Workday タレント マネジメント: 完全ガイド
タレント マネジメントとは、プランニング、採用、レベルアップ、評価を連動させ、チームの柔軟性と主体性を高めるプロセスです。本ガイドでは、強固な人財ライフサイクルを支える重要な役割、フレームワーク、指標について説明します。
タレント マネジメントとは、プランニング、採用、レベルアップ、評価を連動させ、チームの柔軟性と主体性を高めるプロセスです。本ガイドでは、強固な人財ライフサイクルを支える重要な役割、フレームワーク、指標について説明します。
このブログでは以下についてご紹介します。
優秀な人財を見つけ、確保することは、動く標的を追いかけるようなものです。適切なスキルを持つ人財が揃っているかと思えば、次の瞬間には空白が生じています。
Workday の調査では、人事部門リーダーの 51% が将来的な人財不足を懸念しており、一方で、未来の成功を見据えたスキルを持つ人財を確保できていると確信しているのはわずか 32% にとどまっています。業界の動向、テクノロジー、採用市場がかつてないスピードで変化する中、人事部門チームへのプレッシャーが高まっているのは当然の流れです。
このギャップを埋める鍵がタレント マネジメントにあります。タレント マネジメント体制の強化は、採用パイプラインの整備、既存のワークフォースと企業目標の連動、内部異動や昇進状況の明確な道筋の構築を可能にします。
ビジネスに効果的なタレント マネジメント戦略を策定するには、成長企業と大規模組織の両方における主要な役職や責務、ツール、ベストプラクティスを理解することが何よりも不可欠です。
タレント マネジメントとは、組織の可能性を最大限に引き出す人財を見つけ、育成し、維持する継続的なプロセスです。個々の社員や役職だけでなく、全体のワークフォースも対象とします。近年では、テクノロジーを活用して予測を行い、ワークフォースの能力を最適化する、データドリブンの機能へと発展しています。
主要な責務領域は以下のとおりです。
ワークフォース プランニング: ワークフォース データから将来の人財配置ニーズを予測
採用: 採用パイプラインを管理し、新入社員を統合
パフォーマンス管理: 社員の成果を追跡し、レベルアップに向けた対話を促進
ラーニングとレベルアップ: 成長の機会とラーニングのマイルストーンを定義
後継者育成プランニング: 重要なポジションのタレント プールを構築
社員エンゲージメント: センチメントを評価し、ロイヤルティを強化
タレント マネジメントのプロセスでは、自然な離職や社員の社内でのキャリア形成の中でも、組織の安定を保ち、人財の流動がビジネスの継続に影響を与えないようにします。
状況や優先度の変化が生じたときには、人事部門が迅速に人財を再配置し、重要な役職の空白を埋めることで、滞りなく業務を継続することができます。
変化に強いタレント マネジメントのフレームワークとは、プランニング、ソーシング、レベルアップ、評価を一体化した継続的なサイクルです。各段階は、それぞれ異なる方法で組織の準備状況を構築し、それらが組み合わさって、ワークフォースの持続的な成功につながる動的な原動力が生み出されます。
タレント マネジメントは、自然な離職や社員の社内でのキャリア形成の中でも、組織の安定を保ち、人財の流動がビジネスの継続に影響を与えないようにします。
この段階では、人財チームは企業のライフサイクルのあらゆる段階において、人財の需要が戦略目標にどのように合致するかを定義します。ここでは次のような重要な問いを投げかけます。
適切な役職で採用を行っているか?
各部門やポジションは、目標達成に向けて効果的に構成されているか?
必要なスキルを持った人財を採用できているか?
解消すべきスキル ギャップは存在するか?
リーダーシップのパイプラインを維持するために、どのような社内異動の取り組みが必要か?
人財戦略を戦略目標と整合させ、ワークフォースの需給を予測し、明確な優先順位を設定することで、人事部門チームは先回りした対応が可能となり、急な欠員補充や、競合他社に需要の高いスキルで遅れを取るといった事態を回避できます。
タレント マネジメントと聞いて、最初に思い浮かぶのが採用活動であるのは当然のことです。社内外を問わず優れた人財を惹きつけ、維持するためには、強力な人財ソーシング戦略が不可欠です。
現代においては、候補者を顧客のように捉え、彼らを惹きつける企業ブランドを築くことが重要です。企業の価値観の透明性や、給与以外のエンプロイー エクスペリエンスの充実も、採用の成功に直結します。
スキル重視の採用や、候補者の動的な評価基準が進む中で、候補者を包括的に評価するためには、強固な評価ツールが求められます。
効果的なタレント マネジメント戦略は、既成のトレーニング プログラムだけでは不十分です。人事部門チームは、明確な社内異動制度を確立し、社員の成長を可能な限り優先すべきです。社員がキャリアを通じて成長、レベルアップできる仕組みを提供することは、人財の定着率に不可欠です。実際、企業の 77% が、社内での成長機会の欠如を理由に人財を失ったことがあると報告しています。
社内異動には、社員がスムーズに役割を移行し、新しいスキルを習得し、将来的なリーダーシップのポジションに昇進できる、体系的なキャリア パスの構築支援が求められます。中には、部門横断的なローテーションやメンター制度などの重点的なイニシアチブを導入して、レベルアップ プログラムを制度化している企業もあります。
