社員の定着の秘訣は社員エンゲージメント
「社員の定着」と「社員エンゲージメント」という言葉は「社員」が共通していますが、それ以上の共通点があります。この記事では、社員の定着が企業の最優先事項である理由、また適切なエンゲージメント戦略がいかに大きな変化をもたらすかについて説明します。
「社員の定着」と「社員エンゲージメント」という言葉は「社員」が共通していますが、それ以上の共通点があります。この記事では、社員の定着が企業の最優先事項である理由、また適切なエンゲージメント戦略がいかに大きな変化をもたらすかについて説明します。
人生において唯一不変なものは変化であり、それは仕事の世界でも同様です。2021 年には、推定で 4,740 万人の米国の社員が離職し、パンデミック前の 2019 年における 4,210 万人から顕著に増加しています。この傾向は世界各国で見られます。たとえば英国では、2021 年後半に求人数が過去最高を記録しています。
それだけでなく、これらの統計からは、社員が頻繁に別の企業に移っっていることや、キャリアを変更していることがわかります。さまざまな企業で常に浮き沈みが見られ、完全に消滅する産業がある中で新しい市場や業界が功を奏しているケースもあります。これらの変化の推進力となっている社員は、仕事でも私生活でも絶えず変化しています。そのため、企業には骨太の社員定着戦略が欠かせません。
パンデミックをきっかけに、多くの人々が自身のキャリアに何を求めるかを深く考えるようになりました。これが、「大離職」と呼ばれる大量の人財流出の引き金になっています。 企業は今こそこの現状を踏まえ、人財管理と人財の定着に対するアプローチを見直す必要があります。社員の定着と成長を促す職場環境の鍵となるのは、社員エンゲージメントです。
社員の離職リスクが高まっている場合、企業に対するエンゲージメントは決まって低下します。Workday の社員エンゲージメント プラットフォームである Workday Peakon Employee Voice のデータによると、社員エンゲージメントの指標には、社員が実際に離職する 9 か月前にその兆候が表れる傾向にあります。社員エンゲージメントを測定することで、社員の離職率を高める要因を監視できるだけでなく、社員が自分にとって重要な問題に介入する機会を与えることができます。これにより、社員が安心して発言し、アクションを起こせる文化を構築できます。
この記事では、社員の定着、社員の満足度、エンプロイー エクスペリエンスなどの基本的な概念を紹介します。さらに、社員の定着を重視することのメリットや、職場で社員をサポートするために企業が実行できるアクションについても説明します。
「社員の定着 (人財の定着)」は包括的な言葉です。基本的には、社員の離職率を下げるために企業が実施するあらゆる取り組みを指します。「社員の定着」という言葉は通常、自己都合で離職する社員を前提として使用されますが、人員整理または解雇などの企業の都合による離職についても考慮することが重要です。
Workday Peakon Employee Voice のデータによると、社員エンゲージメントの指標には、社員が実際に離職する 9 か月前にその兆候が表れる傾向にあります。
社員の定着といえば、業務に必要なツールだけでなく、有利な報酬や福利厚生を社員に提供することが一般的でした。また、経営理論の進化とともに、社員の離職率を高める要因も明らかになってきました。オンボーディングの質、見込まれる労働時間、チームのダイバーシティなど、各社員のエンプロイー エクスペリエンスを包括的に考慮することで、職場におけるあらゆるエンプロイー エクスペリエンスが定着率を左右することがわかってきます。
「社員エンゲージメントとは?」という質問に答えることは簡単ではありません。この質問に答えるには、いくつかの関連用語を理解することが重要です。
社員への価値提案: 雇用主と社員間の慣例的な契約のことです。社員の給与から実際の業務まで、両者間のすべてのやり取りが含まれます。
エンプロイー エクスペリエンス: オンボーディングから退職まで、各社員が辿るあらゆるエンプロイー ジャーニーのことです。社員のチーム リーダーとの関係、勤務時間の柔軟性、リサイクルに関する企業のポリシーなど、あらゆるタッチポイントが含まれます。
