職場を成功に導くコミュニケーション戦略
リーダーが、情報を状況に即して個別に伝えられるようにすることで、人事部門はリーダーシップ チームと社員におけるギャップを解消し、受け身になりがちな戦術を測定可能なビジネス戦略に変えることができます。
リーダーが、情報を状況に即して個別に伝えられるようにすることで、人事部門はリーダーシップ チームと社員におけるギャップを解消し、受け身になりがちな戦術を測定可能なビジネス戦略に変えることができます。
このブログでは以下についてご紹介します。
コミュニケーション戦略はビジネス全体に影響を与えます。以下ではその調査結果を紹介します。
Axios 社の最新調査によると、社員の 72% が、企業の目標に対する理解度と業務に対する意欲レベルには、直接的な相互関係があると回答しています。これは、企業の目標と、それを十分に周知することとの関係性が、軽視されていることを示しています。
人々がかつてないほど多くの情報を日常的に活用する情報社会において、人事部門は、ワークフォースの関心をめぐり、ニュースやソーシャル メディアから個人の義務に至るまで、多くの外部要因と対峙しています。こうした外部要因は、多くの社内コミュニケーション チームよりも豊富な資金と洗練された戦略を持ち合わせている傾向にあります。
不要な情報を排除して、どのように必要な情報を伝えるかが重要です。組織の成功は社員にかかっています。社員が、自身に求められていることや、自身の業務がどのように組織全体の目標の達成に貢献できるのかを理解できていないと、生産性の大きな低下と、それに伴う機会損失が生じてしまいます。
ここでは、人事部門がコミュニケーション上の課題に、内部からどのようにアプローチできるかについて説明します。
社内コミュニケーションに関しては、リーダーと社員の意見が一致していません。「組織のリーダーが社員に送るコミュニケーション内容は…」という質問に対する回答を見れば、その違いが明確にわかります。
このデータを見ると、2 つのことが同時に当てはまる可能性があることがわかります。リーダーは効果的なコミュニケーションに難しさを感じながらも最善を尽くしている一方で、社員もまた完全に途方に暮れていると感じている可能性があります。幸いなことに、役立つ戦略があります。
これは単に通知を送るだけではありません。企業の目標と、それを達成することに対する社員の感情との間には、根本的なつながりがあります。
現代のコミュニケーション方法は、過去と比べて確かに効果的になっていますが、根本的な問題は、情報量の多さと個別対応の欠如にあることが少なくありません。
一般的に私たちは 1 日に映画 16 本分に相当する情報を消費しています。情報があふれすぎている現代では、重要な情報とそうでない情報を選別するよりも、すべてを遮断する方が簡単です。
さらに、社員の好みや志向は人によって異なります。主なコミュニケーション チャネルとしてメールや Slack を好む社員もいれば、対面でのミーティングを好む社員や、バーチャルでのタウンホール ミーティングを好む社員もいます。週次のコミュニケーションを負担に感じる社員もいれば、頻度をさらに増やしたいと考える社員もいます。
しかし心配する必要はありません。この課題の解決策は、社内のすべてのチームに、コミュニケーションを担う社員を配置することではありません。実際、それよりも簡単です。
社内コミュニケーションやチーム全体での情報の伝達に関しては、すべての社員が満足できる方法を探すことが解決策ではありません。むしろ重要なのは、リーダーが社員に関連性のある情報を個別に伝えられるようにすることであり、その情報が社員自身や役割にどのように影響するのかを理解できるよう支援することです。
ここで人事部門の役割が重要になります。当社は、リーダーが単にメールを転送するだけでなく、役立つ形で情報を伝達するためのツールとサポートを提供しています。コミュニケーションを適切に調整することで、組織内の情報が正しく理解され、誤解が減り、情報が適切に伝わるとともに、必要な行動につなげることが可能になります。
コミュニケーション プロセスにおけるこのステップは、部門間の足並みをそろえるために欠かせない、一連のプロセスの最初のステップと考えることができます。
リーダーが組織内のコミュニケーションを効果的に実行できなければ、チームも実行することはできません。
では、例を見てみましょう。リーダーシップ チームは、新たな持続可能性のイニシアチブに関する通知を社内全体に送信します。 イベント チームのリーダーは、チームにこのイニシアチブをメールで通知し、週次ミーティングでこのイニシアチブが、チームのプロジェクトにどのように関係するかについて説明します。こうして、チームの一員が、持続可能性の目標を共有するグリーン イベント センターの活用など、今後のイベントに関する期待事項をまとめた指針文書の作成を自主的に申し出ます。現在では、そのチームの一員は、チーム、ビジネス、そして環境に貢献しています。
社員は、個人の貢献を理解すると、業務への意欲や関心が高まり、より最善を尽くそうという気持ちを持つようになります。これこそが、人間中心のアプローチであり、真のビジネスの推進力となります。
大量の社内コミュニケーションが発生すると、メールの「転送」や「送信」ボタンを押すだけで済ませたくもなります。数秒は節約できるかもしれません。しかし、文脈を補足し、コミュニケーションを適切に調整することで、成果により大きな影響をもたらし、情報伝達の不備による混乱を防ぐことができます。
以下は、今後回避できる主な課題の一部です。
コミュニケーションを調整するには時間と考慮が必要ですが、不十分なコミュニケーションにも時間と労力はかかります。これには大きな違いがあります。それは、効果的な戦略に積極的に時間を費やすか、それとも質の低い戦略による混乱を解消することに、受動的に時間を費やすかということです。
リーダーの 85% は、どのような課題に直面していても、チーム全体が組織の目標を理解していれば、パフォーマンスに直接影響を与えることができると回答しています。リーダーは、戦略的なアプローチに関するビジネス ケースを理解しています。しかし、成功している組織と遅れをとっている組織を大きく決定づけるのは、組織全体から得られる支持とプログラムへの資金投入です。
効果的な戦略に積極的に時間を費やすか、それとも質の低い戦略による混乱を解消することに、受動的に時間を費やすかということです。
リーダーが効果的なコミュニケーションを優先し、組織に取り入れると、その戦術は測定可能になります。戦術が測定可能になると、それは戦略に変わります。コミュニケーションへの投資を増やすことは、ワークフォースの成長への投資となります。これにより、実感できるメリットの好循環が生まれ、何よりも確かな ROI をもたらします。
ビジネスの世界では、影響力を高めることがこれまで以上に重要になっています。市場の競争は激化しており、優秀な人財を確保することが困難になる一方で、予算は削減されています。リーダーには、すべての支出に対して、これまで以上に明確な目的と判断が求められています。
イニシアチブの優先順位を決定する際に、社内コミュニケーションのイニシアチブへの投資を増やすことで、これらすべての課題に対処できるだけでなく、さらなる効果も期待できます。これは、以下に示す Axios 社の調査データにより、明らかにされています。
競争の激しい今日のビジネス環境では、効果的な社内コミュニケーションへの取り組みは、短期的ではなく、長期的なプロセスを要することを忘れてはなりません。それは、リーダーに権限を委譲するためのひとつの戦略的なステップから始まります。それがチームを動かし、最終的に成果をもたらします。
単に情報を大量に発信するのではなく、理解と連携の企業文化に投資することが重要です。人事担当者には、これからの働き方に向け変革を担う能力があります。
人間中心のアプローチを推進し、リーダーと社員を支援するためのイニシアチブを優先することで、分断されたワークフォースを、高い成果をもたらす統合型のワークフォースに変革することができます。
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