この段階では、従業員の評価方法、エンゲージメント調査、定着率の傾向といった生のデータを戦略的なインサイトへと変換します。設定された目標に対して成果を評価することで、人財チームはうまく機能している領域や改善が必要な領域を明らかにし、プランニング、ソーシング、そして社員のレベルアップの実践を継続的に改善して、変化に先んじることができます。
人事部門において AI は、この進化の中心的役割を担っています。Workday の「AI に関する CHRO 指標調査レポート」によれば、人事部門の AI パイオニアは、タレント マネジメントのコア領域において AI に明確な価値を見出しています。特に AI の使用から恩恵を受けている分野として、パフォーマンス管理、スキル管理、採用、オンボーディングが挙げられています。
追跡に関しては、タレント マネジメントは営業や財務のように数値化が容易な分野ではないため、タレント イニシアチブのパフォーマンスや、特に注意が必要な点についてのインサイトを提供する指標を見極めることがより重要です。以下に示す指標は、特に注目すべき重要な指標です。
採用効率は、空いた役職について、組織がどれだけ迅速かつ費用対効果が高い方法で充足できているかを測る指標です。社員をより早く見つけて採用することで、生産性のギャップを解消し、採用コストを削減し、混乱を最小限に抑えてチームの人員を維持できます。
主な指標の計算については次のとおりです。
補充までの期間の平均: 職務補充依頼から候補者採用までの合計日数 ÷ 採用者数
内定承諾率: (承諾されたオファー数 ÷ 提示したオファーの合計数) × 100%
1 人あたりの採用コスト: 採用関連費用の合計 ÷ 採用者数
人財の質とは、企業に新たに入社または異動する人財のパフォーマンス レベルや潜在能力の指標です。質の高い採用と昇進は、より良いビジネスの成果を生み、人事部門の選考プロセスの有効性を示します。
主な指標の計算については次のとおりです。
パフォーマンス評価の分布: パフォーマンス目標を達成または上回った新入社員や昇進者の割合
社内昇進率: (社内昇進者数 ÷ ワークフォース合計) × 100%
エンゲージメントを測定することで、社員の組織に対する感情面でのコミットメントや、期待以上の成果を出そうとする意欲を測ることができます。エンゲージメントの高い社員は、一般的に生産性や革新性が高く、退職する可能性も低い傾向があります。
主な指標の計算については次のとおりです。
eNPS (エンプロイー ネット プロモーター スコア): エンゲージメント調査の推奨者の割合 (%) − 批判者の割合 (%)
参加率: (調査の回答数 ÷ 対象の回答者数) × 100%
社内人財の流動性とは、組織において社員が新しい役職に移動した割合を示す指標です。優れた異動制度は定着率を高め、社内でリーダーシップのベンチマークを開発します。
主な指標の計算については次のとおりです。
社内異動率: (横移動または昇進の異動の数 ÷ ワークフォース合計) × 100%
目標能力に到達するまでの平均期間: 目標の能力レベルに到達するまでの合計日数 ÷ 新しい役職に就く社員数。
開発 ROI は、ラーニングおよび開発プログラムによって生成される効果とビジネスの価値を測る指標です。これは、人財とトレーニングへの投資がスキルの成長とパフォーマンスに与える影響を実証します。
主な指標の計算については次のとおりです。
1 時間あたりのラーニング コスト: トレーニング支出の合計 ÷ 標準提供のトレーニング時間の合計
能力向上率: (トレーニング後の能力に対するスコア − トレーニング前のスコア) ÷ トレーニング前のスコア × 100%
スキル ギャップ解消率: (解消されたスキル ギャップ数 ÷ 特定されたギャップ数の合計) × 100%
これらの指標は四半期ごとに確認し、成果の把握、改善点の特定、そして人財イニシアチブと戦略目標との整合性を図ることが望まれます。
最新のワークフォース マネジメント ソリューションは、人財データやすべての人財管理機能を唯一の正しい情報源に統合します。組織全体のスキル評価から社員エンゲージメントまで情報を一元化することで、人事部門とビジネスリーダーは、人財がより広範なビジネス目標にどのように貢献しているのかをリアルタイムで把握できるようになります。
包括的な人事部門の管理プラットフォームにより、組織は人財戦略を効果的に拡張することができ、同時に有意義な影響をもたらすパーソナライゼーションと人的つながりを維持することができます。
人財ライフサイクルのあらゆる段階を単一の環境で実現することで、戦略的なワークフォース プランニングのための一貫したエンジンが生まれ、よりスマートな採用をサポートし、社員が自社でキャリアを成長させる意欲を高めるようなエンプロイー エクスペリエンスを提供することができます。
現在、業界全体の 75% において、優秀な人財の自己都合の離職が増加傾向にあります。この Workday レポートでは、このような傾向が市場に及ぼす影響と、優秀な人財の離職を防ぐ戦略について解説しています。
さらに読む
スキルベース人事で人財不足時代を乗り切る。学歴や職歴ではなく、一人ひとりが持つスキルを可視化し、採用・配置・育成に活用することで組織の競争力を高める新しいアプローチを解説。政府の動向から導入ステップ、成功事例まで詳しくご紹介します。
ワークデイが日本国内の大手・中堅企業の人事部門に所属する課長職以上の500名超を対象に実施した市場調査の結果をもとに、人事変革を成功に導くための具体的な方法論を解説します。
AI エージェントが人事業務をどう変えるのか。採用から育成、評価まで自動化し、人事部門を経営のパートナーへと進化させる具体的な方法を解説し、責任あるAI 活用の考え方から導入ロードマップまで詳しくご紹介します。