社員エンゲージメント: エンプロイー エクスペリエンスがエンプロイー ジャーニーを指すのに対して、社員エンゲージメントはこのジャーニーの質を評価するものです。意欲的な社員は、自身の業務、同僚との積極的なコミュニケーション、継続的なレベルアップに取り組みます。これらを義務と感じることなく、期待をはるかに超える成果を上げる傾向にあります。
社員の満足度: エンゲージメントと同じ意味で使われることが多いですが、社員の満足度は社員エンゲージメントの感情的要素と捉えるとよいでしょう。社員が自身の働き方に満足している場合、エンゲージメント スコアは高くなる傾向にあります。しかしこれは、幸福度やビロンギングなどの他の推進要因と同様に、エンゲージメントを推進する要因の 1 つに過ぎません。
Future Forum Pulse によると、世界のナレッジ ワーカーの 57% が今後 1 年間に新しい仕事を探すことに前向きであることがわかっています。
社員エンゲージメントは、社員の離職率を予測する最も強力な手段の 1 つです。社員を定着させるためには、職場のエクスペリエンス全体を改善し、人財をより長く定着させる必要があります。社員エンゲージメントには各社員のワーク ライフの質が反映されるため、企業の社員定着戦略はエンゲージメント全体に直接的かつ測定可能な影響を及ぼします。
社員の定着と社員エンゲージメントを関連付けると、社員定着戦略が社員の離職に与える影響を測定できる以上の効果が生まれます。エンゲージメントは、オフィスの場所から賃金や福利厚生の処理に関するやり取りの透明性に至るまで、社員のワーク ライフのほぼすべてに影響します。エンゲージメントを正確かつ定期的に測定することで、企業は定着率に影響する問題を確実に監視できます。これにより、社員にとって最も重要な問題を考慮したうえで、社員定着計画を作成できます。
社員エンゲージメントと社員の定着の関連付けは、測定方法に応じてさらに強化できます。これまでは、社員の離職率を理解する方法として退職者面接が最も一般的でした。これは、退職者に退職理由や企業全体に対する意見を求めるものです。同様に、社員エンゲージメントも通常は調査システムを通じて測定されますが、このような質問をより定期的に実施できます。後者のアプローチが企業にもたらす主なメリットは、各社員が離職する前に情報を入手できるため、企業が先を見越してアクションを起こす機会を得られるという点です。
企業のいくつかの優先事項とは異なり、社員を定着させることの価値は、貴重な人財を確保するという目下の明確な企業ニーズを満たすことにあります。新たな社員の雇用にかかる費用は社員の年収の 50% から 250% にも上り、採用、オンボーディング、トレーニングには時間がかかります。今すぐアクションを起こし、魅力的で多様性に優れた職場環境を構築し、仕事の満足度を総合的に高めることが重要です。
離職する社員の数、離職時期、離脱する部門を把握できなければ、社員が離職する理由を特定することは非常に難しくなります。
以降のセクションでは、社員の定着率を改善する方法について詳しく説明します。ここでも、社員の離職率の増加と定着率の低下が企業にもたらすプラスの影響とマイナスの影響を確認することが最も重要です。前述のように、定着率の高さは企業の成功には欠かせないという認識が一般的です。この他にも、適切なデータを準備することで、新しい社員定着戦略や試験的に導入する社員エンゲージメント ソリューションについて、ステークホルダーの支持を得やすくなります。
一部の企業が大離職の傾向は収束しつつあると見ている一方で、あらゆる兆候はその逆を示しています。Future Forum Pulse (米国、オーストラリア、フランス、ドイツ、日本、英国のナレッジ ワーカー 1 万 569 人を対象とした調査) によると、世界のナレッジ ワーカーの 57% が今後 1 年間に新しい仕事を探すことに前向きであることがわかっています。これを踏まえて、人財の定着が企業にもたらす以下の 4 つのメリットについて考えてみましょう。
