクノロジーの将来が有望であることは間違いありませんが、その利用にはリスクが伴うこともわかっています。当社にとって、データ セキュリティとプライバシーの基準を守ることは、最重要事項です。そのため、これらのテクノロジーと当社のプライバシー原則のすり合わせに力を入れています。当社は、Workday の責任ある AI ガバナンス プログラムを活用し、AI 倫理原則に従って信頼できる生成 AI ソリューションの開発を行なっています。生成 AI を活用したものを含め、新しい AI テクノロジーの開発はすべて、当社の責任ある AI リスク評価プロセスを経て、関連する一連の責任ある AI ガイドラインを遵守しています。これらのアプローチを採用することで、イノベーションがお客様にもたらすメリットを損なうことなく、責任ある AI イノベーションを推進することを目指しています。
AI によるビジネスプロセス自動化の機会は豊富にあるものの、当社では、AI が人間の仕事を奪うのではなく、人間の仕事を補うという考え方を重視しています。当社のアプローチは、人間と機械のコラボレーションを促進し、人間の専門知識を統合するように設計されています。当社は、AI の実践を通じて、人間の判断が最終的な意思決定要因として極めて重要な役割を保ち、最終的な責任と説明責任は人間が負うようにしています。
ビジネスのあらゆる側面において責任ある AI への注力に加え、当社ではさまざまなレベルのガバナンスにおいて AI に焦点を当てた政策議論を形成する上で主導的な役割を果たしています。米国内では、連邦、州、地方の政策協議に積極的に参加し、AI アプリケーションを管理する慎重かつ効果的な規制を提唱しています。当社は国境を越えて、欧州連合 (EU) をはじめとする世界各国政府と強力なパートナーシップを築き、世界中で AI の責任ある利用を促進する包括的な政策アプローチの策定に協力しています。
私たちは、AI テクノロジーが有効な形で規制されるべきであると確信しています。責任ある規則を課すことで、AI の進歩が倫理原則に導かれ、潜在的なリスクを適切に管理することができます。進化し続ける AI の展望を探りながら、当社はイノベーションと責任のバランスを取り、AI が社会全体に利益をもたらす未来が形作られるよう、全力を尽くしています。
現在、明確かつ直接的なメリットを提供できる一般的なビジネス ユース ケースを想定して、構築を進めています。
Workday のすべての AI イノベーションからもわかるように、当社の目標は、人間のパフォーマンスを増強しユーザーが情報に基づいた意思決定を迅速に行えるようにして、最も重要なタスクに時間とエネルギーを集中させることができるように支援することです。
企業向けにインパクトのある生成 AI を構築する私たちの歩みは、順調に進んでいます。現在、明確かつ直接的なメリットを提供できる一般的なビジネス ユース ケースを想定して、構築を進めています。来月には、キャリア開発のための成長計画、職務記述書のコンテンツ作成、オファー レターのコンテンツ作成、財務契約書の要約、異常検知などの新機能を発表します。もてはやされている割には実用性に乏しい、なんてことにならないよう、これらの新機能 (およびその他の機能) を通じて、当社はお客様のビジネスの効率性と費用対効果をさらに向上させていく所存です。
前述のとおり、9 月 26~29 日の日程でサンフランシスコの Moscone Convention Center で開催される Workday Rising で、これらの新しい生成 AI 機能とその他最新の AI 開発のプレビューを行います。皆様のご参加をお待ちしております!
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AI の開発者やそのテクノロジーを導入する企業は、AI が良いことのために活用されるように連携して取り組む必要があります。AI バリュー チェーンに関与するすべての人々が、AI の開発・使用について責任を持って進めるという使命を担っています。
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Workday は、規制の変化を予測し、お客様が世界中の多様なプライバシー法に準拠するようにサポートすることで、グローバル プライバシーの保護に取り組んでいます。専任のプライバシー チームを設置し、社員教育を継続的に行い、「プライバシーと AI の原則」を製品や実務に組み込むなど、Workday が取り組んでいるプロアクティブなアプローチについて、Workday の最高プライバシー責任者である Barbara Cosgrove が詳しく説明します。