大企業における AI 使用の拡大

大企業で AI の導入・使用を促進するにはどうすればよいのでしょうか?Workday の最高人財責任者とテクノロジー/アーキテクチャ担当シニア バイス プレジデントがインサイトを共有します。

会話している同僚グループ

[話題のテクノロジー名を挿入] はビジネスの世界を席巻し、生産性をかつてないレベルに引き上げるチャンスを提供しています。 

御社でも同じようなことが起きていますか?インターネットが普及する前の世代の方は、同じような話を聞いたことがあるかもしれません。歴史は往々にして繰り返され、AI も例外ではありません。

ワールド ワイド ウェブがビジネスを変えたときと同様、AI は業務のあらゆる側面を変えようとしています。これには業務の進め方、業務の担当者、成功を測定する方法が含まれます。新たなスキルや前代未聞の機能が創出され、数年前には存在しなかった職務が求人掲示板に掲載されるようになっています。

しかし問題はあります。Gallup 社によると、AI を毎週使用している米国の社員は 10 人中 1 人にとどまっており、使用が進んでいないことがわかります。また、インターネットの普及時と同様、AI の使用方法、習熟度、快適さが確保されるまでには、ある程度の時間がかかることが予想されます。 

Workday の最高人財責任者 (CPO) を務める Ashley Goldsmith とテクノロジー/アーキテクチャ担当シニア バイス プレジデントを務める Jim Stratton は、先日 Fortune 社のインタビューに応じ、「EverydayAI」イニシアチブを通じて Workday タレント プール内の AI 使用を拡大する取り組みについて説明しました。以下にいくつかのポイントをご紹介します。

Gallup 社によると、AI を毎週使用している米国の社員は 10 人中 1 人にとどまっています。

導入、拡大、パフォーマンスの向上

AI の使用が拡大すると、人財は減少するのでしょうか?重大なテーマですが、現状はこのような懸念とかけ離れています。AI が文字通りビジネスの世界を席巻することはありませんが、そのような印象を受ける人もいます。AI を「導入」する過程においては特にそうです。

人事プロフェッショナルが AI を組織に導入する方法を決定する際は、AI に対する人財の感情や認識に配慮する必要があります。自身に取って代わるかもしれないテクノロジーを使いたがる人間はいません。 

しかし組織が成功を収め、長期的な競争力を維持するためには、組織が常に成長し続ける必要があります。多くの意味で AI の普及は人財の減少を意味しません。ただし人財の非生産的な業務を減らします。 

たとえば、インターネットによって人財が減少することはありませんでしたが、生産性は向上しました。AI もこれと非常に似ています。

Stratton は同様の認識をインタビューで述べています。同じ作業をより少ない人財で行う必要がある企業に対し、従業員が抱く不安について Strutton は次のように述べています。「そのような不安は当然かもしれません。しかし私たち、特に開発の現場では、同じ数の人財でより多くの作業を達成することにより、製品を短時間で提供できるようになると考えています」

PwC 社の調査はこの見解を裏付けており、2030 年までに地域経済の GDP が 26% 増加すると予想しています。これは世界経済の GDP に換算して 15 兆 7,000 億ドルに相当します。このうち生産性の向上に依拠する増加分は 6 兆 6,000 億ドルに及びます。

「同じ数の人財でより多くの作業を達成することにより、製品を短時間で提供できるようになると考えています」

ジム・ストラットン テクノロジー/アーキテクチャ担当シニア バイス プレジデント Workday

AI は人間に変化を迫るだけでなく、明るい未来をもたらします。

EverydayAI の活用

Workday 社員の AI の使用状況を把握するため、EverdayAI イニシアチブを主導する各チームはデータの収集を開始しました。 

収集したデータを活用して次の AI 導入ステップに進もうとしていたチームは、Workday 社員の 43% が AI を試す時間が十分にないと感じており、3 分の 1 以上の社員が新しい AI ツールの使用方法を理解していないことを知りました。 

現状は極めて厳しいものでした。Goldsmith は次のように述べています。「私たちは社員が AI を使用することを強く望んでいるのですが、社員は AI を試す時間がないと感じているか、もしくは使用する能力がないと感じているのです私たちは社員のマインドセットを変える必要がありました」 

誰もが物事をスムーズにやり遂げたいと思います。苦手な分野に貴重な就業時間を振り向けることに抵抗や不安を感じるのは当然です。しかし組織にとって適応性の高い社員やアジャイルなワークフォースを構築することはますます重要になっています。

障壁となっていたのは苦手意識でした。そこで EverydayAI チームは、社員が AI を活用できる環境を構築することに乗り出しました。

導入の促進

ワークフォースの AI に対する苦手意識を好奇心に変えるため、Workday は AI の使用と導入を推進するイニシアチブを多数導入しました。これには以下が含まれます。

  • AI 使用の奨励: Workday は社内の AI ユース ケースの活用を奨励し、タウンホール ミーティングで全社員に向けて AI の使用方法を実演することにより、AI 使用を可視化して社員の意欲を高めました。

  • スキルアップ: 全社員向けにデジタル アカデミーを開設し、この新たなテクノロジーの学習・能力開発機会を提供することにより、AI 使用に対する安心感と確信を促進しました。

  • AI 使用と社員の成功を結び付ける: 必ずしもそうする必要はありませんが、AI は事例に基づいて体系的に使用することが理想的です。誰もが AI スキル開発の目標を定めるよう求めることで、Workday 社員の AI 使用に対する意欲は高まりました。

最もシンプルなアプローチが最大の効果を生み出す場合があります。この取り組みを開始する際に成功度を適切に測定する方法を構築していたため、EverydayAI チームは取り組みが具体的な成果につながっているか定期的に確認することができました。

「私たちは社員が AI を使用することを強く望んでいるのですが、社員は AI を試す時間がないと感じているか、もしくは使用する能力がないと感じているのです。私たちは社員のマインドセットを変える必要がありました」 

アシュリー・ゴールドスミス 最高人財活用責任者 Workday

今年の初めに AI の使用率を 20% 増やすことを目指していたチームは、イニシアチブが成功し、社員の 79% が AI を活用していることを知って喜びました。これは当初の目標を 4 倍近く上回る成果をわずか 6 か月で達成したことになります。

Workday 独自の AI チャットボット、Workday Assistant、ベンダーの AI 機能 (Zoom、Google、Slack を含む)、生成 AI 専用ツールを含め、Workday では多様な AI ツールの導入が順調に進んでいます。 

AI が導く明るい未来

Workday の EverydayAI イニシアチブの成功事例は、AI 導入が基本的に人財の問題であることを明らかにしています。

人財の懸念を認識し、AI を活用する文化を促進し、スキル開発を積極的にサポートすることにより、組織は AI の使用率を高め、AI の計り知れない可能性を引き出すことができます。 

AI 導入が進む仕事の未来では、人財が置き換えられるのではなく、人財の可能性が引き出されます。つまりインテリジェント ツールによって人間の創意工夫が強化され、生産性とイノベーションがかつてないレベルに引き上げられます。

急速な市場の変化が人財戦略を困難にしていますか?この Workday バイヤーズ ガイドでプランを策定する方法をご覧ください。目標を定義し、さまざまなベンダーの評価を行い、適切なスキル テクノロジーを活用してワークフォースの潜在能力を引き出しましょう。

投稿:  人事
人事改革

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