LinkedIn 社のグローバル人財動向に関するレポート (2022 年) によると、社員が新しい仕事を探すきっかけとなる要因の上位 3 つは、ワーク ライフ バランス、報酬と福利厚生、企業文化です。しかし、このような統計から社員が求めるものは見えてきません。社員の定着率を高めるには、社員にとって最も意義のあることについてオープンな話し合いをする必要があります。
長期的に考えた場合、社員が現在の役割から離れる日が必ず来ることを認識することが重要です。社員が現在のポジションでいかに能力を発揮していても、マネージャが十分なサポートやガイダンスを提供していても、社員が常に別の道を歩んでいくのは自然なことです。このような変化をもたらす要因は、昇進、有利な条件での転職、キャリアパスの完全な移行など、いくらでもあります。定着率が最も高い企業では、離職の理由を事前に特定し、その都度ニーズに合った能力開発の機会を社内で提供しています。
Buffer 社が 2021 年に行ったリモートワークに関する調査によると、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) をきっかけにリモートワークを開始した人の 96% が、今後も (少なくとも一部の時間は) リモートで働くことを希望しています。
社員が現在の役割から離れるきっかけとしては、社内トレーニング プログラムに伴う部門間でのポジション変更や、現在のチームのシニア ポジションの補充 (または定年退職、長期有給休暇など) であることが理想的です。そのため、社員が自身の能力開発のニーズについて話し合える場を設けることが重要なのです。Workday Peakon Employee Voice のような社員エンゲージメント プラットフォームのメリットは、社員が意識調査を通じて自身の考えを定期的に共有できる点にあります。これにより、社員は懸念事項や建設的なフィードバックを確実に伝えることができます。フィードバックの内容は秘匿されるため、社員の声を重視した信頼性の高い職場環境をさらに推進できます。
以降のセクションでは、社員がワーク ライフにおいて最重視しているものを企業が適確に把握する方法と、仕事における社員の目標達成を支援する方法をどのように評価するかについて詳しく見ていきます。企業が何よりも重視すべきなのはエンプロイー エクスペリエンスです。画一的なアプローチを採用するのではなく、得られた教訓を社員それぞれの状況に適用します。そうすることで社員の定着率を向上できるだけでなく、社内外における自社のブランドの地位を総合的に高めることができます。
社員の定着率を向上させるには、まずは社員を理解するための場を設ける必要があります。これが骨太の人財定着計画の基盤となります。これを作成するためには、時間をかけてデータを収集し、企業としての現在のポジションを調査する必要があります。
新しい定着戦略を計画する前に測定すべき最も重要な指標は、企業の離職率です。離職する社員の数、離職時期、離脱する部門を把握できなければ、社員が離職する理由を特定することは非常に難しくなります。さらに自己都合による離職と企業の都合による離職を区別することで、社員の離職状況を把握し、個人的な動機やより広範な傾向を特定します。これにより、潜在的な問題を明らかにできます。また、特に問題のない領域に時間を費やすことを回避することもできます。
離職する社員の数、離職時期、離脱する部門を確認したら、離職の理由について考えます。離職の理由を理解するには、まずは社員エンゲージメントのデータを収集して、これを評価します。離職の主な要因 (詳細は後述) は、社員エンゲージメントの推進要因と直接的な相関があります。そのため、成長の機会、給与、全社的な目標など、企業における包括的なエクスペリエンスについて社員がどう感じているかを尋ねることで、最も注意すべき領域を特定できます。これは、離職の防止に役立ちます。それぞれのチームや部門が各要因についてどのように感じているかを比較し、全社的に見て同じ領域に弱点が集中しているかどうかを特定できます。
