より優れたエンプロイー エクスペリエンスを構築する

パンデミックと大離職の影響で、エンプロイー エクスペリエンスの向上はあらゆる企業にとってビジネス上の必須事項になりました。社員の進化するニーズに適切に応えられるようにするにはどうすればよいのでしょうか?データとテクノロジーを活用してエクスペリエンスをパーソナライズし、社員が重要な瞬間にサポートを感じられるようにするための方法も含め、Pete Schlampp が説明します。

2022 年という新しい年を迎えた今、Workday はどのように変化の絶えない状況に対応し続け、社員をより適切にサポートしていくかについて楽観的な見通しを立てています。Workday の最優先事項は常に社員であり、社員の満足度、生産性、意欲を高く維持することが当社にとって長年の目標となってきました。そして現在、パンデミックと大離職により、エンプロイー エクスペリエンスの向上は、ビジネスに不可欠なものとして重要さを増しています。社員が職場と自宅で強いプレッシャーに直面する中、企業はエンプロイー エクスペリエンスを適切に捉えているでしょうか?

今月の米国労働統計局 (BLS) のレポートによると、11 月に 450 万人の米国人が退職しています。この影響で雇用者数の伸びが戻ったため、状況がさらに複雑になっています。そのため、組織は今いる従業員を維持するだけでなく、必要とする社員を引き付けることにも重点を置く必要があります。 

これは重大な課題となる一方で、企業にとっては社員戦略を見直す機会にもなります。社員は自分の意見を聞いてもらうことと、よりシンプルでパーソナライズされたエクスペリエンスを求めています。また、学習や成長の機会も必要としています。企業は、社員の声に耳を傾けることから手掛かりを得て、社員のニーズへの対応にふさわしいプログラムを策定するのに役立つインサイトを見い出す必要があります。そして有意義なエンプロイー エクスペリエンスを促進するには、多くの場合、テクノロジーが必要になります。

Workday は、企業が社員の声に耳を傾けて、それに答えれば、ビジネスは成長すると考えています。

しかし、エンプロイー エクスペリエンスの本当の意味とは何でしょうか?大まかに言えば、これまでに経験したあらゆるやり取りや見聞きしたことに基づいて、社員が企業に抱く感情です。その中には、社員とマネージャや同僚とのつながり、社員が重要な場面で得られるサポート、社員に与えられる成長機会、社員が最高の能力を発揮するのに役立つツールとテクノロジーへのアクセスなども含まれるでしょう。

人財を中心に据える Workday のアプローチ

Workday のビジョンは、パーソナライズされたアプローチによって一人ひとりの進化するニーズを満たすエンプロイー エクスペリエンスを実現することです。テクノロジーを活用して各個人の明確なニーズ、好み、目標をより深く理解し、機械学習とデータドリブンなインサイトを取り入れることで、社員が成長し、生産性を高め、重要な場面でサポートを感じられるような方法でエクスペリエンスを最適化できます。

この個人に合わせるアプローチを未来の働き方への鍵として捉えているのは Workday だけではありません。Deloitte 社の「グローバル ヒューマン キャピタル トレンド 2021」の調査によると、68% のエグゼクティブが、ワークフォース戦略は将来的に個人のニーズに合わせてさらにカスタマイズされると回答しています。

Workday は創業当初から、エンプロイー エクスペリエンスを最優先事項にして、人を中心に据えたソフトウェアを開発してきました。社員は Workday の最も重要なコア バリューであり、成功の基盤です。Workday はこの分野で躍進を遂げましたが、変化し続ける状況に適応するため、お客様に提供するアプリケーションや社内で使用するアプリケーション、そして自社の社員戦略を引き続き進化させています。

ひとつ確かなことがあります。ここ 2 年の出来事によって、ポジティブなエンプロイー エクスペリエンスに必要なもの、企業と社員とのコミュニケーションや、やり取りの方法が劇的に変化したことです。

進化するエクスペリエンス

エンプロイー エクスペリエンスは数年前まで、社員の満足度と生産性が高まると企業が考えるものに基づいて構築されていました。たとえば、オープン コンセプトのオフィス、無料のランチと軽食プログラムなどの特典、レクリエーション エリアなどが挙げられます。

しかし、世界的なパンデミック、インテリジェントなテクノロジーの普及、ハイブリッド業務モデルにより、ワークフォースの期待は高まっています。この期待の高まりに応えるには、企業が社員の声を聞き、一人ひとりの要望とニーズに耳を傾け、テクノロジーを適用して社員の意欲と生産性の向上に役立ち、よりつながりの強いエクスペリエンスを作り出す、より有意義な双方向コミュニケーションへとシフトする必要があります。

これを実現するため、Workday では以下の 3 本の柱からなる戦略を推進しています。

  • 社員の声。Workday は、企業が社員の声に耳を傾けて、それに答えれば、ビジネスは成長すると考えています。昨年、Peakon 社がこの共通のビジョンで当社と一致していることに気づいた私たちは、社員にとって最も重要な問題に関する社員と企業との双方向の対話の改善に力を貸してもらうため、同社パートナーに迎え入れました。Workday (と多くのお客様) は、Workday Peakon Employee Voice 調査によってエンプロイー エクスペリエンス、心身の健康、帰属意識を把握できます。そのため、社員の懸念とフィードバックを考慮に入れ、社員の感情をより深く分析し、それに応じて有意義なアクションを実行することができます。

