Workday グローバル調査: 人財不足対策としてスキルベース戦略を採用するリーダーたち
Workday のラーニング責任者を務める Chris Ernst が、Workday の新しい調査について説明します。AI の時代において、リーダーたちはなぜ職務ではなくスキルを中心に業務を編成しているのか、潜在的な人財不足にどのように備えているのか、どのような戦略を重視しているのかについて説明します。
Workday のラーニング責任者を務める Chris Ernst が、Workday の新しい調査について説明します。AI の時代において、リーダーたちはなぜ職務ではなくスキルを中心に業務を編成しているのか、潜在的な人財不足にどのように備えているのか、どのような戦略を重視しているのかについて説明します。
2025 年は、AI エージェントの登場により、ビジネスで成功するためのスキルが再定義され、職場における人間とテクノロジーの継続的な進化にとって非常に重要な時期になります。これは一時的なものではなくパラダイムシフトであり、ビジネスリーダーはこの変化に対応する必要があります。
Workday の最新のグローバル調査『スキルの現状』では、ビジネスリーダーの過半数 (51%) が将来の人財不足を懸念しているという結果になっています。また、現在のスキルのままで今後もビジネスで成功できると確信しているリーダーはわずか 32% しかいないという結果になっています。
リーダーたちはビジネス環境が変化していることを認識していますが、調査対象者のうち「社内のスキルについて明確に把握している」と回答したリーダーはわずか 54% でした。このように、将来を見据えた知見が不足していることに、多くのビジネスリーダーが懸念を示しています。進むべき道を判断できず、次の一歩が踏み出せない人が少なくないのです。
現在のリーダーたちは、従来のタレント マネジメントではなく、スキルベースの戦略に注目するようになっています。これまで多くのお客様と協力してきた Workday は、スキルに基づいた組織編成にすることでワークフォースの明確な全体像が把握できるだけでなく、AI が普及した現在のビジネス環境で成功するために必要な、アジリティとレジリエンスを高めるうえで、スキルが組織の軸となることを示す事例も、すでに何度も経験しています。
当社の調査により、リーダーたちは、「自社のワークフォースに欠けている最も重要な要素は、技術的なスキルと人間特有のスキルの組み合わせである」と考えていることがわかりました。
目まぐるしい速さで大きな変化が次々に起こる現在の環境にあって注目が集まっているのは、社会的なスキルと、個人的なスキルです。つまり、どんな時代にも必要とされる対人関係のスキルです。変化に強いワークフォースを築き、学び続ける姿勢を尊重する企業文化を醸成するためです。
「AI はこれまでの働き方を変えつつありますが、それと同時に、人間的な要素がこれまで以上に重要になっています。スキルを重視する企業は、AI の可能性を最大限に引き出すだけでなく、人間の創造力を革新的な方法で活用できるようになります」
Chris Ernst
最高学習責任者
Workday
Workday の調査『人間の可能性を引き出す: AI によるスキル革命』では、AI が普及する将来においては、以下に示す人間特有の 4 つのスキルが重要になるということが指摘されています。
AI により、さまざまな業務の拡張と自動化が継続していきますが、こうした状況においてリーダーは、ワークフォースのスキルがどのように変化しているのかをリアルタイムに評価する必要があります。たとえば Workday では、合計 20,400 人の Workmate を網羅するすべての職務プロファイルに、ビジネスに不可欠な承認済みスキルが登録されています。このデータは現在、採用、スキルアップ、キャリア育成など、当社のスキルベース戦略を実施する基盤になっています。
現在のような AI の時代においては、タレント マネジメントに対して、データ主導型のアジャイルでパーソナライズされたアプローチが必要になります。世界中の過半数 (55%) の組織が、すでにスキルベースのアプローチへの移行を開始しており、さらに 23% が今後 12 か月以内での移行を計画しています。
スキルベースの組織とは:スキルをワークフォース戦略の中心に置き、人間を重視して業務を強化するための新しい運用モデルの構築に取り組むのが、スキルベースの組織です。スキルベースの組織は、AI とスキルを業務のデータ言語として使用し、変化に強いアジャイルなワークフォースを構築します。
一方、従来のタレント マネジメントは人手によるプロセスと最新ではないデータに頼ることが多いため、急速な進歩を続けている AI と比べた場合、早晩時代遅れになる可能性があります。これは多くの場合、事後対応的なアプローチにつながり、リーダーは常に変化への対応に追われることになります。こうした事後対応的なアプローチではなく、将来のニーズを予測して組織を調整し、既存の社員のスキルを最適化する必要があります。
リーダーがスキルベースの戦略を採用すべき主な理由は以下のとおりです。
リーダーたちは、パフォーマンスの向上だけを考えているのではなく、エンプロイー エクスペリエンスについても考えています。82% のリーダーが、「スキルベースの戦略は、公平な機会の提供に役立つ」と回答しています。
スキルベースのアプローチへの移行には、変化に対する抵抗、各種システム間のスキル データの統合、社員のスキル再習得にかかる時間など、いくつかの課題がありますが、急速に普及している AI は、この移行を加速させる上で重要な役割を果たします。
AI は、スキルベースの未来への移行を加速させるだけでなく、スキルベースの未来を実現する手段でもあります。41% のリーダーが、「AI はスキル不足の緩和に役立つ」と考えています。主なメリットは以下のとおりです。
AI を活用すれば、スキル データを取得して、さまざまな情報に基づいてワークフォースに関する意思決定を行うだけでなく、各種の業務を自動化して時間を節約することもできます。これにより社員は、同じデータに基づいてパーソナライズされたラーニングと能力開発の機会を通じて、スキルアップに集中できるようになります。
AI の導入を契機として仕事の世界に変革が起こるという状態はまだ完全には実現していませんが、現在の変化のスピードを考えた場合、リーダーたちは、「タレント マネジメントで積極的なアプローチを採用するには、スキルベースの戦略が不可欠である」と考えていることがわかります。スキルベースの組織は、一朝一夕には実現できません。ただし、そのための取り組みをすでに始めている組織は、ワークフォースの可能性を最大限に引き出し、不確実な状況においても、ビジネスを成功させるための準備を整えています。
Workday は、強力なスキル戦略が、人間のスキルの向上と業務の強化の中核であると考えています。Workday は、スキルベースの組織になるための取り組みを進めており、その過程で得たインサイトをお客様と共有し、公的機関や非営利組織と協力してスキルベース経済の実現に取り組んでいます。
スキルベースの戦略は、会社と社員の両方にとってメリットがあります。会社にとっては、新しいタレント プールを発見できるというメリットがあり、社員にとっては、新しい成長の機会が得られるというメリットがあります。これにより、会社全体としてのパフォーマンスが向上します。これらのメリットを実現するには、今後の道筋、発生する可能性のある課題、それらの課題を解決するための方法を明確に把握する必要があります。
スキル革命についてさらに詳しくご確認ください
完全版のレポートをダウンロードして、スキルに関するグローバルな現状をご確認ください。以下のようなテーマを取り扱っています。
「仕事の未来」では、スキルベースの戦略が主流になります。この実践的なレポートを読み、変化を乗り越えるために有用で、社員と会社にメリットをもたらすスキルベースの戦略についてご確認ください。
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