離職率の低下とエンゲージメントの向上はどちらも適切な目標ですが、他の要因がベースライン スコアにどのような影響を与えるかについても考慮する必要があります。たとえば、海辺のリゾート地といった季節的なビジネスと、都心繁華街のバーのようなビジネスとでは、ベースラインが大きく異なります。業界、企業規模、地域、市場トレンドを考慮することで、データを競合他社と照らし合わせて評価し、現在の成功事例や失敗事例についてより高い洞察力を得ることができます。しかし、エンゲージメントの目標で完璧なスコアを達成することはほぼ不可能であるように、現実的な離職率のベースラインがゼロになることはありません。
多くの取り組みと同様に、社員を定着させるためには、最高情報責任者 (CIO) や最高人事責任者 (CHRO) だけでなく、経営幹部全体が継続的にコラボレーションを行い、健全な企業文化を促進する必要があります。定着率に注目が集まっている場合は、部門横断的な連携が容易かもしれません。しかし、戦略を成功させるためにはワークフォース プランニング プロセスを適切に連携させ、潜在的な変化や発展に対応しなくてはなりません。最初は新しい計画が新鮮で魅力的に映るかもしれませんが、持続可能な変化には時間が必要です。この点を最初から計画に組み込んでおくことが重要です。
企業データを収集したら、どのような戦略を立て、どの領域に最も注意を向けるべきかを検討します。一般的なアプローチでは、定着率および離職率の両方に影響する要因を調査し、各社員が支援やサポートを受けているかどうか、これらのステップを改善または最適化できるかどうかを考えます。特に決まったプロセスはありませんが、当社の情報に基づいた職場の定着率を高める 4 つの要因を紹介します。汎用性を重視して、最も再現性が高く一貫性のあるものについて説明します。
十分にインクルージョンが重視された職場環境は、定着率を高めるうえで計り知れない価値があります。
私たちが人財の定着について議論する場合は通常、人財管理というより広範な理念の下で行います。人財管理とは、簡単に言うとワークフォースの採用、育成、維持です。これにより、社内でのジャーニーのあらゆる段階において、社員が競争力やプロフェッショナルとしての充実感を維持できるようにします。人財の定着率を高める以下の 4 つの要因は、このライフサイクルの各段階において社員に最も大きな影響を与える要因と捉えるとよいでしょう。また、エンゲージメントの監視と管理がそれぞれの要因においてどのように役立つかについても説明します。
1.レコグニションと報酬
社員自身が報酬アップの可能性を認識または確認できないと、社員の定着は確実に難しくなります。社員への価値提案の基盤は、社員が給与や福利厚生を対価として労働義務を遂行することにあります。一方が条件を満たさない場合、もう一方も満たせなくなるのは当然のことです。
レコグニションと報酬にはさまざまな形態があります。単純な報酬形態もあれば、社員がチーム メンバーや同僚をレコグニションに推薦できる場合もあります。社員は給与の増加のみを望んでいるわけではありません。自身がチームの重要なメンバーであると感じ、企業の成功に寄与していることを具体的に示したいと思っています。レコグニションが給与でのみ評価されると、社員はないがしろにされていると感じる可能性があります。チーム ミーティングや全社ミーティングで個人の成功を称える場を設けましょう。
給与やレコグニションについて話し合うのは難しい場合が多いため、社員エンゲージメント調査は非常に有効です。自動で質問を行えるので、チーム リーダーは直接質問する気まずさを回避できます。また、このような方法は機密性が高く、評価が問われないため、社員は自由に発言できます。通常では社員が企業の上層部に意見を伝えることは難しいですが、これを活用して上層部に認識してもらうことで、有意義なアクションが実行される可能性が高まります。
2.ワーク ライフ バランス
