断片化された人事環境をグローバルに統一・統合する方法とは
複雑さはデジタル トランスフォーメーションを阻害します。Siemens Healthineers 社で機能サービス IT 担当シニア バイス プレジデントを務める Stefan Bayer 氏は、Workday Rising EMEA で自身の経験を共有し、68,000 人の社員を擁する同社が、断片化された IT インフラを Workday によっていかに標準化・強化しているかを説明しました。
複雑さはデジタル トランスフォーメーションを阻害します。Siemens Healthineers 社で機能サービス IT 担当シニア バイス プレジデントを務める Stefan Bayer 氏は、Workday Rising EMEA で自身の経験を共有し、68,000 人の社員を擁する同社が、断片化された IT インフラを Workday によっていかに標準化・強化しているかを説明しました。
断片化された人事環境をグローバルに統一・統合する方法とは
高解像度のデジタル画像、精密な手術を可能にするロボットなど、最近の医療の飛躍的進歩は世界中に存在する患者の生活の質を確実に改善します。Siemens Healthineers 社はこのような医療の進歩を牽引する企業の 1 つです。
この革新的な製造会社は、人々のさらなる健康と長寿を目指し、医療テクノロジーを生み出しています。同社は最近、世界初となるフォトンカウンティング コンピュータ断層撮影 (CT) スキャナーを発表しました。このスキャナーにより、医師はより詳細な映像に基づいて診断を行えるようになるだけでなく、スキャン対象となる患者の範囲を拡大できます。しかしこの画期的な発明は、Siemens Healthineers 社が最近達成した快挙の 1 つに過ぎません。現在、売上の 35% は過去 3 年間に導入したイノベーションから創出されています。
しかし同社は、アクセスが容易で直感的に使用できるテクノロジーでなければ役に立たないことを理解しています。Siemens Healthineers 社は、68,000 人の社員が世界中の医療専門家にイノベーションを提供できるようにするため、ワークフローの簡素化と効率性の向上、特に人事部門のプロセスの効率化に注力しています。その理由は明らかです。時間に余裕ができれば、社員はより多くの時間を主要なタスクに投入し、イノベーションを促進させることができます。
もちろん複雑なグローバル人事プロセスや IT 環境では、このような環境を実現することは容易なことではありません。Siemens Healthineers 社には 500 を超える人事関連システムが存在し、相互に連携させる必要があります。ただしすべてのシステムを常に連携できるわけではありません。「そのため、世界各国の人事 IT 環境は極めて断片化されています」と、機能サービス IT 担当シニア バイス プレジデントを務める Stefan Bayer 氏は Workday Rising EMEA で述べています。
コストがかかり柔軟性に欠ける構造をシンプルにするため、Siemens Healthineers 社は Workday をコア コンポーネントに据えて、人事 IT システムを刷新しています。適切なパートナーの選択は、取り組みの始まりに過ぎません。続いて、人事と IT の専門家で構成されたチームは、グローバル展開をどのように進め、どこから始めるべきかを正確に定義する必要があります。
アクセスが容易で直感的に使用できるテクノロジーでなければ、役に立ちません。
要点
かつて Siemens Healthineers 社は、エンジニアリング・製造の大手グローバル企業である Siemens AG 社の医療テクノロジー部門を構成していました。しかし 2018 年に IPO に成功した後、同社は正式に独立し、現在は DAX 上場企業となっています。Siemens Healthineers 社はがん医療を専門とする米国の Varian 社を買収し、2021 年には 10,000 人の雇用を予定しています。
この買収により、各チームのコミュニケーション、コラボレーション、業務の効率化を可能にする統合人事システムの必要性が明らかになりました。Bayer 氏は次のように述べています。「当然ながら企業には独自の人事 IT 環境が存在します。私たちはこれを機会と捉え、Workday を使用して 2 つの世界を統合し、新たな取り組みを始めることができると考えています」
IT エコシステムの中心に Workday を据え、このコアを軸にして多数のユース ケースを創出します。システムを効率化するため、チームは複雑さを低減することから始める必要があります。「ここでは慎重なアプローチが必要になります」と、Bayer 氏は述べています。人事部門と IT 部門は現在、連携してアプリケーション環境を分析し、どのアプリケーションが戦略的目的に寄与し、どのアプリケーションを削除すべきかを特定しています。