    たとえば当社では、英気を養い、心身の健康に注意するために休息が必要であるという社員の意見を受け、パンデミックのリモートワークの期間中に「Thank You Fridays」という全社規模の休日を導入しました。

    また最近、新製品の Workday スケジューリングと Labor Optimization を発表しました。これは、人財を効果的に配置するために必要なインサイトによってビジネスを支援しながら、社員のスケジューリングのニーズと好みを考慮して社員が望む働き方をサポートするための製品です。このようなイノベーションで、当社は社員一人ひとりの固有のニーズに耳を傾け、それをサポートすることで社員の声を把握しています。

  • 社員エンゲージメントとレベルアップ。意欲的な社員は、満足度と生産性の高い社員になる可能性が高くなります。Workday ヒューマン キャピタル マネジメント (HCM) のデータに高度な分析と機械学習を適用することで、Workday とお客様がエンゲージメントの向上に役立つ効果的な社員プログラムと目標を作り出すのに役立つインサイトを明らかにすることができます。

    Workday は Skills Cloud テクノロジーに多額の投資を行っていますが、これは Workday タレント マーケットプレース製品の一部で、スキル ギャップを特定し、社員の役割、好み、興味のあるキャリアに基づいて社員を適切な機会と学習提案に紐付けることで、適切な能力開発の提案を提供するものです。スキルは、機動力を維持し、ビジネス戦略を遂行するのに役立つだけではありません。社員の意欲を高め、最高の人財を維持できるように社員の成長とレベルアップを促進することも可能にします。

  • ユーザー エクスペリエンスとエクスペリエンスのデザイン。毎日仕事をこなすために利用しているツールとテクノロジーは、企業が私たちにどういった投資をしているか、あるいはしていないかを物語ります。それこそがアプリケーション デザイン (UX) がエクスペリエンス全体の不可欠な要素である理由であり、当社が初めて最高デザイン責任者 (CDO) として Jeff Gelfuso を採用したのはそのためです。当社は、すべての Workday ユーザーにとって素晴らしいデジタル エクスペリエンスを作り出すことにかつてないほど力を注いでおり、休暇や経費レポートなどの主要な Workday タスクのディスカバリとユーザビリティを高めることにフォーカスしています。

    また、最適なデザインが社員の生産性を維持するものと考えており、社員がどこで働いているかに関係なく、その場所にいる社員の声に答えたいと考えています。当社が最近発表した Workday Everywhere は良い例となるでしょう。Workday をその他のデジタル環境 (Slack や Microsoft Teams など) に組み込み、すべての人にとって仕事をよりシンプルで、よりつながりの強いものにすることで当社の考えを実現します。

統合データでエクスペリエンスを促進し、迅速な対応を実現

効果的なエンプロイー エクスペリエンスを実現するためには、ポータルや、さまざまなテクノロジーを寄せ集めて接続/統合して使いやすそうに見せかけただけのユーザー エクスペリエンス レイヤーだけでは不十分です。パーソナライゼーションを実現するには強力なデータ基盤が必要です。すべての社員データを 1 か所に安全に保管し、そこで他のサードパーティ データと組み合わせて分析できるようにすることで、問題を特定し、対象者が問題を改善できるようにする戦略を迅速に作成して実行できるようになります。

毎日仕事をこなすために利用しているツールとテクノロジーは、企業が私たちにどういった投資をしているか、あるいはしていないかを物語ります。

たとえば、Workday ジャーニー では、機械学習を活用してデータと特定の社員に対する提案を対応付け、インサイトをアクションに変えることができます。これにより、適切なエクスペリエンスをふさわしい対象に正しいタイミングで提供できるようになります。このアプローチでは、エンプロイー エクスペリエンスをあらゆる角度から観察し、その社員の全体像を考慮して社員のエクスペリエンスを形作ります。5,500 万人以上の従業員を擁する Workday のお客様のコミュニティ内でさえも、まったく同じエクスペリエンスは 2 つとないと断言できます。 

たとえば、ある一般社員が新たにピープル マネージャの職務に就き、多様なグローバル チームをリモートから管理する準備をしながら、自宅で高齢の家族のケアもしているという状況を考えてみましょう。このような微妙な状況をどのように取り扱うかが平均的なエクスペリエンスと優れたエクスペリエンスの分かれ目になります。カスタマイズされたエクスペリエンスへの投資が重要なのはそのためです。 

私たちは今、ビジネスを作り直す 1 世代に 1 度の機会に直面しています。今の混乱はすべて、働き方と導き方のあり方においてポジティブな変化をもたらしています。社員とつながり、社員からヒントを得るのにこれほど重要な時期はこれまでありませんでした。私は、共感を通じて指導し、社員の声に耳を傾け、適切なテクノロジーの力を借りて学習と成長の機会を提供することは、社員をサポートし、社員の意欲を保ち、ビジネスをより良いものにするための正しい方法であると確信しています。

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