パンデミック中にリモートワークが盛んになったことで、頻繁かつ熱心に取り上げられるようになった話題がワーク ライフ バランスです。2021 年に Gallup 社が行ったリモートワークに関する調査によると、新型コロナウイルス感染症をきっかけにリモートワークを開始した人の 96% が、今後も (少なくとも一部の時間は) リモートで働くことを希望しています。リモートで働いている人を対象に 2019 年以前に実施した調査では、この割合は 99% でした。世界的に不確実な時代に直面し、個人的な価値観や仕事の価値観が見直されるようになっただけでなく、多くの人々が在宅勤務のメリットを初めて経験しました。このような意識の変化は今後も定着していくでしょう。
このような働き方の変化は、「生産性向上のために社員は現場にいる必要がある」、または「社員が柔軟な働き方をすると企業文化が希薄になる」、という考え方を根本的に覆すものです。多くの社員が、従来のように労働時間に縛られる必要はないと考えています。特に通勤が長時間に及ぶ場合や、仕事のために家庭や家族から離れる必要がある場合はなおさらです。企業が正当な理由もなく社員の働き方を制限してしまうと、既存の社員との関係性が悪化し、入社を希望する人財の意欲を失わせてしまう可能性があります。
繰り返しになりますが、エンゲージメント調査によって社員が求めるものが明らかになるため、企業内のニーズの違いをより包括的に把握できます。あるチームでは対面での作業が最適かもしれません。一方で、複数の国で分散して作業しているチームにとってはオフィスが不要な場合もあります。リモートワークや労働時間について社員がどのように感じているのかを確認しなければ、戦略は推測に過ぎなくなります。
3.キャリアアップ
離職率の高さと相関性が高いものの 1 つに、キャリアアップ機会の欠如があります。Workday の『社員の期待レポート (2022 年)』によると、2021 年には成長に関するコメントが全社員のコメントの 8% を占め、2020 年と比較して 2% 増加しています。社員が社内で自身の進むべき道を見い出せなければ、現在の業務が無意味であり、方向性に乏しいと考えるようになるでしょう。その不満がさらなるエンゲージメントの低下につながり、社員は別の企業を探すようになってしまいます。社員に信頼を示すためにも、現在の企業に未来があると感じてもらうことが必要です。
昇進はキャリアアップ計画や能力開発計画に欠かせないものですが、社員が大切にされていると感じられるようにするために、企業ができることはほかにもたくさんあります。キャリアアップの形態はさまざまです。社員に新しいスキルを習得させて既存の役割における責任を拡大したり、部門横断的なコラボレーションの機会を提供したりすることもできます。社員を定着させるうえで、仕事の満足度は将来的な昇進の可能性を示すよりもはるかに重要です。社員が日常業務に充実感とやりがいを感じ、自分の意見に耳を傾けてもらえていると感じられることが重要なのです。
社員がキャリアアップにおいて求めるものを明らかにするには、率直に尋ねることが一番です。Workday では、社員自身が常にキャリアアップの主導権を握るべきだと考えています。そのためには、キャリアの将来的な希望について社員が発言できる機会を提供する必要があります。機密性の高いエンゲージメント プラットフォームを使用すると、社員はチーム リーダーに直接話しにくい具体的な提案 (部門間の変更を要するトレーニングや能力開発など) を伝えることができます。一方でマネージャは、社員が現在の仕事量に満足しているか、次のステップアップを目指しているか、といったことを把握できます。
4.ビロンギングとダイバーシティ
帰属意識を感じられる企業で働く権利は誰にでもあります。McKinsey 社の調査によると、自身が職場で唯一の女性であると認識している女性の 26% が離職を考えているのに対し、そうでない女性の割合は 17% であることがわかっています。社員が少数派に属しており、職場が気まずいと感じている場合、社員が長く定着する可能性は低くなります。
真に多様性のある企業を実現するには、職場におけるさまざまな種類のダイバーシティについて理解する必要があります。ダイバーシティの取り組みは、収集したデータの品質によって決まります。自己報告オプションをより多く提供することで、より具体的な指標を入手し、社員に対してそれぞれのバックグラウンドのあらゆる側面が重要であることを直感的に示すことができます。インターセクショナルなアプローチがないと、バックグラウンドにおいて少数派である社員は、自分たちのアイデンティティが 1 つの還元的なカテゴリに制限されていると感じる可能性があります。
