N26 社がグローバルな銀行業界全体でデジタル ディスラプションを実現した方法
ドイツのネオバンクである N26 社は、銀行市場に創造的破壊をもたらし、次世代の金融サービス企業への新たな道を切り拓いています。
ドイツのネオバンクである N26 社は、銀行市場に創造的破壊をもたらし、次世代の金融サービス企業への新たな道を切り拓いています。
デジタル テクノロジーの進歩、スマートフォンの普及、パーソナライズされたカスタマー エクスペリエンスへのニーズにより、オンライン バンクの人気が高まっています。実際、Grand View Research 社のレポートによると、ネオバンキングのグローバル市場の規模が 2030 年までに 20 億ドルを超えると予想されています。
2013 年に設立されたデジタル専用銀行である N26 社は、グローバルな銀行業界における創造的破壊の推進を牽引しています。N26 社は、フォーブス社の「世界最高の銀行 2021」で「世界で最も成功を収めている銀行」に選出されました。
Workday では、N26 社の財務および資本プランニング担当ディレクターである Arno Schleussner 氏、そして同社のグローバル調達管理責任者である Hamish Knight 氏に、企業戦略、デジタル バンキングの普及を促進するトレンド、同社の将来の展望について伺いました。
パンデミックのピーク時であった 2020 年に Workday ファイナンシャル マネジメント (財務管理) を導入したことは、N26 社にとって困難であったとはいえ、革新の実現となる決断でした。
欧州のデジタル化への移行に関する McKinsey 社のレポートによると、欧州地域の銀行業界では、パンデミック当初からデジタル ユーザーの数が 23% 急増しています。一方 N26 社の設立の背景には、新型コロナウイルス感染症の流行前からバンキング エクスペリエンスを再構築し、顧客の使用体験をより簡単かつ透明性の高いものにするという明確な使命がありました。
「当行は、お客様に満足していただける独自のデジタル エクスペリエンスを構築することで、市場のギャップを解消しています」と Knight 氏は述べています。
N26 社では、コストがかかる物理的な支店網の負担を解消したうえで 100% モバイルなバンキング エクスペリエンスを提供することで、欧州全体で市場シェアを迅速に獲得することができました。ただし、実際に創造的破壊を推進し、アジリティを実現できたのは、同社のテクノロジー インフラストラクチャおよびクラウド コンピューティングの採用があってのことです。
「レガシーの IT システムに過剰に依存しているこの業界において、クラウドベースの銀行を構築することにより、当行は大きな競争上の優位性を得ることができました。当行は銀行でありながら、製品主導のテクノロジー企業であると思っています。アジリティは当行の製品開発の最も重要な要素であるだけでなく、企業のあらゆる部門で重視されています」と Schleussner 氏は述べています。
Schleussner 氏は、N26 社が顧客ベースだけでなく社員ベースを 3 倍に拡大した 2019 年の急成長が、社内プロセスの変革を支援するテクノロジー パートナーの選定にどのように影響したかについて、以下のように説明しています。
「当行の社内プロセスには、ユーザーが当行のアプリケーションから得られるスムーズなデジタル バンキング エクスペリエンスが反映されていないという状況に直面していました。成長に応じて柔軟に拡張できるプラットフォームの導入は、当行にとって絶対に不可欠でした」
「レガシーの IT システムに過剰に依存しているこの業界において、クラウドベースの銀行を構築することにより、当行は大きな競争上の優位性を得ることができました」
Arno Schleussner 氏
財務および資本プランニング担当ディレクター
N26 社
パンデミックにより、ほとんどの企業の底力が試されることになりました。危機の渦中であった 2020 年に Workday ファイナンシャル マネジメント (財務管理) を導入したことは、N26 社にとって困難であったとはいえ、革新の実現となる決断でした。
「この導入に関してもっとも誇りに感じている点は、未曾有の状況の最中にプロジェクトを完全にリモート化できたと同時に、チーム全体のエンゲージメントを確保し、すぐに使用できる高品質の製品を予定どおりに提供できたことです」と Schleussner 氏は述べています。
N26 社が Workday 導入プロセスに着手する以前は、社員は業務を完了するために複数のプラットフォームを駆使しなくてはならず、財務データを簡単に確認したり、リアルタイムのレポートにアクセスしたりすることはできませんでした。財務データと人事データをひとつのシステムに統合することで、このような課題が解消され、データへのアクセス性が向上し、より適切かつ迅速な意思決定が可能になりました。
「当行の財務チームや会計チームなどのバックオフィスでは、障害の発生が多いシステムを使用していました。Workday を導入することにより、財務データへのリアルタイム アクセスや支出に関する可視性が実現し、システムを使用するユーザーに透明性をもたらすことができました」と Schleussner 氏は説明しています。
すべてのデータを単一のプラットフォームに集約することにより、スプレッドシートの使用などの手間のかかるプロセスを削減するだけでなく、社員の生産性とエンゲージメントを向上させた方法について、Knight 氏は次のように述べています。「すべてのデータをひとつの場所で処理できるようになり、チーム間の優れたコラボレーションが実現しています」
「N26 社の使命は顧客満足の実現です。安定性に優れた Workday を利用することで、当行は本当に重要な業務に注力することができ、世界最高レベルのデジタル バンキング エクスペリエンスを提供できます」
Hamish Knight 氏
グローバル ソーシング ディレクター
N26 社
金融サービス業界において、イノベーションは継続的なものです。また、N26 社にとっては、競争上の優位性を推進し続けるテクノロジーへの投資が鍵となります。
「当行は継続的な改善に取り組んでおり、常に財務イノベーションへの投資を行っています」と Schleussner 氏は述べています。
将来的な成長を支えるため、N26 社では近いうちに Workday Adaptive Planning を導入し、プランニング インフラストラクチャのコラボレーションの向上および全社プランニングの実現に向けて投資を行う予定です。この導入により、単一のプラットフォームで財務管理、人財管理、プランニングを行えるようになります。
「N26 社の使命は顧客満足の実現です。安定性に優れた Workday を利用することで、当行は本当に重要な業務に注力することができ、世界最高レベルのデジタル バンキング エクスペリエンスを提供できます」と Knight 氏は述べています。
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