直感的な消費者アプリケーションの需要が上昇し続ける中、ユーザビリティに対する期待を満たすことは、人事部門と IT 部門の最優先事項です。人事部門は常に最新のツールを導入し、社員の不満を回避する必要があると Bayer 氏は述べています。「私たちは私生活でアプリケーションやサービスを便利な方法で利用することに慣れています。仕事でも同様のユーザビリティが求められます」
時間に余裕ができれば、社員はより多くの時間を顧客への対応に投入できます。
一方、簡素化の実現は容易なことではありません。Siemens Healthineers 社は当初、IT エコシステムと必須コンポーネントを連携させるため、Siemens AG 社との間に確立された古い接続環境に対処する必要がありました。2018 年に両社は別会社となりましたが、IT の接続環境はほとんどそのままになっていました。
Bayer 氏と彼のチームは、古い接続環境を一度に切断する「ビッグ バン」プロセスや IT の移行を検討しましたが、システムが複雑なため、リスクが大き過ぎると判断しました。そのため同社は段階的アプローチを取ることに決めました。第 1段階では 25,000 人の社員が存在する北米を対象に導入を行います。第 2 段階ではいくつかの中小規模の国を対象に導入を行い、第 3 段階ではドイツを対象にして導入を行います。
Bayer 氏は次のように述べています。「このような方法で最も複雑な二大市場を Workday に移行します。2025 年までにはグローバル テンプレートを確立し、このテンプレートを他の国に適用することで、以降の展開を加速させたいと考えています」
同社は地域や国で定められているアプローチに準拠していますが、世界各国に適用するプロセスを定義しています。チームは現在もプロセスを定義中ですが、国で定められている規制や市場状況に対応する場合を除き、例外は失くしたいと考えています。Bayer 氏は次のように述べています。「正当な理由に基づく要求には対処しなければならないことは明白です。しかしこれらの周辺システムをすべて維持する必要はありません」
Bayer 氏はグローバル テンプレートの作成がチームの最優先事項だと述べています。しかし 500 ある人事システムを一晩で 1 つに集約することはできません。彼は初日から Siemens Healthineers 社が 3 桁に上る数のシステムを運用し、その多くが Workday コアに接続されるようになると期待しています。また、将来的には IT エコシステムのさらなる効率化を目指して取り組みが進められると考えています。彼は次のように述べています。「この道のりが続く可能性は常にあります。
チェンジ マネジメントを過小評価することはできません。これは組織全体に大きな変革をもたらします」
Stefan Bayer 氏
機能サービス IT 担当シニア バイス プレジデント
Siemens Healthineers 社
変化を求める根拠
Siemens Healthineers 社には、従来の環境を単純に一新することが最善策だと考える人もいましたが、Bayer 氏はそのようなアプローチは成功しないと確信しました。「人と共に歩まなければなりません」
一方、目的地に到達するためには、何から着手すればよいか理解する必要があります。国ごとに各人事 IT の状況を把握するため、IT チームはシステム分析をグローバルに実施しました。その結果、プロセスがどのように自動化されているのか、どの地域の問題が重大であるかを全員が理解しました。この試みは重要な成功要因であり、現地点から新たな目的地へと移行するための道筋を設計する際に役立ちます。
Bayer 氏は次のように述べています。「チェンジ マネジメントを過小評価することはできません。これは組織全体に大きな変革をもたらします」
また、Bayer 氏は Workday とのパートナーシップが同社の成功に不可欠であると考えています。多くの企業は独力でプラットフォームを導入し、その後、プラットフォームに問題がないかどうかをプラットフォーム プロバイダとともに確認します。一方、Siemens Healthineers 社のチームは、すべての行程を Workday と連携して進めていくことにしています。そうすることで、プロジェクトを最適化するあらゆる機会を活用し、後から問題が発生することを回避できます。
Bayer 氏は今後も多くの人の知恵を活用していこうと考えています。多くの企業が Workday の導入に成功しているため、自身の豊富な経験を積極的に共有するリーダーは少なくありません。彼は次のように述べています。「Workday とパートナーシップを結ぶと、コミュニティへの参加が可能になります。コミュニティを活用することを強くお勧めします」
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