ビロンギングとダイバーシティをコアに据えた企業文化がもたらすメリットは多岐にわたりますが、エンゲージメントへの影響は特に顕著です。帰属意識は社員の心理的安全性を高めるため、発言やフィードバックの一貫性を高めるだけでなく、社員と企業全体の関係を強化し、職場における社員の総合的なエンゲージメントを向上させます。十分にインクルージョンが重視された職場環境は、定着率を高める上で計り知れない価値があります。
目に見える進歩の証がないと、キャリアアップは無意味なものになってしまいます。進歩の証を実感するたびに、社員は大切にされていると感じることができます。
2021 年には、調査対象の社員の 27% が離職を検討していました。これは Workday の最新レポートのデータから明らかになったものです。このレポートは 160 か国、1 億 8,000 万を超える社員の意識調査への回答を集めたデータベースに基づいています。自社の社員の意識を残りの 73% に導きたい場合は、社員定着戦略を再検討する必要があります。
人財を定着させる万能な方法はありませんが、他の問題よりもはるかに頻繁に再発している特定の問題があります。このような問題に対処するために、最も効果的な 9 つの定着戦略についてそれぞれ説明します。
企業は、社員エンゲージメントに焦点を当てた定着戦略の段階的なステップを作成するのではなく、各アクションが社員エンゲージメントにどのように影響するか、また社員センチメントに基づいて各アクションを周知し、改善するにはどうすればよいかを考える必要があります。以下で紹介する 9 つの戦略では、エンゲージメント プラットフォームを使用して、社員の定着計画のあらゆる段階で情報を確認する際のヒントも紹介します。
社員の定着を最適化するには、常に社員エンゲージメントに目を向ける必要があります。2020 年に Gallup 社が行った調査によると、離職率が高く (年間離職率 40% 超)、社員エンゲージメントの高さが上位 25% である企業は、エンゲージメントの高さが下位 25% の企業と比較して離職率が 18% 低いことがわかっています。この数値は、離職率が低い企業 (年間離職率 40% 以下) では 43% も低くなります。
社員の定着についてより具体的に理解するには、まずは「変化は世の理である」という不変の事実を認識する必要があります。社員の進化するニーズに対応し、社員が離職するきっかけとなる原因を減らすことで、変化をポジティブなものに転換できます。リアルタイムの社員センチメントに基づいてニーズに対応し続けることで、社員は自身の意見に声を傾けてもらえていると感じやすくなります。企業やビジネスの成長に貢献できるように、社員をサポートしましょう。
社員定着戦略の最適化は、変化への反復的な適応にほかなりません。定着率やエンゲージメントに関するデータを収集し、これをその他の社員フィードバックと組み合わせて最初のアクション プランを作成しても、決してこのプロセスの最終ステップとは言えません。それよりも、初期戦略は変化するものであるとあらかじめ認識することが重要です。予備調査を行うための手段として初期戦略を活用し、最適化すべき領域を特定する必要があります。
この段階で社員フィードバックが重要になります。アクションを開始したら、さらに質問を重ねることが最も重要です。社員は変化に満足しているでしょうか。最も差し迫った懸念事項に対処してもらえていると感じているでしょうか。社員がさらに改善してほしいと考えている領域は何でしょうか。あらゆるフィードバックに耳を傾けていることを示し、フィードバックを取り入れて戦略を最適化し続けることで、潜在的な反対論者や離職者を企業の積極的な支持者に変えることができます。これが社員を効果的に定着させるための秘訣であり、強力な社員エンゲージメント ソリューションの真髄です。
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